こんにちは、株式会社EXIDEAのWebメディア事業部です。
本記事をご覧いただき、ありがとうございます。
この記事では、弊社への採用応募や選考受検をご検討いただいている皆さんに、私たちの業務・業務外の活動や姿を少しでもお伝えして、イメージや理解を深めていただきたいと考えています。
今回は、メディアグロースハック研修について、研修担当の篠原にインタビューをしました。
・入社後、どんな研修をするのか?
・未経験でも本当についていけるのか?
・具体的にどんなスキルが身につくのか?
など、応募者の方からよくいただく質問にお答えするコンテンツとなっています。
ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
インタビュイー:篠原 知志 インタビュアー:曽根 康司
「メディアグロースハック研修」の実施背景
インタビュワー・ライター EXIDEA曽根康司(以下、曽根):
EXIDEAのWebメディア事業部では「メディアグロースハック研修」というプログラムを展開しているそうですが、その背景にある課題や期待について教えてください。
インタビューイ EXIDEA篠原知志(以下、篠原):
まず、マクロの採用環境を見るとWebマーケターの経験者は少ないのが現状です。当社の知名度も要因としてあると思いますが、半年で数名のエントリーがあるかどうかというのが実感です。また、採用においては経験者の「スキル適合」も大事ですが、当社のバリューにフィットするかどうかの「組織適合」も、より重要な要素になります。数名の母集団の中から、「組織適合」も含めて採用につなげていくことは正直、難易度が高いです。
一方、経験則的にEXIDEAでは、採用を厳選すれば、未経験でも2年で1人前のWebマーケターになれることが分かっていました。しかし、最初の結果が出るまで時間がかかっていたという課題がありました。そして、昨年、久しぶりに未経験の中途採用が出来たことが「メディアグロースハック研修」を展開することになった大きなきっかけとなった次第です。
最初の結果が出ないということは、研修を受けるほうにとって大きな負担になります。自己肯定感が低下するスパイラルに陥るわけですから。これは、研修の対象となるWebマーケター職の特性でもあるのですが、営業職などと違って「案件が取れた」などの明確なイベントが入社後すぐに発生するとは限らないんです。
Webマーケターはユーザー視点に立ってPDCAサイクル(仮説・検証)を繰り返す仕事でもあります。結果がすぐに出ればいいのですが、結果が出ないと意識や熱意も薄まり、学びにも貪欲になれない。まさに負のスパイラルになります。
そこで、結果が見えやすい「クイック・ウィン」の要素を内包した研修の必要を感じていたわけです。具体的には、SEO(検索エンジン最適化)で順位が上がるとか、ページ内でのCVR(顧客転換率)向上といった目に見える結果が出ることにも主眼を置いた研修です。
スキルが身に付く「メディアグロースハック研修」のカリキュラムの内容は?
曽根:
「メディアグロースハック研修」では、具体的にどのようなカリキュラムで教えていますか?座学が中心でしょうか。討議や演習、実習はありますか?
篠原:
前半(約1ヶ月)はWebマーケターになるための基礎知識を含めた、座学と演習(ドリル)が中心、後半(約1ヶ月)が実際に運営しているメディアのコンテンツの作成・修正といったアウトプットを行う実習、そして討議です。
まず、前半からお話します。
以前の研修は「コンテンツを5個書いてください」といったような、若干、粗いものでした。OJT(上司や同僚による実務研修)の負荷も高く、冒頭でお話したように結果がでるまでに時間がかかる上に、そもそも結果が出にくかった。
そこで、「メディアグロースハック研修」による座学が開始されるわけなのですが、単純に業務にかかわる知識だけを教えるわけではありません。
まずは「オンボーディング」(早期戦力化に向けた施策)のプロセスから入ります。採用担当もしている川原さん(川原慶明)から、会社全体の話、ミッションやビジョン、コアバリューなどの話を共有します。その後、事業部長の瀬田さん(瀬田淳平)から事業部のコアは考え方、中期的な計画や、現在一番大事にしている「最高の1ページを作る」といったことを伝えてもらっています。
そして、これはWebマーケターにとって非常に大事な概念なのですが、「グロースハック」と「デザイン思考」についても理解を進めます。簡単に解説すると、1にユーザー・2にユーザー・3にユーザーといったユーザー視点への理解をすること。想定されるユーザーの定性調査と定量データ分析に基いて、立案された施策と検証のPDCAサイクルを迅速に回すことで事業を成長させること。この2点を実習と討議と通じて、理解してもらいます。
曽根:
なるほど、結構深いところから入る感じですね。ビジネスモデルやWeb業界・アフィリエイト業界についての知識については、どのように学ぶのでしょうか?
篠原:
Web業界は3文字の英語が多く存在する業界ですが、用語集が用意してあります。これは単語レベルの話なので、各自で学習する領域です。
また、重要だと考えているのはWeb技術に関する基礎的な研修です。データを保管するサーバーが、端末であるPCやスマートフォンと通信して、ブラウザに情報が表示される仕組みの大まかなところを理解します。
EXIDEAのWebマーケターは単なるコンテンツの制作者ではありません。「グロースハック」(※)を実践するWebマーケターです。HTMLのヘッダーやCSSといった知識を持ち合わせ、エンジニアとも同じプロトコルで話しながら機能改善をチームで推進する一員です。コアなWeb関連の知識がないといけないわけです。
SEOに関することも概要から細かい用語まで学んでいくプロセスを踏みます。タイトル、見出しの付け方、キーワードの使い方、関連キーワードなど。そして、ユーザー理解に関するペルソナや訴求のFABE分析といったこと学んだ後、実際にコンテンツ制作に移ります。
曽根:
「グロースハック」できるようになるために順を追っていくイメージですね。自動車免許でいうと「仮免許」のステージという感じでしょうか。
篠原:
はい。基礎的なところを理解したら、既存のコンテンツのリライト(書き直し)をしてアウトプットしてもらいます。ここで理解度を測るために中間テストを実施します。通常は1ヶ月を想定していますが、早い人だと3週間で終える感じです。ここで前半が終了です。
曽根:
後半はどのような内容でしょうか?
篠原:
後半は実践的な内容に移ります。コンテンツのリライトに加え、新規コンテンツの制作も入ってきます。制作の際は先輩社員が伴走します。また、並行してオンライン学習ツールなどを使いながらHTMLやCSSのコーディングの勉強もしていきます。
その成果物を私が見てOKであれば、アサイン前の研修に移ります。日次でツールを見ながら収益管理を徹底し、PL(損益計算書)を意識した業務が出来るようにしていきます。
そして、実際のサービスや担当ジャンルにアサイン(任命)されていきます。
結果(Result)ではなく意図(Why)を聞く研修
曽根:
研修を進める上で工夫していることはありますか?
篠原:
とにかくユーザー視点が身につくように徹底しています。一例としてですが、ユーザーはどう思うか?ユーザーは他ではなくなぜうちを選ぶのか?といった問いを中心としたコミュニケーションを通じて、ユーザー視点を養ってもらいます。
また、研修の各セクションでは、フィードバックの時間を設けています。結果(Result)ではなく意図(Why)を聞く。結果が出ていても、意図がないアウトプットはNGです。そこには再現性がないからです。
そして、フィードバックを複数人で行うことによって、有意義なディスカッションと定着が生まれるようにも意識しています。学術的な表現でいえばラーニングピラミッドや反復学習モデルといった要素も意識してプログラムを展開しています。
Webメディア事業部では夕礼があるのですが、ここでアウトプットの機会・質問の機会を設けています。インプットを定着させるための工夫です。そして、研修を終えている既存のメンバーにも気づきを促すいい影響があります。これはWebメディア事業部の伝統の一つです。
研修の成果と今後の研修方針
曽根:
研修の具体的効果について、研修生・事業面の両面から教えてください。また、研修で変えてみたいところ、今後やってみたい内容があれば、合わせて教えてください。
篠原:
まず、現時点で最速で即戦力化、業務ができる状態になったと思います。事業インパクトでいえば、ジャンルの立ち上げや収益が出ているメディアへの参画を踏まえると、一人あたり2年間で数千万円〜数億円の売上インパクトを見込んでいます。
研修については、変えたいというよりも、研修自体をグロースハックしてどんどんブラッシュアップしていきたいですね。
今後やってみたいことは、クオリティーを落とさずに、既存の業務や研修の一部を自動化して生産性を向上させることです。
あと、これは既に川原さんが実施してくれていることですが、研修中に1on1(ワン・オン・ワン)と言った精神面のサポートが出来ていることも研修の成果を出す上で大きな要素だと思っています。今後も、より総合的なアプローチで研修を実施していきたいと考えています。
曽根:
ありがとうございました。同じ社内にいても知らなかったことや、インタビューの最中にも気づきがあったりして、有意義な時間になりました。改めて、今日はありがとうございました。
(※)グロースハックについては以下もご参考ください。
◆グロースハッカーとは?シリコンバレーでも注目される最先端のWEBマーケティング職