きっかけは2015年シルバーウィークのベトナム旅行。高校の時より憧れていた「起業家」というものを知るために、ベトナムの若いスタートアップの事業家、そしてベトナムで起業をした日本の起業家を訪ねて5日間の旅をしました。
大学を卒業し日本橋の日系企業に通っていた私に、ベトナムの若い子たちがスタートアップに挑戦している姿はとても輝かしく、刺激的でした。羨望の気持ちに駆られながらも、私は人文専攻な上、経営に関する知識も乏しいからと今の自分にはできない、とどこかで考えていました。
そこで、旅中で訪問したEVOLABLE ASIAのソル社長に「実際やりながら学べばいいんじゃないか。ベトナムに機会は幾らでもある」と話していただきました。ご提案をいただき、少しでも若い内に、色んなことに挑戦したいと願ってベトナムへ転職をすることになりました。何より、そのまま日本で働き続けて暮らすという選択は、今後の私の望むライフスタイルにおいてリスクが高いと感じたのが決め手になったと思います。
1)これまでのキャリアについて教えてください。
韓国で高校まで通い、2009年東京大学に入学。2013年に後期教養学部を卒業後し、新卒で日系企業へ入社しました。入社したのは、日系の大手化学メーカー。日本のみではなく世界各地のメーカーのモノづくりを支える素材の営業に心惹かれ、営業職として3年間働きました。振り返れば、日本にどっぷり浸かった7年間でした。
社会人4年目を迎える25歳の年に、前職を辞めてホーチミンに移りました。現在、2016年4月よりEVOLABLE ASIAに所属しながら、新会社の立ち上げに携わっています。
2) EVOLABLE ASIAという会社について教えてください。
「ベトナムのITオフショア開発のリーディングカンパニー」という現状に安住せず、急変する市場を相手に積極的に挑戦していく会社です。実際、私が手がけているのも全く別の事業です。IT以外にも沢山の機会を手にすることができる場所です。
一緒に働く仲間も国籍、年齢、性別、前職は様々で色々なバックグラウンドの人が集まるので仕事にも多様性が生まれ、コミュニケーションも刺激的で楽しい職場です。
3)ベンチャーへ、ましてや海外(ベトナム)への転職はそう簡単に決められる事ではなかったのではないですか?
一番辛かったのは前職を離れることでした。会社の上司・同僚に家族のように慕っていた上、まだ何も恩返しできていない自分が転職などと大罪を犯すような気分になりました。
ただ、「今やらなかったら、絶対後悔する」という気持ちが明確だったので、自分自身を裏切らない方を選びました。今も会社で慣れ親しんだ方々と離れてしまったことはとても悲しいです。が、自分の選択に後悔は全くしていません。今後もこの決断を恥じぬように、前進するしかないと考えております。
4) 現在の仕事とやりがいを教えてください。
仕事としては、スタートアッププロジェクトを総括しています。商品の開発から事業計画、法人登記、人員採用に至るまで、新規事業の立ち上げに関わることに携わっています。チームメンバーは、ベトナム人、日本人、韓国人とインターナショナル。
新しいことだらけですが、そこに最もやりがいを感じています。今までは想像もできなかった課題にぶつかっては、悩んだり解決策を練りだしたり、日一日と自分やチームの成長を感じることができます。0から1へと事業が成長していく。その過程を楽しみにしながら仕事に携わっております。
5)今の仕事で大変なことは何でしょうか。
マニュアルがないこと―自分で探して日々勉強しながら、地図を描かなければなりません。
道に迷ったり遠回りしてしまうこともある一方で、道しるべの多さに感心したりすることも多いです。本、ネット講座、友人や知人の助けを得て、自分の足りないところを補いつつ前に進んでいます。意外な自分のスキルを見つけたり、自分の成長に築いたり、大変だけれど楽しくやっています。今後、地図が形になってきた時が楽しみです。
6) 仕事とプライベートの両立は大変ではないでしょうか?
ベトナムは非常に仕事とプライベートがはっきりしている文化のようで、アフタ−5が充実しています。平日の夕方はヨガやベトナム語教室に通ったり、週末はベトナム各地や近隣諸国を旅しています。 こっちに来てから、肌ツヤが良くなったかも…?
同僚と夜行バスで行ったMuineでの週末旅行
7) 今後の展望を聞かせてください。
ターゲットであるベトナムユーザーが喜ぶ製品を開発して、いち早く今お世話になっているエボラブルアジアから独立し、ビジネスとして成り立たせることです。
市場の反応を見ながら柔軟に工夫を凝らしつつ、ベトナムの主要都市、進んでは海外へとスケールアップしていきます。また、本プロジェクトのチームメンバーが前向きに働き、自己実現ができる職場を作って行きたいと考えております。
最後に
人とのご縁も会社とのご縁も、求人雑誌やネット、周りのツテ以外でも様々な所に沢山隠れているもんだな、と社会人になってより強く感じています。そして、四半世紀しか生きていない私ですが、それこそが人生の醍醐味だと生意気にも考えています。何が起きるか分からない。だから、楽しい。ベトナムに来てからも縁の繋がり方に驚いたり、感謝したりの連続です。
今後も、臆すること無くできる限り行動して、自分の世界を広げていきたいと思っています。ですので、もし東南アジアでのスタートアップが気になる方や、留学生で日本企業からの転職を悩んでいて相談相手が必要でしたらいつでも気軽にご連絡ください。お待ちしています。