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なにをやっているのか

鉄のリサイクル原料である鉄スクラップを画像解析するAIシステム「鉄ナビ」を開発する東京大学発のスタートアップです。 ユーザーは鉄スクラップを溶かして鉄を作る鉄鋼メーカーで、鉄鋼業界のVertical SaaSを目指しています。 ▼ピッチ動画(ICC KYOTO2023 スタートアップカタパルト3位受賞) https://www.youtube.com/watch?v=ElhcfifPH7g&t=1s

なぜやるのか

鉄は世界で最も多く使用されている金属でグローバルマーケットは350兆円の巨大産業です。同時に全産業の中で最大の二酸化炭素排出産業でもあります。 そのような状況の中鉄鋼業界では、石炭を燃やして鉄鉱石から鉄を作る「高炉法」から鉄スクラップを電気で溶かしてリサイクルにより鉄を作る「電炉法」への未だかつてない大きな転換期を迎えています。電炉法で鉄を製造すると、高炉法に比較して7割以上のCO2排出量が少なく済みます。日本では長年高炉法が主流で、電炉法によるリサイクルが進んでいない背景があります。 鉄のリサイクル原料である鉄スクラップには鉄以外の不純物や爆発物等が混入するケースがあり、各鉄鋼メーカーではベテランの作業員が目視で品質チェックをしなければならず、人による判定のバラツキや見逃しが品質面・安全面から深刻な課題となっていました。 EVERSTEELは、代表の田島が東京大学での鉄鋼材リサイクルの研究とスイス工科大学での画像解析技術の研究をもとに創業し、鉄リサイクルに特化した画像解析技術の研究開発に注力してきました。 代表の田島は林業の家系に生まれ、自然を守りながら経営する父の姿を見て、自分も「環境にいいことがしたい」と考えるようになり、鉄リサイクルの道へ進みました。 ▼Forbes UNDER 30受賞インタビュー https://forbesjapan.com/articles/detail/68357

どうやっているのか

現在開発している鉄ナビは、鉄スクラップの鉄スクラップの品質を判定するAI、危険物や非鉄金属を検出するAIを搭載しています。 今後は、厚み・サイズ・鋼材の種類などパーツレベルで判定できるAIの開発、お客様の様々な工場環境に適応するためのハードウェアの開発、工場の基幹システムとの連携機能の開発、現場での使い勝手を追求したアプリケーション開発に取り組む計画です。 また、将来的には鉄鋼メーカーのリサイクルプロセスにおいて、データを可視化したりリアルタイムでアクセスできる体制を整えたりと、データ駆動型のリサイクルを計画しています。 これまでに電炉最大手の東京製鐵を始め、複数の業界大手鉄鋼メーカーとの実証実験を経て、国内10社以上で実際の操業現場への導入検討が進んでいます。