TORCHについて
5月25日(月)に、ユーフォリアは「スポーツx科学で指導をアップデートするメディア」とうたうオウンドメディア『TORCH』を公開しました。
初日に公開していたコンテンツだけでも、
- 廣瀬俊朗さん(元ラグビー日本代表主将)
- 大山加奈さん(元バレーボール全日本選手)
- 為末大さん(元陸上400メートルハードル選手)
- 西野精治さん(スタンフォード大学生体睡眠リズム研究所所長)
- 佐保豊さん(スポーツセーフティージャパン代表)
- 西多昌規さん(早稲田大学准教授)
- 小俣よしのぶさん(フィジカルコーチ)
- 竹内大助さん(慶應義塾大学野球部助監督)
- 荒瀬陽介さん・宗優志さん(北越高校サッカー部監督・トレーナー)
- といった、素晴らしい方々の記事が掲載されています。
また、既に取材を終えている記事も多くあり、今後次々とそうした記事を公開していく予定です。
「ONE TAP SPORTS」を展開するユーフォリアが、なぜ自社でWebメディアを始めたのか、我々のTORCHスタートに込めた思いについて書きたいと思います。
一流の専門家との出会いと私自身の体験
私たちは「ONE TAP SPORTS」を展開する中で、多くの専門家の方々とお会いする機会があります。S&Cコーチ、アスレティックトレーナー、理学療法士、管理栄養士、スキルコーチ、メンタルコーチ、研究者、アスリート、等々。その領域において日本を代表するような超一流とされる方々も少なくありません。
こうした方々とさまざまなディスカッションをしたり、皆さんが取り組んでいる内容についてヒアリングする中で、
「ああ、こういう情報こそ、指導に関わる多くの方に知っていただきたいなぁ」
と思うことが、とても多くありました。
我々がアクセスすることができた情報を、自分たちの中だけに退蔵することなく、広く世の中へ伝えたい、それが私たちがTORCHをはじめた根幹にある思いです。
この思いには私自身の体験も少なからず影響しています。
私は、息子が小学校に入って地元クラブでサッカーをはじめると同時に、小学生のサッカー指導にかかわるようになり、6年間いわゆる「パパコーチ」として過ごしました。
自分自身はずっと野球をやってきて、サッカーのプレー経験は一度もなく、サッカー指導はまったくの素人でした。
東にコーチングクリニックがあると聞けば参加し、西にトップレフェリーの講演会があると聞けば飛んでいき、草の根のD級指導者および3級レフェリーのライセンスをとって、6年間週末をサッカー漬けで過ごしました。
そのプロセスの中で
「子どもは小さな大人ではない」
「我々は、子どもたちの未来に触れている」
「我々は、学ぶことをやめた時、教えることをやめなければならない」
といった宝物のような言葉にも触れました。
全員がサッカー未経験者だったほかのパパコーチたちと一緒に動画を分析し、練習メニューや声掛けを工夫しながら取り組んだ6年間は、まさに試行錯誤そのものでした。(当時のコーチ陣とはそれから何年経っても良い仲間です)
ちょうどコーチ生活が終わろうとするころ、「ONE TAP SPORTS」はたくさんのトップチームで使っていただけるようになり、多くの専門家と対話する機会に恵まれるようになりました。そこで耳にしたのは、「ああ、もっと早く知っておきたかった」言葉のラッシュでした。
・自分自身が小中学校時代に投げ過ぎで肘を壊したこと
・常に酒の匂いを漂わせた指導者からでたらめな指導を受けたこと
・当たり前のように毎日たくさん殴られたこと
・息子の中学校時代の顧問の先生が、3つも部活顧問を掛け持ちされていたこと
・時間の制約がある中とても指導をアップデートする余力など持てそうもないこと
・それなのに、目の前には、宝物のような言葉や知識が存在していること
別々の場で体験したそれらのすべてが一つにつながった気がしました。
「Odds」を変えよう
世の中には、たまたま素晴らしい指導者に出会えた選手が存在します。ケガを予防しながら、自律性・自発性をはぐくみ、楽しみながらスポーツ人生を歩んでいく選手たち。
その一方で、残念ながらひどい指導者に出会ってしまう選手も多く存在します。目先の勝利のためには選手のケガを気にすることもなく酷使され、ただ指導者の言うことだけを一方的に聞くロボットのような振る舞いを強要される選手たち。
「とにかく体重を減らせ。飯を食うな」
「女子は生理がなくなってからが一人前だぞ」
「肘がぶっ壊れても投げろ」
すべて、元アスリートの方々が現役時代に指導者から言われた言葉です。
この両者の違いは、たまたま出会った指導者がどんな人であったかという、ほんの小さな運・不運の差に過ぎません。
でも、運・不運で片付けるには、あまりにも大きな違いです。
その人の、その後の人生そのものを変えてしまうのですから。
こんな大切なことを、たまさかの運に任せてたまるか。
そう思います。
子どもたちの人生のOdds(賭け率)は、神に決められたものだけではありません。
Oddsは変えられるはずです。
ひとりでも多くの指導者が、スポーツ科学に触れる機会があれば、
そうした指導者が未来の指導者を生み出してくれれば、
そうした連鎖がつづいていけば、
未来のOddsは必ず変えられます。
そのために私たちは『TORCH』を立ち上げました。
きっと、長い取り組みになっていくと思います。
共に、未来を生きる子どもたちのOddsを変えましょう。