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人生は、自作自演のドラマです。あなたはどんなシナリオを描きますか?

スカイマークを日本一の航空会社につくりあげた、インテグラル株式会社、代表取締役の佐山展生さんが、学生時代からどのように考え、行動してきたかというストーリーです。

「人間の力の差っていうことはたいしたことない。それよりも気持ちの方が大事」と気づいた野球漬けの学生時代。

京都の洛星中学、高校では勉強は後回しで、野球漬けの生活を送っていた。そんな生活で体力、気力をつけてきたと思っていたが、最近気づいたことは、ずっと勝負をしてきたということ。バッターボックスに立てばピッチャーとの勝負、チームとしては相手チームとの勝負。どんなにラッキーでも勝ったら嬉しい、負けたら悔しい。それはまさしく、ビジネスの世界そのものである。

高校三年生の夏の大会で、筆頭の優勝候補の大谷高校と三回戦であたった。誰もが洛星が勝つとは思っていなかったが、9回の表まで2対0で洛星が先行した。「もしかして勝つかも」と心の中で思ったが、気づくと9回の裏、ノーアウトフルベースになっていた。そのときは、「やっぱり大谷は強い」と思った。強いチームはグラウンドにでてきただけで、強さがわかる。結果的にこの試合は勝てた。この試合があったから、今日の自分があると思うくらい、重みがある。

何を教えてくれたかというと、「人間の力の差っていうのはたいしたことない。それよりも気持ちの方が大事だ。」「どんな道で成功したとしても、たいしたことない。そんなことより、一生懸命やってる人の方が強い。」

帝人での11年間のサラリーマン生活を経て、30にして「会社とは理不尽なところだ」と気づく。

野球で監督に言われたことを確実にやるということを中学から大学まで叩き込まれてから、サラリーマンに送り出され、愛媛の松山で技術系の仕事を11年間した。もし、20代で「サラリーマンオブザイヤー」というものがあったら、毎年愛媛の代表になるくらいの完璧な会社人間だった。

30で、「このままベストケースでいって社長だけど、どうしたら社長になれるかわからない。決して実力があるから、または実績をあげたからといって昇格しているわけではない。」ということがわかった。

いまとなってはそんなことはあたりまえで、いつも学生に「会社というところは理不尽なところだ。」といっている。そう思わないとショックが大きい。その理不尽さをなくすことができるのは、優秀な経営者である。優秀な経営者がいる会社は、理不尽でない会社ができるが、普通の経営者の会社は結構理不尽であるから期待値を上げてはいけない。

帝人という会社はいい会社で、いい人、優秀な人が多くいまでも感謝している。しかしそもそも大企業とはそういうところだと気づき、はじめて自分の人生とは自分で考えないといけないと気づいた。

技術者から銀行員へ。天職のM&Aにであう。

当時は終身雇用があたりまえで、転職はなかった。食べていくために、民法の勉強をして、司法試験を目指し、はじめて本気で勉強をした。33歳の春に、はじめて択一試験の願書を出した。同時期に日経新聞で三井銀行が中途採用を募集しているのをみつけた。全く銀行に行く気はなかったが、別世界の銀行の人が私のような技術者をどう思うのか興味本位で受けてみた。面接ではじめてM&Aという言葉をきいた。30年以上前でM&Aの本もないときに、その説明を受けて、銀行へ行こうと決めた。

当時はM&A案件も少なく、暇だったがはじめて小さなボイラー会社の案件を制約したときに、M&Aは天職だと思った。その案件がつぶれていたら、その会社は破産していて、従業員の生活の基盤は破綻していた。それを救えることは天職と思い、銀行員として一兆数千億の破産含め、いろんな案件を経験させてもらった。

44歳でユニゾンキャピタルという投資ファンドで、収入がゼロになる挑戦をする。380億円集めて、7社に投資した。しかし、投資先を最も愛する、日本型の投資ファンドをつくりたいという思いで、一号ファンドしか参加しなかった。競合避止協定があったので、同業は1年禁止されていたため、GCAというアドバイザーの会社をつくり、阪神と阪急の統合のアドバイザーの仕事などを手掛ける。

インテグラル株式会社設立。いい会社の基本は、ストライクゾーンが明確であること。

2014年からは、念願だった日本型の投資先を最も愛する、インテグラルに集中している。その中の一つがスカイマークである。

ど真ん中のストライクを投げたときに、ボールといわれたらやる気がしない。いい会社の基本は、ストライクゾーンが明確であり、ストライクを投げた人はボーナスがあがり昇格する。人の評価がいい会社の基本である。

「無理でしょう」といわれるような、日本ではじめてのことをいろいろやってきた。だからこそ達成感がある。スカイマークはもともと定時出発率が最下位の会社だった。2年数か月前に参入したとき、まず1番は安全、次いで定時出発率日本一を目指すことを決めた。当時はまだ11社中7位であった。2016年は3位になり、2017年度は1位になった。これはメンバーが変わったわけではなく、最下位から1位になった。何が違うかは、気持ちである。お金をかけたわけではなく、みんなの意識が違うだけ。欠航率の低さと定時出発率の高さは日本一であるが、いまは先頭集団で競ってる中で1位だが、2位から1位の背中が見えない位置を目指している。

富士山の山頂にいる人はみんなばてているが、例外なく家を出るときに富士山に登ろうと思った人たちである。京都の清水寺や金閣寺にいる人の何割かは成り行きで来た人たち。その違いは、「あるレベル以上のハードルの高いことは、やろうと思わないとできない。」定時出発率日本一は、単にそれを向上させようと思ったらできなかった。難しいことは明確に目指さないとできない。

犬のしっぽは精神状態を表す。嬉しいとふるし、不安だと丸める。人間にとって、しっぽの役割をするのは目である。いい会社で働いている人の目は活きている。スカイマークの社員の目の輝きが変わってきたのを感じているが、まだマラソンでいえば15キロ地点である。

人生100年、自分の人生というドラマをどう生きるか。

ほとんどの人が100歳まで生きる時代。その100年の人生を圧縮して3時間のドラマにしたとき、上司や会社の愚痴をいってるシーンをみても面白くない。人生は自作自演のドラマである。主演は自分で、シナリオも自分が描いている。飲みながら文句をいっても、上司や会社が悪いわけではなく、その面白くない状態を変えない自分が悪い。

自分の年齢に10歳足した世界をイメージしてみると、別世界である。私は64歳で、周りはほとんど定年で引退している。しかし、私は昨年フルマラソンを4回走った。何が違うかは、60歳の定年に向かってハーフマラソンを走ってきた人は、ゴールしている。そこからもうハーフ走ってと言われてもできない。自分はフルを走るつもりで60を迎えたので、中間点をちょっと過ぎたところ。10年後からみたら、いくつになっても10年若い。10年後ならやる気もしないことを、いまだったらできることがいくつになってもいっぱいある。歳をとったと思うのは死ぬ瞬間で十分である。人生は自作自演のドラマだから、楽しく生きよう。

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