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ランチ手当の仕組みを革新したエンジニアとコーポレートチームのコラボレーション!

ENECHANGEには「ランチ手当」という福利厚生の制度があります。
これは、社員ひとりあたり月4回まで、1回あたり税込1,100円までを上限に「社員どうしでお店にランチを食べに行った場合のランチ費用を会社が負担する」というものです。ランチをきっかけに社員の交流を後押しする。その目的から始まり、いまも運用されています。

この制度はコロナ禍の2020年にENECHANGEがリモートワーク主体に移行する中で生まれました。
しかし制度誕生から1年以上経った2022年の初頭時点でも、実際には使われていない状況が続いていました。

ところが2023年現在でデータを見ると、かなりの割合の社員がこの制度を使うようになっています。
手元のデータによると、2023年3月の1ヶ月間に限って調べてみても、約200名超の社員総数のうち、6割以上の社員が1回はランチ手当を利用しています。
ENECHANGEにはフルリモートワークの社員も2割程度おり、その他も週1回程度の出社の働き方をしている社員が多い中で、この利用率の数字は驚くべきものです。

使われていなかったランチ手当制度は1年あまりでなぜ使われるようになったのか?
そして使われる回数が増えることによる業務工数増加の問題をどのように解決したのか?

今回その裏側を、3名の社員にお訊きしました。
仕組みを便利なものに革新し、社員の多くから使われるような制度になったプロセス。そこには、コーポレートチームと事業部所属エンジニアが、一緒に取り組んだプロジェクトの物語がありました。

インタビュイー:
乾 椰湖さん(人事室 労務担当)、小野 優人さん(エネチェンジ事業部 フロントエンドエンジニア)、石橋 龍八さん(エネルギークラウド事業部 バックエンドエンジニア)

ーーENECHANGEのランチ手当の制度の運用は人事室の担当ですが、人事室所属の乾さんがご入社された2021年の秋頃時点のランチ手当の利用状況はいかがだったでしょうか。

乾: 実は、2021年は人事室がランチ手当を担当していませんでした。正確には当時は人事総務室というコーポレートの体制で、人事と総務は1つの部署になっていました。その中でさらに総務チームがランチ手当を担当していたのです。その後に体制変更で人事室と総務室を分けることになりました。そして2022年頃から人事室がランチ手当を管轄するようになりました。
本題の利用状況についてお答えすると、その頃(2022年)は全然使われていませんでした。もちろん今よりコロナ禍の影響が大きかったからというのもあるのかもしれません。しかし一番大きな理由は、ランチ手当の利用を社員が申請するのが面倒だったからじゃないかと思っています。

ーー面倒というと、具体的にどのような仕組みだったんでしょうか?

乾: 社内のGoogle DriveにあるGoogleスプレッドシートに、ランチ手当を利用した社員が自分で書き込んでいました。「何月何日、社員Aさんが、Bさん、Cさんとランチに行って金額はいくらでした」みたいに。でもスプレッドシートなので、入力ミスもあるし、わかりにくいんです。また、管理する私達人事も大変でした。社員の入社や退社のたびにリストを細かく直さないといけないこともそうですが、一番大変なのは毎月利用状況を集計して、経費精算を担当してる経理部門とも突き合わせをしないといけなかったことです。

ーーそれは大変ですね。

乾: さすがにこれでは皆にとって手間が大きすぎる、ということでまず、社員がGoogleフォームに記入して送信することで利用を報告・申請する形に運用を変更しました。

ーーGoogleフォームで社員が社内申請を行う、というのは結構多くの会社さんでやっていると思うんですが、それは開発も不要だし、コーポレート部門の中だけで行っていたということですよね。そこにエンジニアの石橋さんや小野さんが関わるきっかけはなんだったんでしょうか?

石橋: 2022年の夏頃だったんですが、私の所属するエネルギークラウド事業部の中で、ちょっとしたアイデアややってみたいことのピッチをする機会がありました。そのピッチで私が「ランチ手当の使える回数を増やしてみてはどうでしょうか?」というアイデアを出したんです。

乾: ランチ手当制度はコロナ禍でのコミュニケーション施策として誕生したものなんですが、制度発足からずっと、社員1人あたり月2回まで使用可、というものでした。コロナ禍真っ最中のときには、そもそも出社頻度がかなり低かったのでそれで特に問題なかったんです。しかし2022年頃になると、だいぶ世の状況も変化してきました。ENECHANGEでも、事業部ごとに決めている週1の出社日(※主にコミュニケーションのための出社を奨励する曜日)の運用がだいぶ定着しました。その結果、週1回、つまり月あたりだと4回出社する人が増えました。すると、月2回のランチ手当だと、せっかく出社しても月の後半になるとランチ手当を使い切っているというケースが増えてきたんです。

石橋: はい。ですので、週1で出社した日は気兼ねなくランチ手当を使えるといいんじゃないかと思って、上述のアイデアを出しました。そうすると、そのアイデアが事業部内ですごく賛同が得られまして、であれば実現できないか、ということで人事室に相談したんです。

ーーちょっとした気付き、アイデアの発言から、会社の制度を変えるためにコミュニケーションを取られたんですね! 素晴らしいです。

乾: その話を石橋さんからお聞きして、人事室内で検討しました。結論、素晴らしいしコミュニケーション促進になるからやりたいね、となりました。ただそこで、先程から話題にしているGoogleフォームの申請がネックになってきました。

ーーGoogleスプレッドシートへの記入からフォームに切り替えて工数問題は解決したのかなと思ったんですがそうじゃなかったんですね。

乾: はい。というのは、ランチ手当は運用当初から「同じ月の中では、同じ社員の組み合わせでは使えない」というルールになっていたんです。いつも同じ人とランチするのではなく、いろんな社員の人とランチでコミュニケーション取ってほしい、という意図があるからです。
また、ENECHANGEのランチ手当は、1人では使えません。必ず、2人から4人までの社員の組み合わせで利用してもらい、申請してもらいます。そのルールがあるので、申請方法がGoogleフォームに変わったあとでも、「同じ月の中できちんと社員の組み合わせが変わって申請されているか」を人事が確認する必要があったんです。

ーーなるほど。その確認があるから、月2回までなら人力でなんとかならないこともないけれど、月4回になると工数が膨大になってしまうということですね。

乾: そうです。加えて言うなら、ENECHANGEは2021年末からのEV充電サービス事業の立ち上げに伴って、社員数が大きく増えました。2021年末時点では約100名だった社員が、2022年末時点では200名以上に倍増しています。それもあって、確認工数の増加が懸念になりました。

ーーそれはたしかにしんどいですね。

乾: もう1つ付け加えると、利用状況のデータ可視化も課題になっていました。会社としては経費を使っている施策ですので、その効果を常に把握する必要はありますし、期待したほど利用がされていない場合には改善策を検討する必要があります。しかしそれまでのGoogleフォームの申請結果を手動で確認する方法だと、データ蓄積や効果測定にも限界がありました。ですので、ランチ手当の回数を増やすこと自体はぜひ実現したいけれど、そのデータ面での問題も取り除きたいということになりました。そこで、その現状を逆にエンジニアの石橋さんにご相談しました(笑)。

ーーランチ手当を増やしてほしいという石橋さんの提案に、申請と確認工数が大きすぎてボトルネックになっている&データ把握が困難だということを率直に言ったわけですね(笑)。

石橋: 私が言い出しっぺでもありますし、またエンジニアですので、こういった仕組みの問題を技術で解決したいなと思いました。

ーー素晴らしいエンジニアマインドですね! 小野さんが関わられたのはどういう経緯だったんですか?

小野: ENECHANGEはオープンなコミュニケーションを大切にしている会社なので、乾さんや石橋さんの議論もSlackのオープンチャンネルで行われていました。そこでこのランチ手当のシステムに関する議論を見まして。私もランチ手当をよく使わせてもらっていますし、自分のエンジニアとしての技術を活かして、コーポレートチームの業務効率化、楽になることに貢献したいなと思いました。

▲左から小野さん、石橋さん、乾さん、筆者

ーー業務以外でも社内の仕組み改善のために動かれたのは素敵だなと思います。

小野: 乾さんや石橋さんと議論していく中で、上述してきた以外にも当時のランチ手当の仕組みにはいくつかの課題があることがわかりました。たとえば、手当を使おうとする私達社員にとって「今月誰とランチ行ったか」を把握したいというニーズがあります。これはさっき乾さんが言われたように、月内では社員の組み合わせを変えてランチに行く必要があるからです。しかし、フォームの結果を表示するスプレッドシートでそれを確認するのは手間ですし、あまりやりたくはないですよね。これをどうやったら、簡単に確認できるようにするかと考えた結果、SlackのBotを活用するアイデアが出てきました。Botに訊いたら、今月自分が何回ランチ手当を使ったか&誰とランチ行ったかを教えてくれるようにしようと思ったんです。

乾: 最初にその話を聞いた時に「え、そんなことできるの?」ってびっくりしたんです。私では思いつかなかったし、仮に思いついてもどうやって実装するか全く分からなかったと思います。でも、小野さんと石橋さんが「うん、できそうですね」って普通に話されたので…エンジニアってすごい!と感じました。

ーーめちゃくちゃ良い話ですね。コーポレート部門の困っている課題をオープンに相談したら、事業部のエンジニアの石橋さん・小野さんが本業外の余力を使って、課題解決のために一緒に考えて、実際に仕組みを作ったんですね。

小野: はい。ランチ手当の仕組みにおける課題や、その解決のためにどの技術を選び、実際にどのように実装したかについては、ENECHANGEの技術ブログに記事を書いていますので、ぜひこちらも読んでいただけたら嬉しいです!

GAS / Slack連携を用いて、ランチ手当申請フローを改善した話 - ENECHANGE Developer Blog
こんにちは、エネルギークラウド事業部・石橋 (rubita_isi)、エネチェンジ事業部・小野 (yuto-ono-ene)です。 私たちは普段は別々の部署で働いていますが、この度全社横断的な業務改善のトライアルとして、GoogleWorkSpace上のランチ手当申請フローをGASやSlack連携などを用いて効率化しました。 その取り組みについて、本記事で紹介させてください。 ...
https://tech.enechange.co.jp/entry/2023/03/06/153902

ーーこの業務外での取り組みを通じて、やってみてよかったと思うことはありましたか?

石橋: まず良かったなと思うのは、エンジニアのスキルを活用して、社内業務の改善が実現できたということです。ランチ手当を増やしたい!というのは自分のアイデアだったこともありますが(笑)それに伴って増えることになった乾さんたち人事室の業務負荷を仕組みの力で軽減でき、そしてそれまでにはなかった利便性を加えることができた、というのはとても嬉しいことでした。
加えて言うなら、普段使わない技術に触れて活用する機会があったということでしょうか。GAS(Google App Script)やSlack Botについても、それまで業務ではあまり使ってこなかったので、今回のランチ手当システムのプロジェクトを通じてそれらを使うことができたのは良い機会でした。

小野: 私も良かったな、と思うことは石橋さんと近いことです。最初にこのプロジェクトに関わろうと思ったとき、自分のエンジニアとしての知識や技術を使って、ほかの社員の皆さんの役に立てるチャンスなんじゃないかと思ったんです。そして実際に乾さんから課題をヒアリングし、事業部の違うエンジニアの石橋さん(※小野さんはエネチェンジ事業部所属で、石橋さんはエネルギークラウド事業部所属)とコミュニケーションを取りながらシステムを作っていくのは楽しかったです。そして実際にシステムが完成し、テストを行い問題ないことを確認して、社内に公開して、皆さんが使い始めたのを見て、「ああ、役に立ててよかった!」って思いました。

ーーとても素晴らしいですね! …さっきからそればっかり言っている気がしますが(笑)。

小野: あと、先程少し話も出ましたが、あくまでこれは本業である自分の事業部における業務の外での取り組みだということは常に意識していました。コーポレート部門の支援はしたいと思いましたが、一方それによって自分の本業に支障が出ては元も子もないので。そう考えていましたので「実装ならび運用、メンテナンスに工数のかからないシンプルな方法にすること」を考えた設計と実装にしました。これも1つ、良い経験だったと感じています。

石橋: ランチ手当というのはとても良い制度だと思っているので、自分も引き続き利用していきたいですし、それを通じて社内コミュニケーションを活性化していきたいと思っています。ランチ手当に限らずですが、コミュニケーション施策などを企画、管理、運用してくれているコーポレートの皆さんの負担を減らすような取り組みは、今後も機会があれば関わっていたけたらいいかなと思っています。

ーーその施策の企画や運用側として動かれてきた人事室の乾さんは、今回のプロジェクトを通じてどんなことを思われましたか?

乾: とにかく本当に、業務が楽になったんです。それまではずっと毎月、Googleスプレッドシートをにらめっこして、利用者を確認して、という作業をしていました。それがほぼなくなりました。今やっていることとしたら、社員の入社や退職に合わせて、システムが参照するGoogleスプレッドシートの社員リストをちゃんと更新することがメインで、逆にいうと人力でやる必要のない作業はほぼなくなりました。またデータの可視化という意味では、利用状況の集計などもずっと簡単になりました。良いことづくめです。石橋さんと小野さんのおかげで、改善したかったこととやりたかったことがほぼ全部実現してもらえました。
お二人とも、事業部所属のエンジニアなので、人事の業務を手伝う義務は全くないです。そしてお二人とも忙しくお仕事をされているのは知っていたので、本業優先しますで断っていただいても何の文句もなかったんです。そんな中でも快く引き受けて、時間を見つけてこのランチ手当の仕組みの改善に取り組んでいただき、想像以上の素晴らしい仕組みを作っていただきました。本当にありがとうございました。
ENECHANGEは部門を超えて助け合える空気を持った組織なのだと、改めて感じることのできるプロジェクトでした。

ーー小野さん、石橋さん、乾さん、今日は素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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