なにをやっているのか
どんな情報も「編集」することで新しい価値になります。ここで言う「編集」とは、書籍や雑誌の編集といったいわゆる職業としての意味にとどまりません。複雑さを増す社会において「編集する力」があらゆるところで求められています。私たち編集工学研究所は、この広義の「編集」を生業とするクリエイター集団です。
「編集工学」とは、「編集」の仕組みを解き明かし、社会のさまざまな場面に適応する技術です。人や組織に潜在する可能性を編集工学のメソッドで引き出し、その新たな価値を目に見えるかたちで表出させます。企業が漠然と抱える「思い」や「らしさ」を言語化したり、地域の魅力を文化背景をたどって表現したり……、「編集工学」する対象は多岐にわたります。そうした私たちの活動は、次のような事業に大別されます。
1)Roots Editing (ルーツ・エディティング)
組織や地域や商品等のルーツをさかのぼり、そこにある「らしさ」を新たな価値に転換する。
・企業理念・指針の再構築・再解釈
・インナー/アウター・ブランディング etc…
2)Concept Editing (コンセプト・エディティング )
商品やサービスや企業が持つ価値や目指す未来を、コンセプトとして表出させる。
・ヴィジョン/マスタープラン策定
・企画・コミュニケーション設計 etc…
3)Creation (クリエイション )
メッセージやコンセプトを表現し伝えるためのメディアを制作する。
・コピーライティング、ビジュアライズ
・パンフレット・冊子・書籍・映像等の制作
・書棚空間のプロデュース
4)Education (エデュケイション )
個人や組織の「編集力」を底上げする、さまざまな学びのプログラム。
・個人向け:「イシス編集学校」
・企業向け:各種修企業研修
なぜやるのか
編集工学研究所の仕事は、知的探究を重んじます。たとえば企業理念の再解釈の際には、編集工学研究所が30年にわたり蓄積してきた「知の体系」を活かして、本質をたどる作業を入念に行うこと。この成果が如実に表れるのは、共通のビジョンや理念を描き浸透させることで組織の力を底上げするインナー・ブランディングや商品やサービスの魅力を発信するアウター・ブランディングです。
ブランドづくりや組織づくりの根幹となるのは、クライアントが現状思い描いている価値や理念をさらに掘り下げたところにある文化的文脈です。編集工学研究所のメソッドと知の体系を駆使しながら、そこにある本来の価値を編集していく。そのプロセスを経てはじめて、質の高い表現物をつくることが可能となるのです。
また、編集工学研究所の大きな特徴は、書物や本棚によってコンセプトを表現する場合が多々あるということ。「超近大プロジェクト」の一環である近畿大学の「ビブリオシアター」や、資生堂本店「SHISEIDO THE STORE」の4階フロアにあるブックサロンスペース「SHISEIDO THE TABLES」、無印商品の「MUJI BOOKS」などを、これまでプロデュースしてきました。オブジェクトとしての「本」を用いて、クライアントの持つ豊かなイメージを空間として創りだしていく仕事です。
どうやっているのか
3階 オフィス
1階 ブックサロンスペース[本楼]
編集工学研究所の従業員数は15名ほど。多くの外部パートナーに支えられながら、少数精鋭のチームを維持しています。所長である松岡正剛が蓄積していきた仕事や人脈、編集工学研究所の実績や評価、そういった他にない価値が、エキサイティングな案件や魅力ある人々を引き寄せ、編集工学研究所の周辺はいつでも創造性にあふれています。
世田谷区にある編集工学研究所のオフィスには、6万冊の本に四方を囲まれた「本楼(ほんろう)」というブックサロンスペースがあります。こうした膨大な知に常にアクセスしながら仕事ができる環境は、深く物事を考えかたちにすることが好きな人にとって大変魅力的です。
また、なんといっても、稀代の編集者である松岡正剛と仕事場を共にできるということは、大きな学びの機会でもあります。