Ghost of Tsushima Director's Cut(ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズ・カット) | PlayStation
武士の道から外れた境井 仁(さかい じん)が、冥府から蘇った「冥人(くろうど)」となり、対馬を敵の手から解き放つ。 期待のオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー。
https://www.playstation.com/ja-jp/games/ghost-of-tsushima/
皆さん、おはこんばんにちは。
E-kan 株式会社 エンジニアの尾上です。
最近ふと思い立ち、掲題のゲーム「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」をプレイして、先日クリアしました。
本作の発売は2020年で、私は2021年にプレイして一度クリア済でしたが、また本作の世界に立ち戻って、対馬の空気を吸いたいという欲求が生じ、再度遊んでみたわけです。そして二度目のプレイで改めてこのゲームの素晴らしさを実感し、少し語ってみようかと思った次第です。少々お付き合いください。
本作は日本、鎌倉時代の対馬を舞台としたオープンワールド形式のアクションゲームです。史実でもある「元寇」をベースとし、地頭の甥である「境井仁(さかい・じん)」がモンゴル帝国「元」に侵攻・制圧された対馬を取り戻すため、守るべきは武士としての誉か、民の命か…という苦悩を抱えながら、仲間とともに戦う、というストーリーです。
美しいグラフィック、広大でバラエティに富むオープンワールド、殺陣アクションとスニーキングが融合した秀逸な戦闘システム、味わい深いストーリー、サブシナリオ等を備え納得のプレイボリューム…と、シンプルにアクションゲームとして高い完成度を誇る本作ですが、それにとどまらず、このゲームが凡作ではなく神作であると感じるのは、以下のような特異かつ秀逸な特徴ゆえだと思います。
本作でまず目を引くのは、美しく表現された日本の和のビジュアルです。
画像の通り、美しいグラフィックはさることながら、フィールドには日本の古き良き「和」が見事に表現されていて、ただ世界を歩き回るだけでも何か懐かしさを感じさせられて、とても癒される、それほどの出来栄えとなっています。しかし本作を製作したのは日本の会社ではなく、なんとソニーコンピュータエンタテインメントの子会社である「サッカーパンチ」というアメリカの会社だというから驚き。外国における日本の表現描写には首をかしげることが多い中で、本作の「対馬」は私たち日本人にとって何の違和感も感じさせない、むしろ私たちよりよほど日本に精通しているのでは…と思わされるほどの「(昔の)日本らしさ」が見事に表現されているのです。
世界の構築という意味では、文化的な側面の描写も欠かせないものですが、本作はその点についても非の付け所がありません。本作で表現・描写される当時の物品や建築、また主人公をはじめとする「武士」としての価値観や振る舞いは、日本人である私たちがその表現の緻密さ・奥深さに驚かされ、また逆に気付かされるほど。調査・研究を重ねに重ね、リスペクトをもって理解を深め、ゲームに反映されていったのであろうことが見て取れ、賞賛を送らざるを得ません。
それゆえに、本作の没入感の深さは他のゲームと比較にならないほど。プレイにおいては古日本における武士(侍)の人生を大いに堪能できます。個人的には、戦闘後に毎回「納刀」するのがとても楽しいです。時間経過で自動納刀もされるのですが、この操作がとても侍感があって良いです(時代劇のように血を払うモーションも付く)。
もちろん、ストーリーは史実をベースにはしているもののフィクションであり、実は設定においても演出のために時代考証をあえて無視している点もありますが、何ら気になることはなく、むしろ言われないと分からないレベルです(ちなみに本作のストーリーでキーとなる「誉か、民か」については、史実においても元寇を契機にこの問題が取り沙汰され、幕府と武士の衝突を招いた結果、鎌倉幕府の滅亡に繋がったとされる説があるそう)。
演出においては黒澤映画や時代劇をも参考にしているとのことで、前述の「和」の表現と併せて徹底的にこだわり抜かれた「鎌倉時代の対馬と人」の描写が、ゲームというエンタテインメント作品としての完成度を大いに高めていると感じました。
本作は、日本ゲーム大賞2021年にて大賞を受賞。その後も名作として評価され続け、2022年時点で全世界で800万本の出荷数を誇っています。私ごときが四の五の言わずとも、和モノアクションゲーとして普通に楽しい本作。ぜひ多くのゲーマーに遊んでいただきたいと思います。本稿をご覧になり「日本の古き良き和とサムライに触ってみたい」と思っていただければ幸いです。
また、近年では恒例のリアルコラボですが、本作では長崎県対馬市とコラボしたサイトが展開され、本作の概要とともに、リアル対馬市の名所等が紹介されています。気になる方はこちらもぜひ。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
それではまた次回の投稿でお会いしましょう。