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【GWに読みたい書籍紹介】稲盛和夫著『生き方』、『心。』から得た気づきと、良い読書体験の秘訣

みなさんこんにちは、秘書・人事の黒木です。

今日は私が最近読んで勉強になった、あるいは「今このタイミングで読めて良かったな」と思えた2冊の本を紹介したいと思います。全国的に外出できないGWがいよいよ始まってしまいましたが、本から気づきを得るというのも良いものだと感じる今日この頃です。この書籍紹介がなにかの参考になれば幸いです。

今回私が紹介したいのは稲盛和夫著の『生き方』と『心。』という2冊の本です。稲盛和夫氏といえば、京セラ・KDDIの創業者であり、2010年に経営破綻したJALを3年弱で再生した人物で、その経営手腕については私が語る必要もないでしょう。

『生き方』と『心。』はそのような著者の考え方、生きていくうえで大切な心の在り様をまとめたもので、いずれもサンマーク出版から2004年と2019年に出版されました。

この2冊の本を読むきっかけになったのは、フリーランスの仕事のつながりでした。私は現在、「HELP YOU」というサービスを通じて、業務委託の仕事を引き受けています。2020年度初めに、同期のメンバー10名ほどで、運営会社の社長を囲みオンライン同期会を実施するという企画を開催しました。

そこで、良い機会なので社長が「HELP YOU」というサービスをスタートするきっかけについて、あるいは経営者を目指したきっかけを教えてもらおうということで質問したところ、大学時代に読んだ様々な経営者の本、なかでも稲盛和夫の2冊の本の名前がでてきたのです。

『生き方』は過去に影響を受けた本、『心。』は今読んでいる本という回答でした。

せっかく教えてもらったのだからと、まずは『生き方』を読みました。そして、読み終わってすぐ『心。』を購入しました。

読後感としては勉強になったという言葉よりも、活力を得たと表現するほうがしっくりくるような感覚でした。なにかをしなければ、動き出さなければという気持ちを抱かされたのです。

私は読み終わって感じたことを下記のように箇条書きにして社長に送りました。

※「→」はもともと送ったメッセージにはないものです。書籍を読んだことのない方向けの補足事項で、書籍内での文脈についての説明です。

稲盛和夫著『生き方』を読んで書き留めておきたいと思えた考え方


<出典>https://www.kyocera.co.jp/inamori/publication/2004/07/publication13.html

「考え方にはマイナスがある」
→能力があっても考え方が間違っていれば成果が得られないという意味。また『生き方』の中では「能力×熱意×考え方」の掛け算で成果が算出されると説明されていました。

「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」
→稲盛氏が新しいことを始めるときにどんな人に相談するかという文脈で。

「自燃性、可燃性、不燃性」
→どんな人とチームを組んで仕事をしたいかという文脈で、自ら燃えることができる人・だれかが燃えていたら一緒に燃えることができる人がいいということ。燃えている人の横にいても燃えることができず、周囲を冷めさせる人はチームを悪くするということ。

「リーズナブル(正当)であるために、共有できる原理原則」
→稲盛氏がアメリカに進出する際に感じたこととして。リーズナブルが「正当」と捉える言葉だということを初めて知りました。人種・文化・住むエリアなどをこえて共有できる原理原則のもとに生きるという力強さを感じました。

私は『生き方』という本を通じて、上記フレーズが印象に残ったことに加え、「自分がまだ精一杯物事に取り組めていないこと」、「考え方を高められていない」と感じたことを伝えました。稲盛氏と比べれば当然のことなのかもしれませんが、本を読んだことで現状に満足せず、毎日を過ごしたいと思えたのです。

社長は私がピックアップしたことや感じたことそれぞれに対して、丁寧に言葉を返してくれたうえで、次のように返信をくれました。

「こういう自分が引っかかった点をメモして定期的に見直すのは大事ですよね。まさに自分の生き方にも関係してきます。ぜひ、また心の感想もお待ちしています」

そして先週、GWに入る前に、私は2冊目の『心。』を読み終えました。

「ぜひ、また心の感想もお待ちしています」という言葉に甘えて、2冊目の読書感想文を送ると、社長からは「待っていましたよ」とお返事が。

心からありがたいと感じました。

2冊目を読んで印象に残ったのは下記のような内容でした。こちらは私から社長送った内容そのままです。

稲盛和夫著『心。』を読んで考えたこと


<出典>https://www.kyocera.co.jp/inamori/publication/2019/06/publication45.html

「災難にあったときには喜ぶこと」
「いかなるときも感謝の気持ちをもって対する」
幼少期から社会人駆け出しの頃まで、あるいは京セラを創業してすぐの時期にも多くの苦労を経験したという稲盛氏。私は今はまだ自分はこのように受け止めることができていないと感じます。後になって思うのと、その時にポジティブに受け止めるのとでは大きな違いがあると思い、これから意識してみようと考えました。

「思念が業をつくる」
良くも悪くも思ったことが形になる、自分自身が今の事態を引き寄せているんだという考え方で、仏教的表現です。この考え方はあかねに入社してから本で読んだ「自分が源泉」と似ているなと思いました。また、前職のエン・ジャパンにいた頃には「他責にしない」、「利他の心で周囲に接する」ということを理念や行動指針を通じて学びました。ある程度の規模になってくると、正しい考え方がなければ企業も人も成長できないのかもしれないと考えました。

「厳しい条件にこたえることで私たちも鍛えてもらっている」
京セラにとっては松下電工系の仕事がそうだったということですが、自分がこのような環境で今仕事ができているかと考えさせられました。現状に満足しないように、自分を鍛えるために難易度・要望度の高い仕事を積極的に受けていきたいと思いました。

「ダメだと思ったときが仕事の始まり」
私は基本的に楽観的で能天気なのですが、あきらめやすい部分もあり、あきらめないということにこだわる勇気をもらいました。あきらめてはいけないこと、だけどあきらめたら楽なことってあると思います。

フリーランスの仕事をはじめて1年強。この本を読んで痛感させられたのは、少し慣れてきて天狗になりかけていたかもしれないということでした。どの案件が自分にとってどんな意味を持ち、これからどうしていくべきなのか、考えるきっかけを得たと同時に毎日をやりきりたいという思いを抱かされました。

そしてこのような所感を送った私に、社長はまたしても丁寧に言葉を返してくれました。そのなかで私が特に印象に残ったのは、「ダメだと思ったときが仕事の始まり」について、下記のようにコメントを返してくれたことです。

「この考え方は僕も結構好きです。いまはコロナの状況で会社も決して、良い環境下ではない。でも、そんな状況を、「鍛えてもらっている」「超えられない試練は現れない」と思い、そして「3年後にはこのときのピンチを仲間と笑って話せるだろうな」と考えて、対処しています。どうせやるなら、ポジティブシンキングのほうがいいですよね」

良い読書体験

このコメントを読んで、私は「良い読書体験というのは、読んだ後のコミュニケーションまで含まれる」ということを考えました。本で得た活力に加えて、感想に対するフィードバックから得た学び、その双方が、今回稲盛和夫氏の2冊の本を読んだ私の読書体験だと思うのです。

GW、多くの時間を持て余してしまう人も少なくないでしょう。もし機会があれば身近な本や気になる本を手に取ってみてはいかがでしょうか。そしてその際に1人で読んで終わりではなく、身近なだれかその本について話をしてみてください。

そうすればきっと1人で本を読むよりも素敵な読書体験ができると思います。

今回のことをWantedlyで紹介したいと社長に伝えたところ、「Wantedlyもいいけど、気づきや変わった行動を社内や身近なシェアしてみてください」と言っていただきました。「小さな影響力を一緒に発揮していこう」と。

おっしゃる通りだと思いました。今回はより多くの人に知ってもらいたい気持ちで記事にまとめましたが、こういったことは身近なところから共有し、共感を得ていくことが大切なのだと。本を読んで学びを伝えていくことも含めて読書体験にするほうが、とても有意義だと思います。

そのことに気づかせてくれた2冊の本と、株式会社ニットの秋沢社長に心から感謝します。

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