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現場が通勤自粛できない業界で、管理部門がリモートワークをする意味

みなさんこんにちは、秘書・人事の黒木です。

現在多くの企業が新型コロナウィルスに関わる対応で頭を悩ませているかと思います。特に社会全体で出勤7割減が呼びかけられている状況のなかで、業態的に在宅勤務ができる業界とできない業界があると感じている方もいるのではないでしょうか。

サービス業のリモートワーク

私が勤務している会社は、対面で福祉サービスを提供する事業を行っているため、在宅勤務ができない業界に属しています。しかし、だからといって、「業態的に無理なので」といって何もしないわけにもいきません。

そこで弊社では、管理部門および各事業所の事務メンバーからリモートワークをスタートしました。人事や経理、デザイナー、SE、一般事務など、現場スタッフではないメンバーが4月に入ってから、在宅と出勤を組み合わせて勤務をしています。

本来であれば可能なメンバーは100%在宅を目指すべきなのかもしれませんが、急な対応だったため、準備が整った部署・役割の者からというのが実情です。

実施してみた感想は?

リモートワークを実施したメンバーから寄せられているのは「意外にはかどる」、「通常と変わらずできる」、「話し相手がいなくて仕事が進む分、間食が増えて体重的にまずい」といった声。やってみると、問題なく在宅勤務が実施できることがわかりました。

一方でメンバーの一部からは「現場をとめられないなか、自分だけ在宅勤務をして申し訳ない」という声もあります。しかし、私はこれについて、申し訳なさを感じる必要はないと思っています。

というのも、「通勤7割減」は国からの要請で、コロナの感染拡大を防ぐために、企業は最優先で取り組まなくてはならないものです。ですが、前述の通り、いくつかの業態で現場を止められないのも事実です。

そうなると、そういった業態で事業を展開する企業は「現実的に通勤を回避できる人のうち、7割を通勤しなくていいようにする方法」を考えるべきだと思います。

つまり、サービス業を営む企業は管理部門や事務系職種がリモートワークを実施し、通勤しないことで、「通勤7割減」という国からの要請に応えられるはずということです。

また、現場をとめないということは、現場に人が集まることを避けられないということでもあります。そのような観点でも、現場スタッフ以外はなるべく通勤をやめ、各事業所に出入りする人数を減らすことで、ウィルスを持ち込まないように努力すべきです。

どこにいても現場のためにできることを考える

もちろん、現場を止められない状況で常にワークハードしているのは現場のメンバーです。その事実は揺るぎませんし、決して忘れてはなりません。しかし、「在宅勤務」と「自宅待機」は全く別のものということも改めて認識すべきです。

出勤せず、在宅勤務をするということは、家にいるからといって休んでいるわけではありません。もし家で働くことに罪悪感があるなら、家にいながら現場を支援できる方法を考えてはいかがでしょうか。

たとえば、私の立場としては下記のようなものです。

・人事の観点で、現場で人員不足を発生させないように、難しい状況のなかでも採用活動をとめず、人材を確保する方法を考える。あるいは現場の負担になっている要素を軽減するために、効率化・最適化する。

・秘書の観点で、日々忙しく稼働している現場のメンバーに代わり、各事業所からお客様に向けた説明文書・案内文書を代わりに作成し、負担を軽減する。

「通常通りの業務で、より一層現在の状況を意識する」、「いつもの仕事に加えて業務を巻き取って対応する」など、方法や考え方はいくつかあると思います。

大切なのはどうすれば現場に貢献できるかを考え、工夫して仕事に取り組むことではないでしょうか。これはオフィスで勤務していても、自宅で勤務していても同じことです。

リモートワーク・テレワークで在宅勤務することを、自分だけ楽をしているととらえるのではなく、管理系・事務系が現場に代わって通勤を7割減すると考えてください。

そうすることで、会社として国からの要請に賛同していることを示していく。それは対人サービスを運営する企業で働く者の義務だと思います。現場のメンバーが現場を抜けられないから、現場の外にいるメンバーが通勤をやめるべきなのです。

それでもできない時にはどうするか

とはいえ、在宅勤務をするには様々な準備が必要です。PCは会社が用意するのか、自宅の通信環境はどうか、個人情報を持ち出さずに仕事ができるのか……。多くの問題を対象者全員について一度に解決するのは簡単なことではありません。

そのような場合には、まず時差出勤から始めてみるという方法もあります。「通勤7割減」で求められているのは会社で集まることとは別に、多くの人が1つの公共交通機関に集まって移動することを避ける目的もあります。

「いきなり言われてもできない」、「リモートワークをするにも準備が必要」という場合は勤務時間を1時間・2時間でもずらせば、各種交通機関の様子は大きく変わってきます。

今回の事態は、私たちにとってこれまでのやり方や常識にとらわれず、変化を受け入れていくターニングポイントになるものだと感じられます。できない理由より、できる方法を探して、自社・従業員を守る方法を考えていくことが大切なのではないでしょうか。

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