インフラエンジニアとして働く、新人の岡田さんと先輩エンジニアの長谷川さんに「海外で働くことについて」話し合っていただきました。
山口(進行役):カンボジアに来て岡田さんは2カ月、長谷川さんは約1年半が経ちましたが、海外に出て仕事や生活をしてみてどんな印象を持ちましたか?
長谷川:すいぶん経ちましたけれど、ここにいること自体にはあまり驚きはないんです。以前にも東南アジアにバックパッカーに行っていたし、日本との環境の変化もあまりなくて、、食生活も基本自炊をしているから特に驚いたっていう印象はありませんね。
岡田:普段は何を食べているんですか?
長谷川:肉を焼くとか、玄米を炊くとか、、、玄米は普通にスーパーで売っていますよ。吉野家の牛丼とかを食べたくなることもないし、そういうのがある人だと大変かも。
岡田:僕は東南アジアは初めてなので、驚きの連続です。ここにきて、散歩している時とかに自分は海外にいるんだなと感じます。風景が全然違う。オフィスにも外国人がいっぱいいて、外国で働いているんだなと。とにかく空気感が違うし、普通に道路で寝ている人もいるし、交通ルールもすごいしで、、、僕は毎日トゥクトゥクに乗って会社に来るんですけれど、毎日1回ぐらいはヒヤッとしますわ!日本ではないレベルで危ない、でも事故らない。
一同:(頷く)
山口:反対に、ここでのトラブルはないですか?
長谷川:スマホを盗られたぐらいかな。
岡田:ここにきて4日目ぐらいに食中毒で40度ぐらいの熱が出て、病院に行きました。日本語対応で日本のお医者さんがいたので問題なかったし、そう考えるとこれといったトラブルはないかも。
長谷川:ここはプノンペンで都会だから生活しやすいですよ。田舎で病気になったら大変だと思う。未だに黒魔術とかがありますから。
山口:そうですよ、ぜひ田舎の方にも行ってみてください。
岡田:4月にクメール正月の連休があるので、どこか田舎に行ってみたいと思ってます!
山口:仕事には慣れてきましたか?
岡田:始めは心配でしたが、長谷川さんと、皆さんのおかげで、、、僕は未経験だし、かつ海外で大丈夫かなと思っていました。でも皆さんが助けてくれるので。
長谷川:ここにいるメンバーはみんな優しい、優秀なのに優しい。
岡田&山口:(うんうんと頷く)
岡田:本当にビックリしました!みんな英語もすごく上手だし、入社してすんなりと溶け込むことが出来ました。いい予想外って感じです。
山口:入社して仕事をスタートしてから、どんなふうに仕事を進めていますか?
長谷川:まず人間関係では先輩後輩はないですね。仕事については、私たちのプロジェクトだと、日本人のエンジニアがまずお客さんとの会議に出席して、それをカンボジア人と協力してやる。ブリッジエンジニアの役割もあって、指示も出すし自分でもやる。
岡田:仕事を振ってもらって、わからなかったら経験のある人に聞く。
長谷川:Dynamoは上からの指示をやるという感じではなくて、従うという感じでもない。
分野によって他のエンジニアの方が詳しいことがあったら、その人にお願いするし役割分担でやっていて、上下関係という感じではないですね。
岡田:確かにそうですね。一度、自分の仕事を他のエンジニアにお願いしたことがあったけれど、日本だったら考えられないです。自分よりだいぶキャリアが上の人に、仕事を頼んでやってくださいとか普通にあるので。得意な人とか手が空いている人にやってもらう、柔軟な感じがしていますね。
長谷川:岡田さんは前職もエンジニアだから違いがわかるのかな、僕は前職が違うから。
岡田:そうですね。前職では、上から仕様書が降りてきてそれをやっていました。
長谷川:それぞれが主体的にやるのがDynamoという感じです。やっていて何かわからないことが出てきた時に、社内のエンジニアとか、社外でも一緒にプロジェクトを進めている方たちに教えてくださいと聞いたり、そういう雰囲気ですね。
岡田:たしかにそうですね。前職では、こんなに自由な感じではなかった。ここでは何をしてもいいし誰に聞いてもいいし、常に情報交換をしながら進められています。
長谷川:海外の取引先の国に行ったときには会いに行ったり、この間も海外からDynamoに遊びに来ていた取引先の方もいました。日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアいろいろ、世界中ですね。普段の仕事に関してはそれぞれの国の時差があるから、例えばアメリカが夜間の時にはこちらで対応したりと、それぞれ協力しながらやっているから情報交換が活発なのかもしれない。
山口:そうですね。普段からみんな協力して仕事をしている様子がうかがえますね。
山口:ところで仕事は英語で行ってますが、海外で働くための英語力についてはどうですか?
長谷川:もちろんあった方が良いけれど、エンジニアとしては読み書きが大事で、Slackやメールでのやり取りが多いし。読み書きはできるから支障はないです。でも英会話は足りていないから勉強したいと思っていて、ローカルの学校の授業料も安いし、通おうかと今考えているところです。でも、ここにいると毎日が語学留学みたいだと感じますね。
岡田:仕事のやり取りでは読み書きが7割ぐらい。普通に学校を出ていれば、普通にみんなできるレベルだと思うし、めちゃくちゃ高い英語力を求められるという感じではないですね。読み書きだったらGoogle翻訳もあるし。社内でも英語を話す時は、お互いにネイティブではないから片言で話しています。
長谷川:エンジニアは、対お客様という対面の接客の仕事ではなくて、一緒に働く人とのやり取りでの英語だから、多少失礼な英語使ったとしても問題ないのではないのかな。
山口:もしコミュニケーション能力を高めたければ、もっと積極的に社外でも英語を使ってという環境に身をおく感じですね!
長谷川:ここ(カンボジア)はみんな英語使ってますからね!
岡田:それもびっくりしました!普通に店員さんとか英語上手じゃないですか。
山口:環境がそうさせるのかもしれないですね。日本にいると英語を使う機会も少ないですし。
岡田:そうですね。前職は日本語のみを使って仕事してました。全員日本人で、調べ物も日本語の文献で。このような僕でも、ここでやっていけてるので、英語に関してはここに来てからで大丈夫だと思いますね。
長谷川:英語話せるとかよりも、外国の人と一緒にいて苦でないか、そっちの方が大切な気がする。話せてもここの雰囲気がダメという人もいるし。文化の違いに馴染めるかというのが大切。
山口:では、海外から日本を見て感じることはありますか?
岡田:ここ来てから、(スーパーなどで)普通に列並んでいて割り込まれたりするんですけど、日本人はすごい真面目だなと感じますね。基本ごみは道に捨てないし、自分も含めてルールに従っていて。でも何がそうさせているのか、それがいいことなのか、よく分からない。
長谷川:日本はきれい、シンガポールなどとは違って罰則がある訳ではないのにきれい。
山口:カンボジアもそうなっていくのかな?
岡田:イヤー(ありえない表情)
長谷川:500年後ぐらいにそうなるのかも、、、
岡田:でも先進国もそんなにきれいな訳でもないし。
長谷川:(日本は)皆が同じ行動をとる、いいのか悪いのかはわからないけど。よく一般的に言われていることだけど、日本にいるとマスクしないといけないし、なにか合わせないといけない空気があるけど、海外の方がそういったことは少ない。
岡田:同調圧力みたいな、、自分もそうなんだけど。
山口:(私もそうだけど日本では)人に迷惑をかけないようにと育ってきているからなのか、マナーを守ることが当たり前みたいな。でもここはルールに縛られている感じではないから気分的に楽ですね。でもカンボジア人から見ると、日本人は礼儀正しいと未だに言われるけれど、、、
長谷川:その分、ルールが曖昧だから自分をちゃんと主張しないと何も通らない、自由だけど大変かも。
岡田:だからここでは、割り込まれないようにキチキチに並んでいます。(割り込まれても)なかなか言えないですからね。(笑)
長谷川:僕だったら、もし店で割り込まれたらレジにその人が置いた物をどけるかも!
山口:スルー(容認)してしまうには、ここで生活するにはあまりプラスにはならないかも!まあ状況によりますけどね。
長谷川:まあ、海外に出ていろいろな状況に合うと、どっちが自分に合っているかわかるし視点が広がりますね。
山口:最近では、コロナが明けて日本を出て海外で働くという人は増えていると聞きますが。
岡田:たしかに出稼ぎは増えていると思います。日本は賃金が安いですし、僕も日本の頃とここの給料もあまり変わらないですしね。でもカンボジアの方が物価は安いけれど思ったほどではないですね。なので日本にいると出稼ぎに行きたいっていう気持ちはわかります。オーストラリアとか多いらしい。めちゃくちゃ給料が高いらしいですよ。
山口:他にも、海外に出ることは自分のスキルをアップさせたい、高めたいとか、違うものを求めていますか?
岡田:それは確実にありますね。前の会社辞めて仕事探していて、またプログラマーの仕事はしたい。20代ですし結婚もしてないし自由だったので海外に行くかなと。ちょうどそれでDynamoの求人があって、絶対に海外という訳ではなかったけれど、カンボジアって??行ったことなかったし、よく考えてみたら失うものはないし、それで受けてみようかと。
長谷川:僕は日本でも海外でもよくて、いろいろエントリーして初めに内定出たのがここだった。世界はコロナで、「このまま今の会社で働いても」と思っていて。前の会社は5年ぐらい働いていて、機械設計、エレベーター作る会社で、この業界も落ち目だったし、日本の風力発電のメーカーの撤退などもあって。それで退職してテックキャンプに行って、Dynamoに内定もらって日本を脱出した。Linuxをもともといじっていたので、テックキャンプで学んだことよりも、自分の趣味でやっていたことが今の仕事につながっている。
これからは、今はカンボジアにいるけど、アジア以外のところに住んでみると、またいろいろ見えてくるかなと。そういうのもありかなと考えているところ。
岡田:確かに、国はたくさんあるから、きっと自分にあった国があるばず。
長谷川:まずは、ここで一人前のエンジニアになって、それからですね。
岡田:その点、エンジニアはいい仕事、海外移住とか考えたらどこにでも行けるし。まだ僕は将来のことは全く分からない。1年後はここにいると思うけれど、具体的なビジョンはまだないですね。
山口:(岡田さんは)まだ2か月ですものね、ここに来て。
長谷川:それに、ここに来てまた選択肢が広がって、さらに余計に分からなくなっているかも。日本に居たら何となく、また転職するかとか考えると思うのだけど、ここにいると逆に増えてますね。
岡田:改めて何やってもいいんだと。ここに来るまでは結構ハードルありましたけど、必要なのは最初の思い切りで来てみたら何とかなる。
山口:そうですね。行動を起こして来てもらえれば!
岡田:はい、みんな優しいので、本当にありがたいことです!
(2023年3月座談会)
岡田さんは新しい環境の変化に対応しつつ、業務もしっかり取り組む姿勢が見え、充実した日々を送っているように感じます。一方、長谷川さんは渡航し1年半、海外に出てエンジニアとして働くことで、さらに選択肢が広がったと話しています。
Dynamoでは、個々のエンジニアスキルや英語コミュニケーションの向上を目指し、ペアーワークやナレッジシェアの時間を設けたりと、将来的に世界で活躍できるエンジニアを育成するための取り組みを行っています。