佐藤 京郎 Satou Keirou / Creative Room ・ Director
1983年生まれ/2016年度入社/Eテレ「浦沢直樹の漫勉neo」、TOKYO MXで放送中の「POST-FAKE」のディレクターとして活躍中。
前職ではどのようなお仕事をされていましたか?
前職はテレビ番組制作の仕事をフリーランスでやっていて、NHKの番組の他にも民放の海外を訪れる番組や地域の催し物を取材するローカル番組などの制作をしていました。
DIRECTIONSに入社したきっかけは?
一言でいうのは難しいのですが、まず一番はEテレで面白く尖った番組を多数制作しているからでした。昔からNHKの教育番組が好きで、特に好きなのが子ども向けなのに毒っ気のある番組で、中高生くらいになってもはまってましたね。
テレビ番組の制作に10年くらい携わってきたけど、Eテレの番組制作はやったことがなくて、子どもと一緒に見ていた番組で面白いなと思ったのがディレクションズが制作していた番組だったので、「一緒に働きたいなぁ」と思って連絡しました。
現在担当している番組は何ですか?
TOKYO MXで放送中のアート番組「POST-FAKE」、Eテレの「浦沢直樹の漫勉neo」など、クリエイターや漫画家を取材する番組でディレクターをしています。
漫画家のスタジオ、画家のアトリエ、写真家のお家など…クリエイターの創作現場の取材が多いので、そういった現場に行く度に刺激をビンビン受けますね。
※現在放送中のTOKYO MX「POST-FAKE」/Eテレ「浦沢直樹の漫勉neo」では恋愛漫画の名手・西炯子先生の回を担当。
どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
取材中、目の前にいる人の真剣な表情をカメラで捉えた瞬間にやりがいを感じます。特に長時間の密着取材になると、出演者もカメラを忘れたりするので、真剣な表情がみえた瞬間は、映像を撮っている意味や意義を強く感じられるんです。その顔が見たい気持ちが、この仕事を長く続けられている理由な気がしています。個人的な思いが強いのかもしれませんが、結果それが仕事につながっていると信じてやっています(笑)
ディレクションズに入社してからの印象的なエピソードは?
2017年にEテレの朝の子ども番組「シャキーン!」で盆踊りのミュージックビデオを撮影するために福岡県の東峰村へ3人でロケハンに行ったんですけど、人口2,000人ほどの小さな集落で、棚田が美しい村でした。
ロケハン後、村に一つしかない駅で1時間ほど電車を待ちながら、駅前で買った鳥笛を吹いてみたけど、3人とも全然吹けなくてケタケタ笑ってました。今思い出してみるとなんだか良い時間でした。
仕事の電話ではなく、ポケモンセンターで息子さんに頼まれたポケモンのぬいぐるみを探し中
最近注目しているコンテンツは何ですか?
YouTubeの「チュー猫チャンネル」にはまってます。
https://youtube.com/@chuneko
東京都府中市で保護猫活動を行っている「NPO法人府中猫の会」が活動の様子を配信しているんですけど、中心となっている人たちや猫たちがとても魅力的でドキュメンタリーでも見られないような濃い内容になっています。オープニングのアニメがかわいくて良い。おすすめです。
仕事に役立っていると思う趣味はありますか?
毎週土日に子どものサッカークラブのコーチをしているんですけど、
サッカーのコーチングでの「伝えるスキル」や「時間の使い方」は映像制作の演出に近いものがあって、それが仕事にすごく役立っています。
例えば、リフティングが全く出来ない子どもへのアドバイスは、ただ手本を見せるだけでなく、本人の蹴り方の何がいけないのかを伝える事がかなり難しいんです。何かに例えながら子どもに分かりやすく伝えるけど個人差があって理解力がマチマチだったり、飽きないように練習メニューや時間配分を考えて、テンションが下がったと思ったらメニューを変えたり、難易度を調整したり、ここ5年くらいかなり試行錯誤しました。
ディレクターになりたての頃の取材では、長時間粘ってなんぼみたいに撮影していましたが、取材対象者も疲れてどんどん鮮度がなくなることもよくありました。
取材の時間配分は子どものサッカーのコーチをやっていることで鍛えられたんだなと気づきました。
映像を作る上で撮影や編集などのテクニックはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは人との関わり方で、どれだけ相手の立場になって考えられるかだと思います。
そういう意味では子どもたちとのサッカーが良い教科書になっていますね。
これから挑戦してみたい事は何ですか?
自分にとって新しい挑戦というわけではないですが、もっともっとドキュメンタリー番組の制作をやっていきたいです。行ったことのない場所、はじめて出会う人達、まだ誰も知らないドラマに心揺さぶられたいんです。あと、アート関連の取材は今後も続けていけたらと思っています。