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ロゴデザインの裏側〜「DEPART」ロゴリニューアル秘話〜前編

会社設立から5年経過したデパートが、ロゴのデザインを改めました。

なぜ今のタイミングでロゴのリニューアルを行うのか、そのプロセスや設計はどのように行われたのか、実際の制作はどのようなものだったのかー。

担当デザイナーの伊藤さんを中心にインタビューをさせていただき、制作秘話を伺いました。


ーーなぜ今のタイミングでロゴのデザインを変更することになったのでしょうか。

見條さん(代表取締役):現在、デパートという会社を設立して5年が経過し、7期目に突入しました。その過程で、会社の規模が大きくなり、一緒に働いてくれるメンバーも増えてきました。

デパート設立当初に掲げていた企業理念、VISONやMISSIONやVALUEは、その成長の中で達成されたものもあれば、それを引き継いで、より追いかけなければならないものも見えてきました。そういった中で、今期、企業理念、VISON、MISSON、VALUEを改めました。そして、それにあわせて新しいロゴを制作することにしました。


ーーロゴ制作のプロセスや設計はどのように行われましたか。

今井さん(取締役):プロセスとしては、担当デザイナーの伊藤くんから役員全員にヒアリングを行ってもらい、キーワードをまとめてもらうところからはじめました。そして、そのキーワードをもとに、いろいろなパターンを提案してもらい、ブラッシュアップしながら進めていきました。

考え方としては、見た目が良い・悪いという印象だけで進めるのではなく、背景にある「ロジック」を重要視して、設計してもらいました。


ーーまず、デザインの方向性はどのように決めましたか。

伊藤さん(担当デザイナー):デパートの新しい企業理念として、VISION、MISSION、VALUEがこのように定められました。




こちらを元にロゴを制作することになりました。しかしこのままだと要素が多く、どこの部分をロゴにするのかを考える必要がありました。そこで、まずは情報を整理するところからはじめました。

ロゴの構成要素として何を取り入れるべきか、先ほどの企業理念に加えて、役員の方々からヒアリングを行いました。今のデパートについてだけではなく、将来どうなっていきたい、という未来のことも含めてお話を聞き、それらを抜粋してまとめました。

これでもロゴとして表現するにはまだまだ要素が多いので、この中で一番強くロゴで表現したいところは何かを突き詰めていきました。そして、コアバリューである「イイDesign(Good Design)」にたどり着きました。


デパートの仕事の中でコアになる部分は、VISIONの「イイDesign」であり、MISSIONの「Good Design」であるということで、ここを最も強く表現するロゴを制作することになりました。


ーーどういった提案をされましたか。

「単純に見た目がどうか」というところよりも、「どういったロジックで設計されているか」という部分を重視して制作を進めました。そのため、まずはロジックの部分で案出し、提案を行いました。

【実際に出した提案一覧】

「図形のパズルで表現」や「道筋を表現」などさまざまな提案をし、その中から、この表現が一番良いのではないか、というものを今井さんに選んでいただきました。

それが、「ガイドラインで表現」と「グリッド(方眼)で表現」の2つでした。

ガイドラインやグリッドを用いて設計していくことで、デザインや設計が表現できるのではないか、ということでこの2つを軸にロゴのデザインを進めることになりました。


ーータイポグラフィはどのように制作されましたか。

「グリッドとガイドラインを使った設計とは」という部分を軸に、タイポグラフィの制作に入りました。これはそのバリエーションで、ラフ案になるのですが、グリッドと円を使ってみたり、そのバランスを変えたり、正方形をベースにして作ったりしました。

そして、こういった提案をしていく中で、「黄金比」を用いた表現にたどり着きました。

【実際に出した提案一覧】


黄金比というのは、紀元前から、ギリシャの建築物の設計などにも用いられてきた比率で、自然界にも存在し、カタツムリの渦巻きもこの黄金比をつなげたスパイラルになっています。人間界でも長い間美しい比率として使われていて、有名なところでは、Twitter社の青い鳥も黄金比のガイドラインを用いて作られています。

この「黄金比を使ってタイポグラフィを作っていく」という案で決定しました。


ーーシンボルマークはどのように制作されましたか。

どういったモチーフで「イイDesign」を表現するか試行錯誤しました。

例えば、「Goodを表現」では、Facebookのいいねボタン(サムアップ)のような親指を立てた表現がGoodを表現していると考え、親指を立てているように見えて、かつ、小文字の「d」も意識したデザイン案を出しました。

また、「デザインの道具の表現」では、紙とペンをモチーフにした案やコンパスをモチーフにした案などを出しました。

この中の、DEPARTの「D」のマークをひっくり返すとGoodの「G」のマークになるものと、DEPARTの「D」に見えるマークを90度回転させるとスマイルマークに見える、笑っているということは何かイイことを表現している、という2つの案で進めていくことになりました。

【実際に出した提案一覧】


ーーー

今回の記事では、デパートがロゴのリニューアルを行うことになった背景や、そのプロセスについてインタビューを行いました。

続く後編の記事では、ロゴ制作のプロセスと調整について、ボツになった数々のロゴ案などについてお話を伺いしました。ぜひお読みいただけたら嬉しいです。

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