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D2C GROUPの社内報「D2心」にてD2C Xの特集が掲載されました!

当社の親会社である株式会社D2Cが発行する社内報『D2心』にD2C Xの特集が掲載されました。今回は、その本文をWantedlyでもご紹介させていただきますので、ぜひご覧ください!

読者層は国内向けにデジタルマーケティングを手掛けているグループ会社の方々を対象としており、その方々を意識して広告業界の目線を交えて回答しております。

- -インタビュー内容の抜粋--

2020年に端を発したコロナ禍によって、3年近くに渡り壊滅状態となった観光業界。しかし、2023年5月に始まったコロナ5類移行後の再興はめざましく、2023年の訪日観光客数はコロナ禍以前の8割に迫る水準にまで回復し、消費総額においてはコロナ禍以前の95%までになりました。今回のインタビューでは、D2Cグループでインバウンドマーケティングを専門に手掛けるD2C X 代表取締役社長の中西さんと同社取締役の内山 佳久さんに、D2Cグループがインバウンド事業に取り組む真意と、暗中模索のコロナ禍を経たいま注力している事業の全容、今後の展望について伺いました。

D2Cグループがインバウンド事業を手掛ける真意

――D2Cグループとしてインバウンド事業を手がけるようになって6年目を迎えました。改めて、本事業への参入背景についてお聞かせください。

中西 少子高齢化・人口減少の問題は急速に進む日本の課題として日々取りざたされていますが、こと広告業界でみても、人口が減ればその分企業の売上も減り、それにより広告予算もシュリンクすることは避けられません。国はその補填策の一つとして、訪日観光客や外国人労働者の誘致にフォーカスし予算を投下しているのも事実です。そのような中、D2Cグループの持続可能な取り組みとして、日本以外をターゲットとした事業へ根を広げるインバウンド領域への参入が2018年に始まりました。これは短期的に実現するものではなく、10年後20年後を見据えた長期的成長戦略における体制構築であると考えています。

ただ、実際インバウンド事業に取り組んでみると想定外の連続でした。2019年の訪日観光客の日本国内での旅行消費額は4兆8,000億円でしたが、市場規模に対する広告宣伝費比率が他業種に比べて圧倒的に低いという実態に直面しています。2023年は訪日観光客数や消費総額は2019年時点の水準に戻りつつありますが、これは正直なところプロモーション以外の要素も大きかった。更に、このような売上に対して広告寄与度を図るような指標や数値も国内では全方位的に整っておらず、マーケットや業界としては基盤づくりそのものが道半ばな状態であります。

全世界に広がる「STAY HOME」にインバウンド業界はどう立ち向かったのか

――インバウンド事業という新規領域への挑戦だけでなく、世界情勢の影響も受けて激動の5年間だったのではないでしょうか。

中西 D2Cグループとして「tsunagu Japan」のメディア運営に携わり始めたのは2018年12月でした。当時は4言語対応だった「tsunagu Japan」も、市場のニーズに応える形で2019年末までには全7言語対応まで広げていたので、当時のインバウンド事業の根幹はまさに「tsunagu Japan」のメディア運営でした。それが、2020年に始まったコロナショックにより、世界各国で「STAY HOME」「鎖国戦略」という流れが続いて訪日観光どころではありませんでした。それと同時に「tsunagu Japan」にも猛烈なスピードで暗雲が立ち込めてきたのは言うまでもありません。

先行きも分からないまま、常にのしかかる選択肢は「事業の存続か、撤退か」。国内向けの事業に軸足を移すという選択肢もありましたが、過去の歴史を振り返ってみると、世界的な疫病の流行や経済危機に陥っても観光は力強く回復している傾向にあることから、形を多少変えてでも事業を継続することを決定しました。これまでやってこなかったような取り組みに対しても、できることを柔軟にスピーディーに一つ一つこなすなかで、国や自治体が推進するアフターコロナに向けた施策への挑戦に舵を切りました。特に日本政府の方針については敏感にアンテナを張り、2022年8月には欧米諸国に比べ遅れを取っていた日本の水際対策に関する意識調査を実施し公開しました。

コロナ禍で始まった事業も少なくありません。現在も継続的に問い合わせのある越境クラウドファンディング事業もその一つです。日本国内でもあまり知られていない伝統工芸品を海外向けに紹介し、クラウドファンディングを利用して販売するという取り組みは、生産者だけでなく伝統工芸品を有する地方自治体にも関心を持ってもらいやすい側面が大きいです。日本のマーケットではなかなか動かない地域の伝統工芸品を、いかに国外へ広げて展開するかというのはどこの自治体も課題になっていることがわかりました。

訪日観光メディアで得た知見を強みに日本企業の海外進出を後押しするパートナーへ

――コロナ禍を経た今では、メディア事業以外の取り組みが増えているということですね。

内山 Webを中心としたデジタルマーケティングが軸になっている部分はありますが、インバウンド事業においては現地やその土地の人と直接業務をするリアルな案件も非常に多く、我々もチャレンジしながら領域を広げています。

一つは、旅行関連事業です。インバウンド事業においては日本地域毎にそれぞれ異なる課題がありますが、例えば一般社団法人せとうち観光推進機構様とのプロジェクトにおいては、ニーズに合った「訪日客向けの旅行商品企画」、受入側の多言語展開や対応などの「受入環境整備」、旅行者の旅をさらに楽しく豊かにする「多言語旅行ガイドや事業者の育成」、そして海外へ商品を販売するための「海外旅行会社等との商談」など、広域での一貫した業務サポートを担当しました。

その他、インバウンド以外でも企業や自治体の海外向けプロモーションを手掛けることも増えてきています。2023年9月には長野県様の案件で台湾で人気の高級デパートである「Breeze Center」にて、シャインマスカットに代表する長野県産農作物のPRを担当しました。長野県副知事と共に現地台北に出向きPRイベントを実施、また現地のバイヤーへのセールス活動、台湾の若者に人気のカフェでは長野県産フルーツを使った新商品開発&期間限定販売など、多岐にわたってサポートしました。このように、高品質で人気が高い日本商品の海外プロモーションは今後も増えると見込んでいます。

日本と世界を『つなぐ』領域へ挑み続け地方にも元気を与えられる事業を

――2022年よりD2C Xは新役員体制となり、今年の6月には3年目を迎えます。今後のD2C Xとしてのビジョンについてお聞かせください。

内山 コロナ禍を経験したことにより、クライアントの種別が民間企業に加え、官公庁・自治体と幅広くなりました。これから更にインバウンド市場が活気づくであろう中で、私たちは企業・自治体に対し、訪日観光客のニーズに応じたコンテンツを提供・発信できるパートナーとしての地位を確立していきたいと思っています。これまで培った経験・知識・ネットワークを活用して、日本の観光をはじめ、日本独自の商品・体験・文化を世界に向けてPRし、さらに日本の地方にも元気を与えられる事業を手掛けていきたいと思っています。

中西 約3年間、暗闇の中でもがき続けた日々は、新たなD2C Xとしての地力をつける貴重な時間になったと思っています。これまで私たちが大切に育ててきた「tsunagu Japan」は、コンテンツの切り口や情報の深さなどで差別化することにフォーカスし、変わりゆく日本の姿を世界中に発信し続けていきたいと思っています。日本の成長分野であるインバウンド領域での実績と信頼を礎に、既存事業に留まることなく、日本と世界を『つなぐ』領域においてダイナミックにチャレンジをし続けてまいります。

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