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壁ドン部長がヒーローになった日──海外事業推進の立役者、仲間との3年間の挑戦

サイバードには、「CYBIRD TOP HERO」という、社のVMVを体現し、半期で最も実績を挙げた社員へ贈られる賞が存在します。2018年度のTOP HEROを受賞したのは、海外事業部・北米エリア部長の倉増ひろと。「常にお客様の近くに」を自らが体現する、倉増の挑戦の軌跡を振り返ります。

ゼロからはじめた1年目

▲ 2018年度 CYBIRD HEROESの「TOP HERO」を受賞した 倉増ひろと


サイバードの累計会員数2,500万人を誇る女性向け恋愛ゲーム『イケメンシリーズ』の英語圏事業を推進する倉増ひろとは、高校からアメリカに留学。高校卒業後は日本に帰国し、アメリカの大学の日本校に入学しました。

そして、大学卒業後には大手ゲーム会社に入社。日本国内で配信していたゲームを海外向けにローカライズするプロジェクトに従事しましたが、2年半勤めた頃に、転職を考えはじめました。

倉増 「大きな会社だったのですが、一人ひとりの役割がきちんと割り当てられていて、やることが限られていました。そんな状態が物足りないと感じて。自分のキャリアのためにも、若い時から色々やっておかないと、と思うようになったんです」

そんな時にたまたま、サイバードの求人募集を見つけました。しかし、当時は、サイバードの名前も、イケメンシリーズの存在も知りませんでした。

倉増 「その当時働いていた会社は世の中的にも有名な会社。そんな大きな看板を捨てる?と。面接を経て、既にサイバードから内定は出ていたのですが、入社書類をポストに投函する直前まで、正直迷いました」

そこでふと、倉増は初心を思い出しました。自分が求めているのは、どれだけ会社が大きいか、どれだけ大きいIPを持っているか、ではなく、どういう仕事ができるかだと。そして、2015年7月にサイバードに入社。イケメンシリーズの海外展開を担当することになりました。

しかし、当時の海外事業は、まだまだ体制が整っていない状況でした。

倉増 「今だから言えますが、ここまで放置?って状態でした。入社後 3ヶ月くらいは、入るところ間違ったか?と思ってしまっていました(笑)」

そんな、ゼロから自分たちで積み上げていかねばならない状況だったので、やるべきことは山積みで、業務量はどんどん増えていくばかりでした。しかし、そんな状況が倉増を奮起させたのです。

倉増 「忙しすぎて吹っ切れました(笑)。やったるぜ!と思ったんです。自分がいたから、新しい事業の道が切り拓けたっていえるようになりたいって」

入社から約1年は、厳しい日々が続きました。赤字が出ている状態で、このままだと事業が潰れてしまう、まずは、きちんと利益化することを目指しました。海外配信タイトルの運営や業績管理、広告管理など、これまで経験したことのない業務にも自ら取り組み、チーム一丸で試行錯誤を重ねていきました。

壁ドンが生まれた日

▲「お客様に楽しんでいただきたい」そんな一心から生まれた、倉増の代名詞“壁ドン”


そんな試行錯誤を続けるなかで、倉増は、ゲームを配信するだけではなく、実際にお客様と会ってその声を聞き、直接コミュニケーションを取り、イケメンシリーズをより身近に感じてもらうためには、現地に行ってお客様の近くでやらなければいけないと感じました。そこで提案したのが、海外でのイベント出展です。

倉増 「海外では、イケメンシリーズのような恋愛ゲームの歴史ってまだまだ浅いんです。日本のようなメディアミックスもまだない。お客様はゲームの中でしか体験ができない。だから、グッズを通してキャラクターやコンテンツを愛してほしい。それができれば、イケメンシリーズの魅力も口コミで広がっていくんじゃないか?って思いました。
しかし、アメリカを例にすると、日本のように通販でグッズをいつでも買えるような環境ではまだないし、買いものをするにもとにかく距離が遠いんです。だから、イベントに出展して、そこでグッズ販売もできればと考えたんです」

とはいえ、事業としてはまだ過渡期、倉増の提案はなかなか受け入れられませんでした。

倉増 「何度も何度も提案しましたが、毎回蹴られました。だけど 『自分がいたからできた』 『道を切り拓いた』 『市場に対して、イケメンシリーズってこれだけやってるんだぜ』って言いたかったから諦めませんでした」

事業としてはまだ厳しい状況ではありましたが、倉増はじめ、チーム全員の熱意、そして、今後の海外事業に可能性があるのか否かを試すためのテストとして賭けてみよう。ただし、コストはギリギリに抑えることを条件に、2016年夏に、北米最大のアニメ・コンベンション「Anime Expo」に初めて出展をすることになりました。

初めての海外でのイベントは小さなブースでの出展でした。1年目はブースデザインや施工、グッズ制作など含めて、すべて自分たちでやりました。

倉増 「初めての出展だったので、お客様が来てくれるか心配でした。ミッキーマウスみたいなキャラクターがいれば、みんな来てくれるかな?と思って、自分自身がイケメンシリーズのキャラクターになってブースに出よう、とこの時からコスプレもはじめました」

心配をよそに、実際に現地のお客様の反応や声を聞き、手応えを感じることができました。

2016年9月頃には、事業としても利益体質化ができたといえる状態にはなり、日本国内で大ヒットとなった『イケメン戦国◆時をかける恋』のアメリカでの配信も決まり、イケメン戦国をアメリカでもヒットさせるためにも、ここから攻めて勝負をかけようと、2017年のAnime Expoでは大きなブースを取ることになりました。

大きなブースを取ったものの、お客様にその場で楽しんでいただけること、喜んでいただけることは何だろうと、チームの皆でディスカッションをしました。そこで、今や倉増の代名詞となった“壁ドン”が生まれたのです。

倉増 「壁ドン、もしくはハグ、好きなほうをしてもらえるという企画をやりました。想像を遥かに超える大行列ができ、多い時ではブースを 1周するほどになっていましたね。なかには連日、何度も訪れてくれるファンの方もいて、びっくりしました」

この2017年のAnime Expo出展をきっかけに、現地を中心にファンの人たちのコミュニティが大きくなっていき、おのおのがFacebookのファンページをつくり、皆がそこでやり取りをはじめるようになりました。

そして最も大きな成果となったことは、東南アジア地域複数カ所で開催されるアニメイベント“Anime Festival Asia”にも出展して欲しいと、招聘されたことです。これをきっかけに、アメリカ以外の英語圏でもプロモーションを仕掛けていこうと計画がスタートしたのです。

地道な努力が縮めるファンとの距離

▲華やかな舞台裏にあるのは地道な努力。多忙を極める倉増を支える、お客様とのコミュニケーション


2018年はもっと大きなことをやりたい。それならばイケメンシリーズのワールドツアーをやろうと、アメリカ・ロサンゼルスにて開催されるAnime Expo 2018への出展を皮切りに、台湾、インドネシア、フィリピン、シンガポールを回る “Ikémen Series World Tour 2018”を敢行することとなりました。

倉増 「常にファンの近くに、ファンのために、という目的は最初から変わりませんでした。アメリカのファンのみなさんには、去年を超える体験してもらわなくちゃいけない。そしてほか 4カ国のファンのみなさんには初めてイベントを通じて、イケメンシリーズをもっと知ってもらう機会となるので、とにかくコンテンツを盛り込みまくりましたね」

コスプレをして壁ドンをする倉増の姿は、一見華やかにも見られますが、その裏では地道な作業の方が多いのです。コスプレ衣装の手配や、写真撮影、イベント用の販促物制作も自分たちでやっています。

倉増 「 World Tourの時には、日本を出発する前々日に衣装が届いて、次の日の朝まで衣装の調整やアレンジ。そこから写真撮影をして、内容を確認して修整をして、イベントに持っていくように印刷をして、荷づくりをして、次の日にはイベント会場に向けて日本を飛び立つ、と言うようなスケジュールでした。現地に行ってからもブースの準備もやるし、とにかく毎回バタバタです」

そんな、怒涛のスケジュールの中でも、お客様の声を知りたい、コミュニケーションをとりたいという気持ちが、倉増を支えています。

倉増 「アメリカ以外は、それまで分からなかったんですが、今回実際に行き、ファンのみなさんに会うことで分かったことがいっぱいありました」

実際に現地に行くことで、イケメンシリーズを好きな人たちが声をかけてくれます。コスプレをしているお陰で、最近ではまだイケメンシリーズを知らないコスプレイヤーの人たちも声を掛けてくれるようになりました。ほかにも手紙やプレゼントなどをたくさんもらったり、ファンの人たちが誕生会を開いてくれたり、イベントで友だちができたり。

また、SNSなどでもお客様のことを知ることができるようになりました。これらを通じて得たものは倉増にとってとても大事なものなのです。だから、これからも変わらず、“常にお客様の近くに”ということは、自らが率先して実践していきたいと考えています。

次に目指すのはさらに広い世界


▲常に見据えるのは先のこと。目標は“ワールドワイド”なイケメンシリーズ

倉増 「大きなイベントが終わると、一度自分をリセットさせるんです」

そういう倉増は、次にどういうことをしていきたいかを早速考えはじめています。

倉増 「市場を広げる、コミュニティをしっかりつくっていきたいです。まずは、海外でも、ファンの人たちがイケメンシリーズを好きだといえる場をつくる。そこできちんと収益もあげられるようにして、行ってない国でもイケメンシリーズを紹介していきたいです。世界中にコミュニティをつくっていきたい。それの先陣をきれるのはイケメンシリーズだと思います」

具体的には、次回のイケメンシリーズワールドツアーでは、日本も含めたツアーをやりたいと考えています。そして、ツアーだけに限らず、将来的には様々な領域において、日本と海外の壁を取り除き、サービスをつくる側から見ても、受け取る側から見ても、イケメンシリーズを“ワールドワイド”にしていくことが目標です。

果敢な挑戦にも自ら臨んでいく倉増が、大切にしていることは“諦めない”ことです。色々と大変ではありますが、自分が諦めちゃうとダメ。自分が弱気になってしまうと、チームの皆もモチベーションが下がってしまうし、チームを守れないと言います。

倉増 「一度決めたら諦めずにやり切るだけです。これからも、自分だからできることを探してやる。代わりのいない人になりたいです」

これからも、自分だからできることを探してやる。代わりのいない人になりたい。その想いを胸に、倉増はこれからも挑戦し続けます。“常にお客様の近くに”という思いのもと突き進み、実績を残してきた倉増。彼はこれからも挑戦をつづけていきます。

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