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“ITパスポート”は取っても意味がない?IT企業の人事が未経験者採用で見る資格のポイント

こんにちは、元バンドマンで今はIT企業で人事・広報を担当している兵永です。


今回は「ITパスポートは意味がない資格なのか」について、採用する側の目線でリアルな話をお伝えできたらと思います。


一部、歯に衣を着せぬ物言いになる部分もあるかと思いますが、一つの考え方として参考にして頂ければと思います。


特にこれからIT業界を目指す学生や、別業界からIT業界へ転職を考える方には深く関わるお話になるでしょう。


●サジェストに「意味がない」と出てくるITパスポート

IT業界を目指してITパスポート取得のために勉強しようと思い、Googleの検索欄に「ITパスポート」と打ち込むと、必ずと言っていいほどサジェストに「意味がない」や「ゴミ」という文字が出てきます。


その時点で「え、ITパスポートって意味ない資格なの?」と取得の意欲が3割ほど失せてしまうという経験をした方もいるのではないでしょうか。


そのサジェストを辿ると、色々な企業や個人がITパスポートの是非について語っています。


ざっくりとまとめるとこんな感じ。


【意味がない】

・合格のハードルが低い

・(弁護士や医師のような)独占業務がない

・IT業界の実務に結びつかない

・IT業界への就職に役に立たない


【意味がある】

・最低限のITリテラシーを学べる

・技術に限らず幅広いIT知識を習得できる

・上位資格への足がかりになる

・IT業界以外では評価が高いこともある


私は概ねどちらの意見にも「その通り」と納得しますが、結論から言うと、これからIT業界で働こうとしている未経験者の方や新卒で就活をしている方にとっては、ITパスポートを取得する意味は大いにあると思います。


逆に言えば、すでにIT業界で活躍している方は、あえて取得する必要は無いということです。


なぜ、そう言えるのか、採用面接や配属面談を想定して考えてみましょう。


●採用面接で見る資格のポイント

まず、面接や面談において面接官が知りたいポイントは「この人は何がどこまでできるのだろう」と「この人は何をやりたいのだろう」という点です。


しかし、面接官もエスパーではないので人の過去を見たり、心の中を読んだりすることはできません。


だから履歴書や職務経歴書を読んだり、面接で質問をすることで、何がどこまでできるのかや、何がやりたいのかを確認していくのです。


即戦力を求める経験者採用の場合、経歴や経験を面接の中で聞けばある程度なにがどこまでできるのかを知ることができます。


もちろん持っている資格も確認しますが、実務経験がどれくらいあるのかが重要視されることがほとんどです。


私が面接官なら、経験者の履歴書の資格欄に「ITパスポート」と書かれていても特に何も触れません。


一方、未経験者採用の場合、面接を受ける方は実務経験が無かったり浅いことが前提です。


面接をする中で人柄などで「この人は真面目そうだ」とか、「忍耐力が無さそうだな」と判断することもありますが、その日初めて会った人を誤解なく理解できるかといえば、難しい部分もあるのが正直なところです。


そんな不確定な情報の中、未経験でITパスポートを持っている方についてはこう思います。


「この方は少なくともIT業界やIT技術に興味を持っていて、勉強する気もあるのかな」


と。


●IT業界への興味度と成長意欲を測る資格

ITパスポートはハードルが低いと言われますが、まったく勉強せずに合格するほど簡単な資格ではありません。


もし、まったく勉強せずに一発で受かる自信があるのなら、あなたの目指すべき資格はITパスポートではないのでどんどん上位の資格や技術修得を目指しましょう。


勉強するためにはその領域に対する興味、もしくは資格取得の為の熱意がないと自発的には進められないのが人間というものです。


自分の好きなゲームや趣味のことなら自分から知識を得て詳しくなるけど、興味のないことをわざわざ覚える気にはなりませんよね。


ただ、ITパスポートはITにそこまで興味がない方でも、資格取得のために真面目に学習すれば取得できる資格でもあります。


つまりその方がIT業界で頑張っていけるのかを判断する指標の一つになるということです。


IT業界は日進月歩どころか分進秒歩といわれるくらい、動向が早い業界であるため、常に勉強(机上の学習だけではありません)が必要になります。


さらに、未経験の方が成長してくれることが会社全体の成長にも繋がるため、企業はその意欲があるのかを見極めたいと考えています。


未経験者を採用するのであれば、今後成長しない人よりも、成長した未来の姿を想像できる方に入社してもらいたいと思うというのは理解してもらえると思います。


別にITパスポートではなく、基本情報でも別のIT資格でも同じなのですが、ITパスポートが一番易しいといわれているので、最低限のラインを見るために引き合いに出されるのでしょう。


●面接で資格勉強をアピールするには

IT未経験の方に対しての面接で、「なにか取得したIT資格や、勉強中のIT資格はありますか?」と尋ねることがありますが、やはりそれはITへの興味関心や、勉強への意欲を確認していることが多いです。


「資格取得を目指して勉強中です!」でも構わないのですが、その場合はいつ受験予定なのか、そのためにどういう計画で勉強しているのかをちゃんと答えられるようにしてほしいと思います。


「資格を受験予定です!でもいつが試験日なのか調べてません」や、「現在勉強中なので、受かりそうになったら受験します」と答えが返ってくると、「あ、特に資格取る気ないんだ。言ってるだけなんだ」と思ってしまいます。


しっかり目標を定めて、それに対して計画的にアプローチができているのかや、どうやって勉強しているのかが答えられないようでは、おそらく資格取得までの道のりは険しいと判断されます。


ちなみに、嘘をついたり適当な事を言うと結構簡単に面接官にバレます。


要するに、ちゃんと言葉や文字で伝える意欲に、行動が伴っていることを見極めているんですね。


なぜなら社会では努力ではなく、結果によって評価されるからです。


もし、資格取得前に面接で勉強していることをアピールしたいのなら、


「●月●日に受験予定で、すでに申し込み済みです。○月から勉強を始めて、一日2時間ほど勉強しています。直近の模擬試験での正解率は70%でしたので、苦手な✕✕の範囲の集中して復習して合格を目指しています」


と、具体的に話すことができれば、いい印象も与えられるのではないでしょうか。


ただし、あまりにも長い期間勉強しているようだと、「そんなに時間をかけてもITパスポートすら取れないの?」と思われてしまう可能性も高いので注意して下さい。


●ITパスポートはIT業界への入国許可証?

私が今の会社に入社した当時、「ITパスポートはパスポートと呼ぶだけあって、IT業界への入国許可証だ」と先輩に言われたことがあります。


「ITパスポートすら取れないようではIT業界に向いてないのでは?」という意見もありますが・・・、個人的にはそれだけで判断は出来ないと思います。


範囲としては浅く広くなので、エンジニア以外のポジションで有用になる事もあり、特にストラテジやマネジメントの領域はITパーソンとして知っておくほうがいいことも多くあります。


エンジニアとしては関わりが薄くても、プロジェクトマネージャーになった時に必要な考え方や知識などにも触れる内容もあるので、無駄になることは無いでしょう。


弊社では平均すると1ヶ月くらいで取得していますが、過去最短の記録では3日で合格したというツワモノもいました。


その方には「自分のやる気と覚悟を示したかった」という強い意志があったそうですが、やはり成長も早く、次々と新しい資格に挑戦して自分のスキルを身に着けています。


社内の資格報奨金や資格手当の制度がモチベーションにもなっているようです。


ちなみに偉そうに語っている私もITパスポートを受験しましたが後ちょっとのところで落ちて、二回目でようやく合格しました。


またいずれ、ITパスポートの勉強方法についての記事を書きたいと考えています。


これからIT業界を目指す方は、ぜひITパスポートを取得して素敵なIT業界の旅をお楽しみ下さい!


ここまで読んで頂きありがとうございました。

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