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なにをやっているのか

インドにて、留職派遣先団体を訪れるクロスフィールズのプロジェクトマネージャー
留職の様子
●「留職」プログラム 日本企業の社員が発展途上国のNPOへと数ヶ月赴任し、本業のスキルを活用して社会課題に取り組むリーダー育成プログラム。 企業の本業を通じて現地社会の課題解決に貢献すると同時に、日本企業にとってもリーダー育成や現地市場の理解といったメリットがあり、両者にとってWIN-WINの仕組みとなっています。パナソニック、日立製作所、日産自動車、NTTデータなど日本企業約30社以上が導入を決めており、インドやインドネシアなどをはじめとしたアジア新興国11カ国に約180人を派遣した実績があります。 ●社会課題体感フィールドスタディ 国内外の社会課題の現場を「体感」するとともに、困難な課題に立ち向かうリーダーの活動と志から刺激を受ける数日間の管理職・経営層向けのプログラムです。 経済的価値と社会的価値を同時に創出するCSV(Creating Shared Value)の考え方に注目が集まる中、社会や企業に対する鋭い感性を持ち、ぶれない軸を持った経営人材を育てることの重要性が高まっています。本フィールドスタディは、通常の業務ではなかなか使わない右脳や感性を刺激し、自らの志について深く問い直すきっかけを創ります。

なぜやるのか

インドで留職に取り組む電気メーカー社員
インドで有機農業に取り組むNGOで留職に取り組む日本企業の社員とクロスフィールズのプロジェクトマネージャー
近年、企業で働く人たちにも、利益を追求するだけではなく社会に対して貢献したいと考える方々が増えています。しかし、実際にそうした活動をする機会は限られていて、多くの場合、日々の業務に忙殺されることで、そうした想い・情熱は次第に冷めていってしまうのが現状ではないでしょうか。これは、社会課題を起点に新たなビジネスを生み出す可能性を秘めている日本企業にとって、また、多くの多様で複雑な課題を抱える日本社会にとって、ともに大きな機会損失になっていると私たちは捉えています。 クロスフィールズは、留職というプログラムを通じ、日本のビジネスパーソンたちに「あらゆる枠を超えて社会課題に挑む原体験」を提供しています。組織という枠、国境という枠、更には近視眼的な利益追求という枠を超え、新興国のNPOのリーダーたちとともに社会課題の最前線にどっぷりと浸かることは、プログラムに参加する人たちを大きく変えていきます。そして、彼らが持ち帰った学びと情熱は組織の内部へと伝播し、その組織を、そしてひいては社会を変えていくことができると私たちは信じています。 企業・行政・NPOに勤めるリーダーたちが、日本を「社会課題の山積する大変な課題先進国」ではなく「社会課題を解決する機会に最も恵まれた国」と前向きに捉え、様々な課題に対してセクターを超えた革新的な解決策を次々に生み出す「課題解決先進国」としての日本を創ることを目指しています。 MISSION ●枠を超えて橋をかけ 挑戦に伴走し 社会の未来を切り拓く VISION ● すべての人が「働くこと」を通じて、想い・情熱を実現することのできる世界 ● 企業・行政・NPOがパートナーとなり、次々と社会の課題を解決している世界

どうやっているのか

留職の仕組み
7周年パーティの様子
留職プログラムの具体的な事例を紹介させて下さい。 インドに半年間の留職をした電気メーカーの研究者(当時29歳)は、村落部の小規模小売店を流通面から支援するNGOで活動しました。彼は現地スタッフに対するヒアリングや視察を繰り返して流通システムの課題を探り、そこにある本当のニーズを見極めていきました。彼は流通業務の効率化のため、タブレットを使ったPOSシステムを開発して現地のスタッフと試験的な運用を行いました。このシステムは「配達プロセスがずっと効率的になった」と現地スタッフからも大好評で、今後は更に地域を拡大して展開されていく見込みです。 留職した研究者は、現地の人々とともに半年にわたって業務を行う中で、「いま日本企業は価値観を共有できるインドのトップ1%の層しか見ていない。99%の生活者を向いて仕事をしていくには、仕事のあり方や物事の見方を根本的に見直す必要がある」という言葉を残しました。現地社会を肌感覚で理解するとともに、ゼロから何かを生み出す起業家精神を持ったリーダーが育成されることは、日本企業にとっても大きな価値だと受け止められています。 クロスフィールズは、「企業の力を活用した現地社会への貢献」と「未来を切り拓くリーダーの育成」とを同時に実現する活動を、今後も全力で展開していきます。