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新卒の子とプロジェクトをやってみて振り返った話

足掛け1年半のプロジェクトが先日ようやくリリースを迎えたので、自分なりに振り返ってみることにしました。

あなたの中に住む妖精であり分身であるリトル・タカキです。このたび大きなプロジェクトがリリースされたと聞いたんですが本当ですか?

いきなり変な設定ブッこんできましたね。はい、本当です。


どのようなプロジェクトだったか教えていただけますか?何やら大変な資格だか基準だかをクリアする必要があったと聞いていますが。

すいません、詳しいことはお話しできないんですが、色々と主にセキュリティ的な基準をクリアしなければならなかったのは事実ですね。


今回のメンバーには新卒の社員もプロジェクトマネージャー(PM)として参加したそうですが、事実ですか?

はい、事実です。といっても、PM業務をすべてお任せしていたわけではなくて、私のサポートなどをお願いしていました。


>面倒な仕事を新卒に押しつけて自分は楽していませんでしたか?

聞き方に悪意があるなぁ…。確かに面倒な資料作りや検証といったことはお願いしていましたけど、決して押し付けたわけじゃないですよ。最初は大枠から入ってもらおうと思ったんですけど、あまりにも漠然としすぎていて結局何をすべきなのかが曖昧になっちゃったんですよね。だから詳細部分から体験して、底から理解してもらうように変化させました。これでも一応考えているんです。


>つまり、雑務をさせていたと。

今のは本当に悪意しかない質問ですよね。本当に分身なの?それは決してないと断言します。ハッキリ言ってそういった詳細部分まで手が回らなかったのは事実ですし、おかげでかなり助かりましたよ。

例えばある画面のデザイン部分に修正が入った時に、もうデザインをお願いしている会社さんとは納品を済ませちゃっていて追加でお願いすると費用が掛かる、ということがあったんですね。僕らPMはそういった費用の管理もしなければならないのですが、どうやったらなるべく費用をかけずに対応できるかというのを二人で考えたりしました。大した内容ではなかったので僕が直接プログラム(HTML)を修正すればことは済むのですが、その余裕がなかった。そんな状況で彼女は自分で対応すると言ってくれて、プログラムの修正にチャレンジしてくれました。もちろん1行もコードを書いたことが無いのでやり方なんかわかるわけがないのですが、そこは最初に一緒にやり方を説明しながら進めました。当然すぐに理解なんかできないのですが、彼女は自分で調べたり、他のコードを真似しながらうまく対応をしてくれました。おかげで今はすっかりHTMLが書けるようになりましたよ。


PMが直接プログラムを修正するなんて下策じゃないんですかぁ?

…それは仰る通りですね、悔しいですけど。ただ、僕はこれは彼女にとっていい機会なのではないかと考えました。いきなりPMなんかをやると、どういう作業にどれくらい時間がかかるかといったそういう感覚がわからなくなってしまいます。しかし、彼女はコーディングという作業を通して、こうした変更はかなり時間がかかる、ですとか、こういう変更なら大したことないから変更を受け入れてしまっても進捗に大きな影響はない、といった判断ができるようになりました。これは狙い通りでしたね。


ピンチをチャンスに変えたってことですね

結果的にはそうすることができましたね。というのも、彼女とは定期的な面談をしていて、その中でもっと基礎的なプログラミングの知識を身に着けたい、という要望が出てきたことがありました。去年の夏すぎかな。現場に入ってPMの業務をしてみることで、実戦的に必要な課題が彼女の中ではっきりしたわけです。そういった意味でも、こうした取り組みは個人の課題とも合致したわけです。

そうしたニーズが出てくる状況だったので僕も上司に上申して、それで彼女と同じ課題を持つビギナー社員のために外部から講師を招いて研修をしようといった枠組みを作ったりすることもできました。一緒に協力して課題解決に取り組んだわけです。


なるほど、今後はそういったアプローチもしてくわけですね。

そうですね。今までと同じやり方を続けてもうまくいかないのはみんなわかっているので、そういったアプローチはどんどん改善しながら進めていく必要があるし、実際やっています。


他にはどういったことに取組んでいくつもりですか?

ビギナー社員の教育、というのは個人的なテーマです。座学の知識ばかりになっても意味がないし、かといっていきなり現場に放り込んでもうまくできるわけがない。片方だけというのはダメで、両方進めていかなければいけない。そのバランスを取るのが難しくて、人にもよるだろうし、そうした個人に目線が向いた教育が必要だと考えています。これについては真剣で、彼ら彼女らは会社の未来の文化を作っていくわけですから、そうした人々が正しく判断できるような材料を少しでも与えられたらな、と思って努力しています。僕個人としてはこれは仕事に限った話ではなく、人間教育だと考えていて、会社の中だけではなく、人生で多くの選択肢を手に入れて自分の幸せにつなげてほしいと思いますね。


上から目線で偉そうですね。

うっさいわ!

でも、いきなり会社に入った人と比べられて先輩である自分の方が仕事がうまくできない、ということはありえないですよね。そうじゃないと、この10年以上の時間は無駄だったってことになっちゃう。それは僕だけじゃなくて、他の諸先輩も、同じようにその先輩が踏んできた道がある。その道筋は一人ずつ違うし、その結果できることがみんな違う。そうした個性が異なる先輩がたくさんいるというのが会社のいいところで、ビギナー社員はそうした先輩の中から自分が学びたいスキルを好きなように盗めばいい。あの知識はこの人から、この技術はあの人から、と、自分で自分のキャリアをカスタマイズできる。そういった意味では当社は経験してきた道が異なる人が多くいるので、良い環境だとは思っていますね。


さり気に会社のアピールしてきましたね。

そうですね。僕は今の会社がなかなか気に入っているので、そういった宣伝はしたいですね。


なんか最終的にはうまく利用されちゃった気がします。

そりゃね、分身が質問しているわけですからね…(笑。


本当はプロジェクトの振り返りだったはずですが?

プロジェクトの振り返りももちろん重要なんですが、振り返ってみると、自分の中ではやはり教育というワードが重要だということがわかりました。あの時彼女にこうアドバイスすればよかったな、とか、ここまで任せたのは良くなかったな、とかその逆とか。そういうことが自分の中で多く思い浮かびますね。

これは今後の自分の仕事の中でも重視したいですね。


ありがとうございました。

ありがとうございました。

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