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【社員インタビュー】クックビズ開発組織のいま

こんにちは。クックビズ株式会社(以下、クックビズ)の社長室 広報の小西です。

クックビズは、2024年4月に運営する求人サイト(https://cookbiz.co.jp/)をフルリニューアルし、これまで提供してきたスカウトサービスも約4年ぶりに大幅リニューアルを行いました。

今回は、リニューアルプロジェクトはもちろん、プロダクト開発時に中心となるHR事業部プロダクトマーケティング部に焦点を当て、同部署の中核である3名の対談をお届けします。

※求人サイトフルリニューアルのプレスリリースはこちら


登場人物

出戸:プロダクトマーケティング部 シニアマネージャー

   兼 エンジニアリンググループ マネージャー(2022年6月入社)

インターネット広告代理店のマーケティングからキャリアをスタートさせ、エンジニアとしてはデザインからインフラまで幅広い業務を経験。クックビズでは戦略策定の上流から、UX企画・デザイン・開発実装・データマネジメントといった下流まで幅広く組織を統括。

上岡:データマネジメントグループ マネージャー(2021年5月入社)

人材サービスの営業兼コーディネーターとしてキャリアをスタートし、2社目でSQL※1 や Python※2、統計の知識を独学で得てデータ分析組織の立ち上げを経験。3社目ではデータ分析コンサルタントとして製造業界への分析支援に従事。クックビズにはBIエンジニア※3 として入社し、肥大していた分析基盤のリニューアルを実行する中でデータマネジメントの世界へ。

西川:エンジニアリンググループ エンジニアリング(2014年4月入社)

エンジニア一筋のキャリアで、クックビズ10年選手。エンジニアになった経緯は、自作ホームページの流行り真っ只中だった当時、独学であれこれ制作し、自力で実現したい挙動を再現できた時の達成感がきっかけ。クックビズへは当時の社員から声がかかり、気が付いたら会社見学してあれよあれよという間に入社、現在に至る。恥ずかしがり屋なため、今回のWantedlyでは顔出し無しです。悪しからず。


※1 SQLとは、リレーショナルデータベース(RDB)を扱うための言語のことで、データベース言語と呼ばれる。 データベースとは、顧客情報や商品情報などのデータをデータモデル(データを分類・整理するための方式)ごとにコンピューターの中に電子的に格納したもの。

※2 Pythonとは、オープンソースのプログラミング言語のこと。シンプルで読みやすい構文をもち、数値計算からWebアプリ開発、AI開発など幅広い用途で利用できることが特徴。

初心者から専門家まで幅広い層に人気がある。

※3 BIソリューションの開発・設計・操作、及び社内データ収集や分析を通じて、企業のBI※4を効率的に実施するために活動するエンジニアのこと。

※4 BIとは、Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略で、企業の各部署がそれぞれに蓄積している膨大なデータを、収集・蓄積・分析・加工し、経営戦略のための意志決定を支援すること。


クックビズの開発体制について

小西:クックビズのプロダクトマーケティング部は3つのグループから成り立っていますが、それぞれのグループが何をしているのか、お恥ずかしながらいまいちピンときていません…。まずはその辺りのお話からぜひ伺いたいです!

出戸:イメージしやすいようスーパーマーケットに例えるとすると、デジタルマーケティンググループが「スーパーマーケットに集客するためにはどうすれば良いか?」を考え、データマネジメントグループが「来店したお客様の流入経路や滞在時間、購入品は何か?」等というデータを集計し分析する。そしてエンジニアグループが「じゃあ店内の配置はこうするね!」と売り場づくりを行うといったような構図でしょうか。

西川:エンジニアグループの中では、出戸さんが売場配置を考え、私は実際に売場づくりを担う立ち位置です。

上岡:スーパーマーケットの大半が野菜売り場から始まっているように、目的に適した導線があります。店内を全部回ってより有意義な買い物をしてもらえるような売場配置や導線づくりを行うためには、データの集計や分析、管理をしなければ分からないですよね。

小西:それぞれのグループが連動することによって顧客体験をつくることができるんですね。ところで、プログラミング言語は数百種類以上存在すると思うのですが、クックビズの技術環境を教えていただきたいです!

出戸:こちらです!以前はPHP※5 などの言語を使用していましたが、フロントエンドの言語を中心に開発アーキテクチャの刷新を図りました。

小西:初心者的質問で恐縮なのですが、プログラミング言語の変更はどういった意図でしょうか?

出戸:開発的な側面で言うと、PHPは大きな規模のデータをさばくことにあまり適していなかったため、その部分をカバーしつつ、パフォーマンスやセキュリティ的にもより最適なものにしたいという意図がありました。古いエンジンから新しいエンジンに乗せ換えたようなイメージですね。

また、言語には流行り廃りがあり、市場が年々変わっていきます。市場によってエンジニアの数やその年齢層も変わってくるので、流行りの言語を使用することにより、自ずとエンジニアの採用もしやすくなります。

西川:「言語」なので、日本語や英語、中国語のようにそれぞれ文法や単語が違い、派生した方言のような立ち位置の言語もあります。言語ごとに何をするのが得意なのかという特性もあるため、そういった背景を加味して使用する言語を決定します。

小西:使ったことがない言語を使うとなると、新たに習得しなければならないということでしょうか?

出戸:そうです。エンジニアは数字が成果というより、何ができるか、どのようなことができるスキルを持っているかが全てなので、できることを増やさなければいけません。日々インプットし成長していくことが仕事ですね。

小西:脱帽します。


※5 正式名称は、PHP: Hypertext Preprocessor。Webサイトやアプリを開発する上で欠かせないプログラミング言語の内の一つ。動的なコンテンツの作成に向いているプログラミング言語。

仕事のやりがい、開発組織の人材特性は?

出戸:開発をしていると、一つ直そうと思うと全部直さなければいけないという状況が発生することが間々あります。外側から一見するとシンプルに見えるものでも、基礎から直す必要が出てきたりするので、そういった状況を楽しめる人でないと開発は務まらないと感じます。

上岡:しなければいけないことが100個あると思っていたけど、掘っていくと更に100個出てくるということもあるので、そういう状況を面白いと思える人たちの集まりが開発かもしれませんね。

西川:時には触らなくても良い部分を「ここ怪しくない?」と触って、崩れたりすると、「やっぱり崩れたか~、じゃあこうしてみようかな」とトライアンドエラーで楽しめる感覚をみんな持っているのではないかと思います。


求人サイト・スカウトサービスのリニューアルについて

小西:今回のリニューアルプロジェクトですが、具体的にはいつから動き始めたのでしょうか?

西川:本格的に始まったのはリブランディング※6 の数か月後で、2022年の12月頃からでした。それ以前もシステムの重さやUI、データベースの課題があり、議題には何度か上がっていたのですが、様々な要因がありプロジェクトとしては動き出していませんでした。

小西:実際にプロジェクトが動き出してから、一番大変だったのはどういった部分でしょうか?

出戸:一言でいうと、納期です。

上岡:基本的にシステムのリニューアルは数年かけてするのが一般的で、WEBサービスを提供している他社事例で言うと、4年半運営していたシステムをリニューアルするために約8年かけたという事例もあります。

西川:しかし今回のクックビズのリニューアルについては、使用中ツールのサービス終了時期が決まっていたため納期は絶対。そして一定の品質は保たなければならない。各々にもちろん通常業務があり、プロジェクト始動から約1年半は根を詰めて仕事をしていました。

小西:本当にお疲れさまです。当初のリリース予定からスケジュールの引き直しがあったと思いますが、これはどういった背景があったのでしょうか?

出戸:スケジュールを引き直した大きな要因は、開発工数が莫大で依存関係の整理が困難を極めた点に尽きると思います。

上岡:効率よく進めるためには、タスクの依存関係を整理し優先順位をつけて取り組むべきですが、平行して取り組まなければならないことが100個レベルで存在していたため、整理自体が困難でした。

出戸:加えて人員が限られていたこともあり、私が企画や進行管理をしながら手を動かしていました。それに伴って、バッファを持たせたリスクヘッジが上手くできない状況も発生…。

中盤からは、プロジェクトマネージャーとして私が良く知る方に業務委託で入っていただき、社内ではHR事業企画部のシニアマネージャーがスケジュール整備等をしてくださったので、適正なスケジュールに引き直しができました。

上岡:シニアマネージャーの「やらない」という切り捨ては本当に助かりましたよね。あれもこれも、となると納期が守れなくなるため、どこまでできるかというジャッジメントは大切です。

出戸:また、営業側の要望や要件をソリューション営業部のシニアマネージャーが整理し、要らないものは要らないと判断してくださったのも有難かったですね。

小西:納期という制約がある中で、どういった部分に一番こだわりを持ってこのプロジェクトを進められましたか?

出戸:Core Web Vitals※7 をかなり重要視しました!どれだけデザイン性等に優れているサイトを作り上げたとしても、サイト読み込み時にレスポンスの遅さやがたつきがあるとSEO※8 のスコアに影響を及ぼし、検索した時に上位表示されません。

リニューアル前はサイト読み込みに10秒以上かかっていましたが、現在はかなり改善し、競合他社と同等レベル以上にしました。PageSpeed Insights※9 でぜひ確認していただきたいです。

西川:それはそうと、2024年の1月時点でタスク数が30個程度になりましたが、その30個がなかなか減らなかったですね。

出戸・上岡:減らなかったねえ~!苦笑

西川:追加の変更依頼や要望を加味すると、どうしてもタスク自体が増えるという現象が起こり、それに加えてタスク1つ1つを大きく括りすぎたことも大きかったと思います。

出戸:今回は役者が揃っていたから無事乗り越えることができたと感じています。クックビズの歴史を知る西川さん、データを綺麗にできる上岡さん、責任者として体制を整備してくれたHP事業企画部とソリューション営業部のそれぞれのシニアマネージャー。部署間の協力があったので助かりました。

小西:あと、プロダクトマーケティング部のシニアマネージャーとして、マーケティング、データマネジメント、デザインを見ることができる出戸さんがいて、人材が揃っていたからですね!


※6 2022年8月に新コーポレートアイデンティティを制定し、コーポレートカラーやロゴの刷新を行った。当時のプレスリリースはこちら

※7 Core Web Vitalsとは、Googleが設定しているサイトの健全性を示す重要指標の中心要素のこと。ページの読み込みパフォーマンスやインタラクティブ性、視覚的安定性に関する指標で、Core Web Vitalsを突き詰めることによりユーザー体験が改善され、結果として該当ページを検索上位に表示させることができる。

※8 SEO(Search Engine Optimization)とは、Webサイトの内容をGoogle等の検索エンジンに理解しやすいように最適化し検索結果に表示させることで、自分が伝えたい情報をユーザーにきちんと届けられるようにすること。

※9 PageSpeed Insightsとは、Googleが無料で提供しているWebサイトの表示速度を測定・評価する分析ツールのこと。


小西:カットオーバーまでの限られた時間の中でテストもしなければならないのは、大変ではありませんでしたか?

西川:あらゆるバグや可能性をつぶすテストを全て実施するとなると1年程度はかかるため、本当に重要な部分のテストに注力してサービスインしました。

出戸:テストの項目について一度計算してみたのですが、パターンが1100億通り程度あったため、1項目のテストを15分で実施できたとしても…気が遠くなりそうです。

上岡:納期が決められていたため実施テストの範囲を止む無く狭めることとなり、サービスイン後に対処が必要な部分が出てくることもありますが、営業の方たちやクライアントの理解と協力に助けられています。現在も日々トライアンドエラーの繰り返しです。

小西:17年かけて増築しハウルの城のようになっていた建物を、走らせながら直し、引っ越しもするというような状況だったということですね。


今後活躍できる開発人材について

小西:今後、どういった人が開発分野で活躍していくと思いますか?

西川:やはりエンジニアたるもの、自主的に情報や知識をインプットして進化していくという姿勢は絶対に必要ですね。

出戸:生成AIの登場に伴って、エンジニアにも企画力が必要になってきていると感じています。要件定義※10 が完了したものを実装するというだけではAIに取って代わられる可能性があるため、要件定義や企画の能力がなければ中長期的には生き残っていけないかもしれませんね。

上岡:クックビズは今回のリニューアルプロジェクトで流行りのプログラミング言語を取り入れ、システムが綺麗に整備されました。なので、インプットができる環境はもちろん整っていますし、まだまだ成長段階のフェーズにある企業のため能動的な企画力も必要です。

小西:つまり、クックビズではエンジニアとしての自分の市場価値を上げることができる環境が用意されているということですね!(前のめり)

長丁場の対談、ありがとうございました!


※10 要件定義とは、ユーザーや発注者の要望をヒアリングし、その要望を実現するために具体的にどのような方向性・手順でシステムを構築していくべきか、誰が見ても理解できるように文書化する作業のこと。



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