ContractSを代表する社員が、半生を語るコラム『ContractS わたしの履歴書』。登場する社員は、セールス・エンジニア・デザイナー・バックオフィス等の多岐にわたります。それぞれの分野で後世に残る仕事を成し遂げようと日々奮闘するContractS社員。彼ら彼女らが自らの言葉で語る努力や想い。読めばきっとあなたに役立つ何かが得られるはずです。
■安養寺 鉄彦(あんようじ てつひこ)
職種:執行役員COO (Chief Operating Officer)
趣味:本屋巡り
「数学」に夢中になる日々。好奇心を満たすべく、本を読み漁った子供時代。
幼少期から好奇心が強く、物事に凝り始めたら止まらないタイプでした。一番最初にハマったのは数学です。まだ勉強と遊びの区別もつかない幼少期から遊び感覚で問題を解いていました。数学に夢中になることを通して、新しい問題に挑戦したり、複雑な問題を解決した時の喜びを知りました。
中高時代はスポーツに手を出しつつ、物理や化学、古代遺跡にハマったりと、好奇心の赴くままに過ごしました。本は青天井で買ってよし、という両親の考えのもと、興味を持った分野は片っ端から手を出しました。世の中に面白いことがたくさんありすぎるので、何歳まで生きれば満足できるのだろうと不安にもなりました(笑)
大学時代は、理系に偏った視野を矯正すべく、大好きな数学や物理の道ではなく、あえて経済学部を選びました。そこで出会った友達には、自分とは毛色の違う、頭の回転が速く、コミュニケーション能力が高い人が多く、「大企業でこいつらと戦っても活躍できるイメージを持てない。早く経験を積める場に身を置きたいな」と思い、売り手市場の中、天邪鬼にスタートアップへの就職を決めました。今振り返るとリスキーな選択ではありましたが、向こう見ずだけど強運でカバーできている、というのは私の強みだと思います(笑)
社会人3年目でリーマンショックに直面。明日何が起こるか分からない環境下で「会社=自分」という当事者意識が芽生えた
1社目、不動産のスタートアップ企業では、主に財務を担当しました。社長の懐が深く、若くても何でもやらせてくれる会社で、事業計画の作成、借入から上場準備まで、大好きな数字を使う業務を中心に、順調に経験を積んでいきました。
が、順風満帆かに思われた3年目に転機が訪れました。リーマンショックです。業界内でも次々と競合企業が倒産していき、どんなに優秀な会社でも倒産の可能性がある、恐ろしい状況でした。万一、主要取引先が倒産すれば、その影響で雪崩のように財務状況が一気に悪化する可能性もあり、日々刻々と変化する状況で、金融機関や利害関係者との調整、資金シミュレーションに明け暮れました。私のミス一つで会社に大きな損失を与えてしまうかもしれない。そんな怖さを抱えつつ、血眼になってExcelとにらみ合う日々。数字の扱い方を強制的に学ばされる、いい成長の場でもありました。
今振り返ってみると、このときに「会社=自分」という当事者意識が生まれたように思えます。自分が手を抜けばリスクが増えるし、自分がいい仕事をすれば、お金が滑らかに回り、会社全体が事業に集中できる。貢献を実感できる最高の場でした。
また、人にも恵まれました。このような状況下でも、上司は決して私を甘やかしませんでした。私を信じ、私を思い、どんな環境下においても、成長のためのフィードバックをし続けてくれました。もちろん辛いと思うこともなかったわけではありませんが、時にはフォローもしてくれ、今でも理想の上司の1人です。「どんなときでも仲間を信じる」。私のマネージメントスタイルはここが原点です。
成長産業で活躍したいという想いからポケラボへ転職。コーポレートと事業両面で急成長フェーズを経験
入社7年目、リーマンショックの影響がひと段落したタイミングで、次なる成長機会を求めて転職を考えるようになります。「IT×成長産業」という軸で転職活動をしていた私が2社目のキャリアとして選んだのが、ポケラボというモバイルゲームのスタートアップでした。1社目の経験を評価してもらい、経営管理部長として入社し、人事以外のコーポレート業務すべてを担当しました。この頃、ちょうどポケラボは成長し始めており、1年で100人から250人規模の組織へと急拡大を遂げます。毎週入社があり、PCの発注が追いつかない、気づいたらオフィスの座席が足りなくなりそう、自部門も急ごしらえで組織がガタガタ。大忙しでしたが、終わらせることの不可能な量の業務を捌くことで、意思決定スピードを上げるいい機会となりました。
また、2年目からは経営管理部長に加え、主にプロモーションを指揮するマーケティング部長を兼務したことで、事業側の立場も経験することができました。これを機に、事業計画を作る際などに、ただの数字遊びではなく、手触り感のある数字を扱えるようになったように思えます。コーポレートの立場から、見栄えだけいい計画をどれだけ作っても、数字を達成することの大変さは、現場に立ってみないと実感できない。実際に事業に関わり、数字をつくる側も経験したからこそ、数字を扱う際にに魂を込められるようになれたと思います。また、プロモーションという”お金を使う”側と経営管理という”お金を止める”側、利益相反を抱えた兼任は迷いの連続でしたが、「何が”会社”として正しいか」という全体最適の意識を高めるいい場でもありました。
M&Aでグリーグループへ。グリーに異動し、財務、M&A、アライアンス業務を経験。ゼネラリストからスペシャリストへ
ポケラボがM&Aによりグリーグループに入ったことをきっかけに、グリーの財務戦略部に異動しました。マネージャーとして、財務、投資、IR領域を担当しました。それまでの私はコーポレート全般をカバーするゼネラリスト。グリーでは初めてスペシャリストに挑戦しました。マネジメント業務に追われたポケラボ時代とは違う、限られた領域を徹底的に突き詰める面白さを知りました。そして、数字の怖さも知りました。ポケラボでは判断を誤っても、数百万円の損失。グリーでは扱いを間違えると数億、数十億円の損失が生じます。数字のプロに囲まれ、数字を扱うことの難しさ、責任の重さを叩き込まれました。
特に印象的なのはM&A。ポケラボでは買われる側を経験しましたが、グリーでは買う側を経験。財務に留まらず、事業、人事、法務、税務、市場環境等、複雑多岐にわたる論点を整理し、自分たちにとって最適な買収条件を導き出していく。そして、それを相手先と交渉してディールを成立させる。守備範囲の広さを強みにしている私にとって集大成のような業務でした。例えば、事業と法務では大事にしたいポイントが異なり、時には意見が食い違うこともあります。全体最適が何なのかを見定めて、粘り強く関係者と議論をし、ゴールへと導いていく。対象会社の事業やメンバーが素晴らしかったこともあり、面倒で複雑な課題に直面しても、実現したいという思いが勝り、ゴールまで執念深く取り組むことができましたね。
私の価値観にぴったりな、ContractSとの偶然の出会い。あっという間に魅了された
私はこれまで、「大義のある会社」を軸に、不動産スタートアップ、モバイルゲームのポケラボ、グリーで働いてきました。もし今度挑戦するのであれば「自分の取り組みたい社会課題により近い大義」を持つ会社で働きたいなと朧げながら考えていました。具体的には「コミュニケーション効率の向上」「専門性の共有」を通じて「日本の生産性に貢献する」こと。そんなことを考えているときに、転職意向はなかったのですが、偶然ContractSと出会い、心が揺れ動きました。グリーでまだまだやりたいことがあるし、大好きな仲間もいる。勘弁してくれというのが率直な気持ちでした(笑)
ContractSの契約マネジメントシステム「ContractS CLM」は、契約プロセスの構築と契約の一元管理を実現するサービスです。私自身、このサービスには、契約に関わるすべての人の「コミュニケーション効率を上げ」、契約に関わる様々な「専門性を共有」できる部分に強く価値を感じています。今まで100社以上のスタートアップと関わってきましたが、自分の取り組みたい社会課題にここまでぴったりなサービスと出会ったのは初めてでした。そして、これまで誰も手をつけてこなかったアナログで未開拓な領域であり、”日本でトップになれる大きな可能性”を持っていることにも魅力を感じました。
最後の決め手は、CEO笹原の存在でした。気の遠くなるぐらい先の未来を、純粋に熱く語り続ける姿に強く魅かれました。そしていい意味でぶっ飛んでいました(笑)。このボスと一緒であれば、面白いことが起きるかもしれない。そんなことを考え、ContractSにジョインすることを決めました。
「世の中から、紛争裁判をなくす。」志にまっすぐなことをやりたい。
ContractSでは、経営企画等を経て、2021年1月よりCOO(Chief Operations Officer)として事業全体を見ています。新しい市場であり、試行錯誤の繰り返し。みんなの動きやすい環境を整えるとともに、次の仕掛けを常に用意して、事業や市場の成長を叶えるべく、日々奮闘しています。まだまだ自分自身も手を動かして、幅広く泥臭く動くCOO(Chief “Others” Officer、いわゆる”何でも屋”)でもあります。
ContractSはまだまだこれからの会社ですが、スモールビジネスだけでなくエンタープライズにも挑戦する日本では稀有で大胆なスタートアップです。そして、CLM市場はグローバルでも2桁成長を続ける、ポテンシャルの高い市場です。少しでも多くの方々が、志に共感してくださり、この魅力的な市場で共に大胆なチャレンジをしていけたら嬉しいです。