こんにちは、ソウルウェア採用担当です!前編に引き続き、弊社の代表取締役である吉田超夫(よしだ のりお)のインタビューをお届けします。この後編では創業時から現在、そして未来への展望について語ってもらいました。ぜひ最後までご覧ください!
創業から自社製品開発への道
―― 2012年、ソウルウェア創業時のお話を聞かせてください。
自社パッケージの開発をしたいと考えていたので安定した資金源を確保することが最初の課題ではありましたが、前職の同僚がいくつも仕事を紹介してくれたり、「立ち上げたばかりで厳しいでしょう」と先払いしてくれるクライアントに出会えたりと、周りの人に恵まれてスタートすることができました。なので、一般的に苦労するキャッシュの確保という面ではスムーズにいったと思います。この時、「PC一台あればなんでもできる」という自負はあったのですが、『なんでも屋』では逆に仕事を任せにくいのではないかと考え『EC屋』と名乗り、EC開発をメインにしていました。そして一番苦労したのは仕事量の調整ですね。この仕事を断ったら次の仕事が来なくなるんじゃないかと断ることが怖かったですし、全て引き受けていたら家に帰れず会社に泊まるような社員が出てきたので、「あれ?思っていたのと違う」という気持ちを抱えていました。実は預金が数百円になったことがあるのですが、それも仕事量の調整の失敗から起こりました。大きな仕事は納品まで時間が掛かるので、当然お金が入ってくるまでにも時間が掛かる。その結果、キャッシュが尽きそうになったという状態です。ですが、そんな厳しい中でも設立から2年くらいのタイミングで案件に少し谷間ができ、資金にも余裕がでてきました。その時に「じゃあ自分たちの製品をつくろう」となったんです。自社パッケージをつくるという夢を実現できた時、またその製品が売れ始めた時には本当に嬉しかったです。さらに言うと、販売から1、2年経ってそれが安定的な収入になってくると考え方や働き方が変わっていったのを今でもはっきりと覚えています。
―― リリースした製品とその変化について、ぜひ詳細を聞かせてください!
現在も提供しているキンコンと、今提供しているレポトンとは別のRepotoneという2製品をほぼ同時にリリースしました。キンコンは伸びはゆっくりですが、ゆっくりと確実に売れていきました。もう一方のRepotoneは今のレポトンとは違い、ソウルウェアのエンジニアが帳票を設計し、実装するものでした。お客様が設定を行う必要がない一方で設定を変更することもできないのですが、他社の製品では出力できないような複雑な帳票出力を可能にすることを売りにしていました。そうすると、お客さんからいただく要望も当然複雑でしたし、デモを見たいと言われてもデモをするための開発をしないといけなかった。発注前から開発するというのはなかなか大変で、その辺りが難しくてあまり売れませんでした。その後従業員のアイディアを元に、これまでとは全く逆の発想で『お客様自身が簡単に設定できるような製品』をめざしてレポトンを開発しました。するとリリース初月に売上を記録し、安定した売上を維持し続ける製品となりました。製品が軌道に乗りはじめたことでキャッシュが手元に残るようになり、まず従業員の給料の心配がなくなりました。そして金銭面と時間面に余裕ができたことで、これから何かに投資していくのか、従業員に利益を分配するのか、など色々な選択肢がうまれました。選択肢を持てるという『自由』は今で言う『余白』みたいなものだと気づき、一番大きい変化だと感じました。
―― 現在に至るまでレポトンが驚異的な成長を維持している、その理由は何だと思いますか?
レポトンの成功には2つの大きな要因があると思います。1つはサイボウズのkintoneユーザー層へのマッチです。kintoneはローコードやノーコードという言い方をしていますが、システム構築をするにあたって専門のエンジニアを必要としないというのが最大の特徴になっています。そしてkintoneのプラグインであるレポトンは『誰でも簡単に帳票の設定と出力ができる』という機能を提供しているので、そこがマッチしたんだと思っています。もう1つは、サイボウズのパートナーとして、サイボウズの営業の方の中にたくさんのファンをつくれたことだと思っています。機能面でもそうですが、製品を使うための説明があまりいらない、手離れがいい、というところでレポトンという製品を喜んでもらえたんだと思います。
VMS理念とソウルウェア
―― 今のソウルウェアについて聞かせてください。組織が直面している課題はありますか?
レポトンを市場に投入してから順調に売上が伸びているので財務や経営面で大きな課題というのはないですね。ただ組織を拡大していく中で、『ビジネスが好調』という状態と『従業員自身の業務』がリンクしていないんじゃないかなと感じています。自分がやっている業務が事業にどの程度貢献しているのか、従業員が感じづらい状況になっているんじゃないかな、ということです。例えばインセンティブ制度といったものも貢献度や働きがいを感じる一つの方法ではありますが、それは私が考える幸せな働き方とはちょっと違うんです。そこで一案ではありますが、レポトンは月額15,000円。この数字のインパクトはすごく小さいのですが、LTVという指標でみると平均2,700,000円ほどあります。それだけ継続して使ってもらえているということをみんなに伝えていけると、面白さを感じてもらえるのかなと思っています。あとは『余白のある働き方』。働きがいはもちろん、ソウルウェアにきて働き方がどう変わったのか、自分や社会がどのくらい幸せになれたのか、といったところに目を向けてもらえると少し実感を持ってもらえるんじゃないかなと考えています。
―― VMSのV(ビジョン)である『余白のある働き方を広げる』ですね。
※弊社ではMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を独自にVMS(ビジョン、ミッション、ソウルズ)と呼んでいます。
そうです。VMSはどれも大事ですが、やっぱり『余白のある働き方を広げる』が一番重要なワードだと思っています。先ほど話した通り、ソウルウェアを立ち上げて全然余裕がない、余白がない、という状態から自分たちが選択肢を持てたというのが本当に良い体験だったと思っているので、その『選択肢がある状態』をみんなにも実感してほしいと思っています。特に人生において困難に直面した時、選択肢がないことほど辛いことはないと思うので、選択肢を普段から持っている状態を維持してもらいたい。従業員のみんなにも、社会の人たちにも一番伝えたいメッセージです。
―― ソウルウェアの社内文化や価値観などについて感じていることはありますか?
カルチャーは今まさに作っていこうというタイミングなのでみんなの中に必ずこれが存在します、というものがあるわけではないのですが、私がこうあってほしいなと思うのは『他人の価値観を否定せず、自分の価値観も否定されない』ということですね。みんなが近い価値観を持っている、同質性の高い会社はコミュニケーションがスムーズに進んでいくんだろうなと思うんです。ちょっと言葉足らずでも分かってもらえるし、伝わる。でも私はもっといろんな人やいろんな価値観を持っている人と一緒にいたいなと思っています。同質性の高い組織とは逆に多様性の高い組織では、それぞれの考え方の背景を伝えないとコミュニケーションが成立しにくいのでコストはかかります。しかし、それは受け入れるべきコストだと考えています。いま実際にいろんな価値観を持った人が社内にいるという状態になっているので、『自分の価値観は自分の価値観』、『他人に評価してもらう必要はなく、それで認め合えている状態』を作りたいですね。
そしてもう一点、ソウルウェアはやっぱりテクノロジーの会社です。テクノロジーは古くなるとテクノロジーとしての本質が失われていくので、新しさが一番の価値です。テクノロジーをテクノロジーと感じ続けるためには使い続ける、試し続ける、という姿勢が重要じゃないかなと考えています。なので自分たちが知らなかった可能性をもたらしてくれる新しいものや変化に対する恐れといったものは持たないでほしい。「これを言ったら怒られるんじゃないか」「この提案をしてもダメかもしれない」といった考え方は不要で、やってみないと分からないじゃんって思っています。自分もそうでありたいし、ソウルウェアで働いている人もそうであってほしいですね。
生成系AIの存在と『幸せ』の追求
―― 今の市場動向について、気になっていることはありますか?
ずばり生成系AIの存在ですね。今の世界がガラッと変わるほどインパクトのあるものなので、「じゃあ我々には何ができるのか」ということを今真面目に考えておかないと、気がついたら終わっていましたということになりかねないと思っています。例えばインターネットが世の中に出た時、情報の流通が変わりました。離れたところにいても情報が手にしやすくなったり、個人で情報を発信できるようになったというのが一番の大きな変化でした。ですがそれは情報量やスピードやその方向が変わっただけで、世の中に元々あった情報ではある。それが生成系AIについては、情報があるとかないとかを飛び越えて人間の代わりをほぼやってくれるようになる。マシンが人間を超えた瞬間、そこから先はもう後戻りできず、クリエイティブな仕事も含めて生産性では太刀打ちできなくなっていくと思います。生産性で勝てなくなった時にAIと競っても仕方がないので、生産性を競うという考え方自体がもう成り立たない。じゃあ何を価値として提供できるのか?というのを考えていかなくてはいけないと思っています。
―― そんな市場の中での、ソウルウェアの今後の展望について聞かせてください。
まず去年の夏頃から取り組んでいるのは、レポトンにAIを利用した機能を実装しようというものです。従来の『kintoneのアプリを作って、そこに帳票を作っていく』というものが、『帳票さえあればkintoneのアプリ(内のフィールド)が自動で作られる』と全く逆のアプローチになるので、kintoneのビジネスの中ではパラダイム転換を行える製品になると思っています。それからまだ詳細はお伝えできないのですが、次にユーザ企業の業務インフラとなるような製品を開発したいと考えています。いろんなクラウドを使って仕事をしていく中ではどうしても情報が分散してしまい、わかりやすい場所にわかりやすい情報があるという状態ではなくなってきていると感じているので、それを解決するような製品です。そしてこれを提供できれば、会社としても次のステップに進めるのではないかなと考えています。
―― 最後に従業員へのメッセージと、ソウルウェアに興味を持っていただいている候補者の方に向けたメッセージをいただいてもいいですか?
これまでは生産性を競うことで他社との違いを明確にできた社会でしたが、生成系AIの存在によってそれが難しくなっていくので、「じゃあ自分って何?」ということを真面目に考えていかないといけないと思っています。誰かが褒めてくれるから、誰かに嫌われるから、ではなく『自分が本来持っている価値観』をちゃんと言葉にしていくということが必要になる。だから自分が思っていることをちゃんと言葉にするという練習を一緒にしていきましょう、と今の従業員には伝えたいですね。
候補者の方に対しては、ここまで読んでもらっても私の話がしっくりこない人も多いと思うんです。『幸せ』とか『余白』とか抽象的な言葉ですし、捉え方によっては宗教的に聞こえてしまうかもしれない。綺麗事だけ言ってて実態は違うでしょ?と取られるような気もしています。(笑)でも私は決して綺麗ごとで言ってるわけではないんです。本当にそういうものを提供したいし、それを享受できるような組織や社会にしていきたいという想いでやっています。ですから、そこに共感してもらえる方と一緒に働きたいですね。それから、人生や仕事の選択肢を持っている人がこういったページを見てくれていると思うのですが、転職した瞬間にまた次に行く選択肢を捨てる必要はないとも思います。もちろん一緒に長く働きたいと思っていますが、合わないと思った時に無理やり働く必要はないし、何か違うなと思ったらまた新しい価値観に従って動いたら良い。ただ、ソウルウェアにいる間にお互いができるだけいい経験を積めるように、一緒に頑張っていきたいと思っています。
代表・吉田のインタビューはいかがでしたでしょうか?
ソウルウェアは個人の多様性を受け止め、一人ひとりが自己実現できる職場を目指しています。また『余白のある働き方』を推進し、事業を拡大するだけでなく社会的な価値を生み出すことを目標としています。弊社の製品やビジョンに興味を持ってくださった方はぜひお気軽にご応募ください!