はじめに
こんにちは!Shippioプロダクトマネージャーの立石です。
わたしたちShippioが課題解決に挑んでいる貿易業界は、顧客やステークホルダーの業務が多岐にわたっており、それぞれの業務を理解するために必要な専門知識・用語が大量に存在します。
そんな貿易業界ですが、Shippioではドメインエキスパートではないメンバーがすぐにキャッチアップして現場で活躍することができています。
今回の記事では、非ドメインエキスパートのShippio社員がどうやってドメイン知識をインプットしているかについて、私の体験談を交えてお話しします!
ドメインキャッチアップの重要性
はじめに、プロダクト開発においてなぜドメイン知識のキャッチアップが重要なのかを立石なりに考えてみた図がこちらです。
プロダクト開発において重要なのは、真ん中の直接開発に必要となる業務知識であることは明白です。しかし、一足飛びに業務知識をインプットすればいいかというと、そうではないのが難しいところ。
その業務知識の土台となる業界全体の基本構造や全体感を理解していなければ、歯抜けの知識でプロダクト開発することになり、後々仕様の検討漏れなどを引き起こしてしまうリスクを孕んでいます。
この業務知識の土台となる基礎部分の知識をいかに早くキャッチアップするかが、いち早く組織で活躍するために重要な要素であることは間違いありません。
ドメイン知識の土台を作る(座学編)📕✍️
先ほど述べたように、業務知識を体得するためにはその土台となる業界の枠組みや基礎的な知識を身につける必要があります。
私自身、入社までにちょろちょろと本やネットの情報から学んではいましたが、Shippioに入ってみてその学習が全くもって体系的ではなかったと実感しました。それくらい社内にナレッジが溜まっています。
ここから、いくつかの「ドメイン知識の土台を作る」上で役に立ったShippioのコンテンツを紹介します。
概念図(Service Blueprint)
プロダクト職や開発職向けに、貿易業界におけるステークホルダーや業務フロー、貿易書類の概要をまとめた概念図があり、これを読めば業界の全体像を掴むことができます。
例えばShippioが所属する貿易業界に関連する以下のコンテンツが紹介されています。
・輸出入に関わるステークホルダー
・輸出入のバリューチェーンと業務フロー図(概略)
・貿易業務に必要となる書類の種類と用途
・貿易条件の種類(インコタームズ)
・基本的な用語集
ここまでまとまっているのか!と驚いた記憶があります。
基礎業務のスライドが充実している
全体像とは別に、さらにカテゴリー別に掘り下げた資料もあります。
例えば我々Shippioのサービスも該当する「フォワーディング業とは何か」を解説している資料や、貿易業界における見積業務についてなど、実際にプロダクト開発する際に必要となる知識や前提がキャッチアップできるようになっています。
また、貿易業界における見積業務についても社内のwikiにまとめられており、基本的な業務内容を理解することができます。「見積」と聞くと、聴き慣れた単語なだけに理解するのが後回しになってしまいがちですが、このような資料があることですぐに概観や一般的な見積業務との違いを理解できるので面白く、非常に助かっています。
物流偏差値向上委員会
また、社内では不定期で、ドメインエキスパートによる「物流偏差値向上委員会」が開催されています。職種や雇用形態にかかわらず、任意で誰もが参加可能な勉強会です。
この勉強会では、「業務上必須ではないが、貿易業界ってこんなに奥深いのか!」と思うようなニッチな話を聞くことができます。
社内の様々なドメインエキスパートからその人しか知らないような専門性の高い知識を学ぶことができることはとても面白いです。
そして素敵なのが、勉強会の企画はドメインエキスパート達が自主的に開催しており、日頃の業務の中でインプットしたほうがいいと思ったテーマを適宜解説してくれることです。(ありがたい)
ちなみに、前回のテーマは「ドレージとトラックの車種を網羅する会」でした(ニッチ!笑)
ドメイン知識の土台を作る(現場編)👷🔧
前章では、貿易業界の概観を把握しつつ各テーマごとの資料やニッチな勉強会で知識の土台を身につけるための取り組みを紹介しました。
知識の土台作りができる環境があるとはいえ、形式的に学習した知識だけでプロダクト開発ができる状態になるかというと、そうとは言い切ることができません。
実際には、現場の様子や利用するユーザーの人となり、日頃我々が提供するサービスの内容や裏のオペレーション業務について理解しないと、ユーザーペインを捉えることや影響範囲を正しく理解すること、ひいては正しいプロダクト開発をすることができないと思っています。
ここからは、Shippioの現場を感じる/見て学ぶ取り組みについていくつかの事例を紹介します。
顧客との商談動画を浴びるように見ることができる
ドメインの全般的な知識が身についても、実際の顧客のことを理解できなければ正しいプロダクト開発をすることは難しいです。
Shippioに入社していいなと思ったことは、お客さまから了承を得られた商談は録画されてDBになっており、いつ入社したメンバーでも多くの商談に参加するのと同様の顧客知識や自社サービス理解を身につけられる点です。
数えてみたところ、100件以上の商談が動画として社内閲覧可能になっていました!
また、特に良い商談があった際にはSlackで「これ見て!」とSalesメンバーが取り立てて共有してくれることがあります。そんなカルチャーも、チームワークを感じられてスキだったりします。
プロダクト開発メンバーもどんどん現場に行く
商談の動画を見るだけでなく、Shippioではプロダクト開発メンバーであっても実際に商談に参加することが多いです。
前職でもヒアリングのために機会があれば商談に参加していましたが、Shippioはタイミングが合えばどんどん参加して良いカルチャーです。私自身も、なんと入社初日にオンボーディングを抜け出して往訪に!自分のマネージャーに会う前にパートナーと打ち合わせをしていました笑
私の場合は2週間で15件の打ち合わせに参加することができ、あまりの量に思わずtweetをしたくらいです。
港湾見学で質問攻め
Shippioでは、実際の国際物流の流れを肌で感じるために、新しく入社したメンバーを中心に輸出入の玄関口である港湾の見学を実施しています。
文字面では理解していたつもりだった「コンテナを運ぶこと」や、「海外から日本に貨物が着く」ということが何なのかを深く理解でき、物流に対する解像度がグッと上がった実感がありました。(写真はありませんが、プロダクトメンバーはアテンドしていただいた港湾管理の方に延々質問をしてしまい、「こんなに質問攻めにあった見学は初めてです」と言われてしまいました。)
社内フォワーディングサービスのシャドーイング
Shippioは、プロダクトとオペレーションをワンストップで開発・提供しています。そのため、プロダクトチームはWebサービスだけでなく社内のオペレーションも深く理解しておく必要があり、キャッチアップが非常に重要です。
そのため、新しく入社したメンバーがオペレーション業務を担当しているメンバーに付き添って業務を見学する「シャドーイングDay」が設けられています。わからないことがあればオペレーションメンバーにすぐに質問して理解を深めることができます。
おまけ:ドメイン知識の土台を作る(仲間編)🙋♂️🙋♂️
ここまで紹介した通り、座学や現場でのドメイン知識のインプットがたくさんできるShippioですが、一番の宝はさまざまな業界からジョインしてくれているドメインエキスパートの面々です。同僚のプロダクトマネージャー柳沼が「ドメインエキスパート×プロダクトマネージャー対談企画! Shippioのプロダクト開発が最高に面白い理由」という記事で書いていた言葉が、私の思いそのものだったので引用させてもらいます。
オペレーションメンバーもセールスメンバーも業界出身者のプロフェッショナルが多く、私の質問に丁寧に優しく、熱量高く答えてくれます。私は入社後1週間くらいまではずっとドメイン知識にキャッチアップできるのか不安でした。しかし、みんなが「いつでも聞いてね」と言ってくれましたし、何度も質問をしても毎回丁寧に答えてくれたおかげで不安は徐々に払拭されていきました。
私自身も、不安な時やわからない時には躊躇せずに社内のメンバーに聞くようにしていますが、皆「話しだしたら止まらない」くらい熱量高く詳細に教えてくれる最高の環境です。
プロダクト開発のメンバーがすぐにキャッチアップして正しくものづくりできているのは、常にドメインエキスパートのメンバーがサポートしてくれる体制があるからだと実感していますし、彼らがここで貢献したいと思えるようなプロダクトを作り続けることで恩返ししたいと考えています!
最後に
ここまで徒然なるままに書いてしまいましたが、別業界からShippioに興味を持ってくださっている方の不安をこの記事で少しでも払拭できればと思っています。
Shippioについて、さらに詳しく話しを聞いてみたい!と思った方はお気軽にご連絡いただけると嬉しいです!テーマを問わず雑談しましょう!