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【インタビュー】Vol.1 ライターズキャリア ~銀行員からライターへ~

ブルートーンのメインライターとして活躍する近藤ゆうこさん。ライターになる以前はどんなお仕事をしていたのか。そもそも、どうしてライターになろうと思ったのか。Vol.1では、これまでのキャリアについてお聞きしました。(文責:編集部)

ー近藤さん、ライターになる前は何をされていたんですか?

近藤:銀行員です。保険の窓口みたいな仕事をやっていました。

―それは新卒で入った会社ですか?

近藤:はい。本当は食品メーカーで商品開発をしたかったのですが、当時の就活では人気が高く、私には無理そう……って。ほかに特にやりたいこともなく、「じゃあ」という感じで、家から通える地元の銀行に。

―そこで何年くらい働いていたんですか?

近藤:6年半くらいです。とにかく仕事を覚えるのに必死で、転職とか考える暇もなかったですね。

はじめはほんの軽い気持ちから

―どうしてライターになろうって思ったんですか?

近藤:コロナが流行りだした頃、ニュースで「副業で稼げる方法」の一つにWebライターという仕事があるのを知って。当時、コロナを受けてリモートワークが増えていたので、はじめは軽い気持ちでした。書くの嫌いじゃないし、絵とか美術センスはないですけど、文章ならもしかしたらいけるかなあと(笑)。 

―近藤さんって、以前から書くのが上手だったんですか?

近藤:いや、そんな全然。でも得意かどうかは別として、苦ではなかったですね。学生の頃も新聞委員会に所属していて、自分で原稿を書くのもそうですし、人の書いた原稿を見るのも楽しかった覚えがあります。

―Webライターという仕事があるのを知って、そこからどういう風に活動をスタートしたのですか?

近藤:最初はちょっとしたブログから書き始めました。続かなかったですけど(笑)。

―ブログ、どうして続かなかったんでしょうか?

近藤:うーん……今考えると、締め切りがないから(笑)? できる人はそれでもちゃんとやって、生計を立てるところまでいけるんでしょうけど、私にはあまり向いてませんでした。であれば、少しでもお金になって、誰かに貢献できる仕事がいいなと思って、まずはクラウドソーシングに登録することにしました。

―クラウドソーシングを使った活動はいかがでしたか?

近藤:クライアントから、こういう記事を書いてくださいという公募があって、それに応募するのですが、ああいうのって選ばれるのは実績が豊富な方ですよね。私の場合、ライターとしては全くの未経験だったので……最初はとにかく競合が少なそうな単価の安いものを探して応募していました。たとえば、歴史上の人物をまとめるとか、ビデオオンデマンドサービスの契約方法についてとか(笑)、色んなものがありましたね。

―上手くいきました?

近藤:いえ。当時はみんなが副業を始めたこともあって、応募が多かったんだと思います。なかなか採用されず。採用されたとしても、単価はせいぜい1文字0.5円とかですし、それで文字量も1記事あたり3,000文字とか4,000文字とかしかないので。

―このままだと厳しいな、と?

近藤:はい。どうにかして、ほかにライターの仕事をやる方法はないかなって色々探しました。そこで知ったのが、クライアントと直接、業務委託契約を結ぶやり方です。これならクラウドソーシングに支払う手数料もかからないなって。チャレンジすることにしました。

―「書かせてください」って営業したわけですね。

近藤:そうです。インターネットで検索して見つけたWebメディアのライター募集に片っ端から応募しました。それまでのクラウドソーシングで仕事をした実績をかき集めて。少ないですけど(笑)。そしたら、グルメやレシピを紹介する、あるWebメディアが取引してくださって、仕事を得ることができました。

―すごい。行動的ですね。経験やスキルに対する不安はありませんでしたか?

近藤:今思えば未熟で、書いたものも全然ダメだったのだと思うのですが、自分ではよくわかってなかったですね。他の人が書いた記事と、自分の記事のクオリティの差もわからなかったですし。考えも甘かったと思います。ダメだったらまた別の仕事探せばいいかみたいな。

なりたい姿が少しずつ見えてくる

―その後、Webライターとして、どうキャリアを積んでいったのですか?

近藤:クラウドソーシングや業務委託などで細々とではありますがWebライターとして仕事をする中で、徐々に「取材記事を書きたい」という思いが芽生えるようになりました。

―それはどういった理由からでしょうか?

近藤:ただ情報をまとめるだけじゃなくて、人にフォーカスを当てて、その人の良さを伝えられる記事が書けたら素敵だなぁと思ったからです。心にも残るし、こういう仕事をやりたいなって。それで当時バリバリに活躍されていたライターさんに、マンツーコンサルティングを申し込むことにしました。

―どうやって依頼したんですか? お知り合いだった?

近藤:もともとその方をX(Twitter)でフォローしていて、ライター向けのコンサルをしてたのを知っていました。その方がある日、とあるライター養成講座に登壇されていて、話の内容に感動したんです。勇気を出して「お願いします!」ってDMを送って。そしたら、快くOKをもらえました。

―すごい! アクティブですね。何を教わったのですか?

近藤:「取材のできるライターになりたい」というのをお伝えしたところ、アポの取り方や取材の仕方、記事のまとめ方など、イチから丁寧に教えていただきました。それから、取材ライターとしての実績の作り方についても提案いただきましたね。たとえば、「実績もないのにいきなり取材記事を扱うメディアに営業するのは難しい。まずは自分のnoteに取材記事を載せてポートフォリオを作ってみてはどうか」といったように。

―アポの取り方から勉強されたんですね。

近藤:はい。その後はこの人に話を聞いてみたいという方を自分でピックアップして、実際に取材依頼をして、インタビューをして……という感じですね。ありがたいことに、書いた原稿のチェックもしていただけました。

―それは何の記事だったんですか?

近藤:私が結婚した時にお世話になった、ブライダルのコンサルタントの方の記事です。まったく知らない人にアポをとる勇気がなかったので、まずは知り合いの方に(笑)。

―実際に取材して記事を書いてみて、いかがでしたか?

近藤:対象者の方が話上手だったので取材は何とかなりましたが、記事を書くのが大変で……それまで文字起こしをしたこともなかったので、とにかく時間がかかりました。でもその分、できあがった時の達成感はすごかったですね。

―教わったことは、その後のライター活動にも活きましたか?

近藤:はい。そのやり方で取材記事を何本か作って、それをnoteにまとめながら営業をかけたところ、実際にいくつかのメディアからインタビューのお仕事をいただくことができました。

<身に付いたスキル面>
・取材に必要なスキルを一通り学べた
・Web記事の基本的なルール(タイトルの付け方、構成の作り方など)を学べた

<マインド面>
・未経験で自信がなかった私の背中を押してくれた
・マンツーのコンサルティングだったので、ささいな疑問や不安を解消できた

「やるしかない」覚悟が決まった瞬間

―近藤さんは、どのタイミングでフリーになろうと思ったのでしょうか?

近藤:ある程度実績を積んだところで、銀行を辞めてライター一本でやっていくつもりでした。ただ、いきなりフリーランスでやるのは無理だろうと思ったので、とりあえず正社員のライター職を探すことにしたのですが……人材エージェントに「そんなのありません」「あっても無理」と一蹴されてしまい、紹介されたのが経理の仕事で……そこに転職しちゃったんです。

―全然関係ない仕事に就いちゃったんですか(笑)?

近藤:私も悪いのですが、よく調べもせずにエージェントの言うことに「そうか」って納得しちゃって。まあ、経理なら手に職をつけられるかもしれないし、ライターはライターでまた副業でやればいいかって。今考えると失敗でしたね(笑)。甘い考えだったから、転職先でも仕事で足を引っ張ってしまいすごく怒られました……今考えると、私マルチタスクできないんです。一つのことを突き詰めて考えるのはできるのですが、あれもこれも同時並行はとても……。

―そんな忙しいと、ライターの仕事もあんまりできないですよね。

近藤:はい。忙しい時は土日に経理の仕事を持ち帰っているような状況だったので、ライターの仕事は全然できませんでした。できたのはせいぜい1年間で2~3記事くらいですね。経理の仕事には全然ついていけないし、好きなライティングの仕事もできないし、当時は本当にストレスフルでしたね。

―そこから、フリーライターになろうと?

近藤:はい。1年位経って、「私には働きながらライターをちゃんとやるなんて無理だ」と思って。できる人はいるのかもしれませんが、私にはできない。だったら、もうやるしかない。ここで覚悟が決まった感じですね。もし上手くいかなくてもしょうがない。本格的にライターに専念できる環境を作ろうと決心しました。

弟子入りして、イチから下積み修行

―ライターでやっていく、そう決めて、最初はどんなことから始めたんですか?

近藤:まず、安定して仕事をいただけそうな環境を探しました。最終的には、個人事業主としてライター・編集者として活動している方のアシスタントになりました。

―どうして、その仕事をしようと思ったんですか?

近藤:当時、その方がX(Twitter)でお弟子さんを募集していたのを見たのがきっかけです。単なるアシスタントではなくて、作業の前・中・後、各段階で指導してもらえて、原稿チェックまでしてもらえるとのことでした。ベテランの方に教えてもらいながらお金をもらえるなんて、めったにない機会だと思って!

―実際に指導を受けてみていかがでしたか?

近藤:本当に勉強になりましたね。細かく赤字を入れられるというより、「インタビュイーの言葉をそのまま使いすぎでわかりにくい」「ただ言葉を並び替えるのではなく、読者に伝わるようにストーリーを作らないと」みたいな感じで指摘を受けたのを覚えています。いただいたフィードバックをもとに、一度書いた文章をもう一回組み立て直すこともよくあって、正直大変でした。でもその分、「自分の頭で考える」という訓練にはなったと思います。

<身に付いたスキル面>
・てにをは、主述のねじれ、冗長な文章を改善していくこと
・論理が破綻した文章にならないよう何度も考え抜くこと

<マインド面>
・原稿を何度も見直し、推敲を重ねる
・良い記事を作るために気を抜かない、妥協しない
・メンタル不調などの要因で原稿のクオリティにムラを作らない

Vol.1では、近藤さんがライターになるまでのキャリアを振り返りました。ライターとして独り立ちした後のお話については、Vol.2で紹介しています。ぜひ、続きもご覧ください!

>>(続編)Vol.2 ブルートーンでの仕事内容 ~SEO記事だけど、SEO記事じゃない~

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