ハイブリッドワークから次のフェーズへ――今年(2022年)8月にoVice社はシリーズBで総額45億円の資金調達を実施。こちらの記事にてCEOのジョン・セーヒョンが語るように、ここまで成長していく過程には数々のターニングポイントがありました。
ターニングポイントには、コロナによる緊急事態宣言のように外的要因によってもたらされたものもあれば、「Why oVice 使わないの?」のTV CMのように自ら生み出したものもあります。後者の変化を生み出してきたのが、マーケティングチームのメンバー達です。
そんなマーケティングチームも、ほんの1年前はWeb広告の効果測定もままならないほど、仕組み化が間に合っていない組織でした。その頃からoVice社に関わり、今の組織の土台を作り上げてきたのがマーケターの齋藤 萌(さいとう もえ)です。
マーケティングチームはどのような組織体制で動いているのか?oViceのマーケターは何を考えどんな施策を行ってきたのか?oViceマーケティングの実態と今の体制ができるまでの変遷を語ってもらいました。
齋藤 萌(さいとう もえ)/ Moe saitou
広告代理店にてWeb広告運用を経験したのち、フリーランスとしてマーケティングにおける対応領域を拡大。現在はWeb広告からイベント領域まで幅広い業務を担当
効果計測がないまま運用されていたWeb広告
――まずは、齋藤さんのこれまでについて教えてください。
大学卒業後、新卒でテレビ局の事務職に就き、その後20代半ばで広告代理店に転職。その会社でWeb広告の提案や運用を学び、7年ほど務めた後フリーランスのマーケターになりました。
当時、私がフリーランスになりたかった理由は漠然としていて「会社に勤めない働き方がしたい」という理由だけ。組織のしがらみがなく、自分自身に仕事の裁量がある状態を求めていました。
oViceに関わり始めたのは2021年6月頃です。フルリモート・業務委託の求人を探していた時に偶然見つけ応募しました。この時は特別会社が好きだとか、ここでずっと働きたいという考えはありませんでした。
――創業から1年経った頃ですね。当時、oViceはどのような環境でしたか。
Web広告の運用経験がある人はおらず、マーケティングチームという組織もこれから作っていこうというフェーズ。効果計測や費用対効果の検証などがなにもない状態で広告を使っていました。そこで、まずは正しく数値が計測できる環境を作ろうと、運用に必要な基礎設定を進めていきました。
色々足りないものはありましたが、当時は当時で面白い環境でしたよ。正社員と業務委託に権限や裁量の差がなかったので、何をするにも「全部思うようにしてください」と言われ、NGなこともありません。
指示を仰ぐ人がいないので、自分で考えて必要だと思うことは全部やりました。やりたいことも、やらなきゃいけないことも無限にある環境。結果的に、当初、2割程度の自分のリソースで関わるつもりだったのに、気づいたら8〜9割をoViceに割いていたんです。
「新しい市場をつくる挑戦」に惹かれて入社
――コミット量が増えていき、徐々にフルコミットに。会社に勤めたくないという理由でフリーランスを選んだとのことですが、入社を決断された経緯を教えていただけますか?
働き始めた当初から、正社員のオファー自体はもらっていました。しかし、その時はまだ「会社勤めはしたくない」という気持ちが勝っていたので、お断りしていたんです。1つの企業で働くよりも、複数の企業と関わって仕事をしている方が、自分の世界や視野も広くなると考えていました。
再度、声をかけてもらったのは2021年の年末。その頃にはoViceの仕事の面白さの方が、業務委託を続けるメリットよりも勝って感じられていたんです。そして、翌年2022年3月に入社しました。
ーーどのような面白さを感じたんですか?
テレワーク、ハイブリッドワークという、コロナを機に広がり続けている「新しい市場」を相手に、誰も見たことのない「新しい商品」を売っていく挑戦の面白さです。
これまでの私は、マーケティングとは市場で一番のシェアを取りにいくものだと捉えていました。マーケティングが市場を広げることはないと考えていたんです。
しかし、市場の先頭をいくoViceなら、その可能性があります。私がやってきたマーケティングの先まで挑戦できる環境なんて、そんな会社・サービスは他にありません。これを逃したら、今後の人生で同じような機会に会うことはできないだろうと感じました。
もちろん、市場の変化は予測できないものです。もしかすると広がるどころか縮まる可能性もあります。でも、その予測できない感じが好きなんです(笑)。いつ無くなるかわからない怖さがある分、面白さを感じたのだと思います。
広告運用はインハウス。「大きな裁量」がある環境
――oViceでのマーケティングは、齋藤さんにとって新たな挑戦なんですね。正社員になってみて改めて感じるチームの特色はありますか?
当時も今も、oViceのマーケティングチームはチャレンジに制限がないんです。チャレンジの失敗を責めることもありません。「本当の失敗とは過ちを繰り返すこと。初めての間違いは、“失敗”じゃなくて”学び”」という考え方を共通して持っています。マーケティング最高責任者の津毛一仁(通称:Kaz)さんも、「ラーニング」という言葉をよく使い、挑戦を推奨してくれるんです。
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――素敵な考え方ですね。とはいえ、組織が大きくなると新しいチャレンジが難しくなるものです。それでもチャレンジングな環境であり続けられているのはなぜですか?
カルチャーとして挑戦が推奨されているのは大きいですが、あえて現実的なところも話すと、必要な予算を必要な分だけしっかりと確保できているのも要因のひとつだと思います。予算がなくてもアイデアでなんとかするという考え方もありますが、潤沢にあれば施策の選択肢が増えるのは間違いないですから。
マーケターをしていると、やりたいことがあるのに予算の関係で取り組めない悔しさを味わうことがあります。もちろん費用対効果はしっかりと見ていますが、oViceではそのような悔しさは経験したことがありません。予算の大きさは、会社としての器の大きさやマーケティングの重要度の高さを表していると言えます。
――「挑戦したくても予算的にできない」ということがないんですね。他にも、チャレンジングな環境を作っている要因はありますか?
Web広告予算を全てインハウスで運用していることです。外注するのではなく、社内のメンバーに全部の裁量を与えているのが大きいと思います。
外部のプロのほうが知見を持っていることはあるかもしれません。しかし、急成長を続ける商品や市場のスピード感についていくためには、それでは遅すぎるんです。
予算と裁量を社内に集中することで、素早くトライアンドエラーを繰り返すことができる。だからこそ、自由に挑戦する組織であり続けられます。責任と裁量の両方を任されているのが、今のoViceマーケティングチームです。
oViceを社会的なインフラに
――「挑戦のカルチャー」「大きな裁量」「適切な予算配分」の3つが組み合わさり、挑戦的なチームになっている、と。では、そんなマーケティングチームが現在、重点的に取り組んでいることを教えてください。
主に「ハイブリッドワーク」というキーワードを活用した広告戦略を行っています。oViceを「ただのテレワークツール」ではなく、「新しい働き方を作る社会的なインフラ」として世の中に定着させようとしているんです。
これまでのoViceは、コロナ禍におけるテレワークの課題を解決するツールとして広まってきた背景があります。しかし、そのままでは「出社が必要だ」という風に世間が動いた時に、不要なツールになってしまう。
だからこそ「なぜoViceが必要なのか」を自問自答し、「oViceの新しい価値」を見いだすことが必要です。ハイブリッドワークとはなにか、その価値を定義し、世の中に発信することで社会インフラとしての存在感を高めていく。それが、マーケティングチームが取り組んでいることです。
――まさにこれから新しい挑戦が始まるんですね。そうした中、マーケティングチームはメンバー採用を行っています。どのような人を求めていますか?
大前提、oViceのビジョンや私たちが作ろうとしている世界に共感できる人がいいです。自分が関わるサービスに興味や情熱を持てなければ、マーケターとしては活躍しづらいでしょうから。
また、自分の考えを主張したり、人に相談したりといったコミュニケーション力がある方にも来ていただきたいです。oViceには仕事そのものが好きな人が集まっています。どの部署にも「ついつい仕事してしまうよね」という人ばかり。
そんな環境なので、自ら仕事を見つけて積極的に仕事を取っていく姿勢が求められます。「そんなの当たり前」と思う人にとっては、自由にさまざまな挑戦ができる楽しい環境だと思います。
oViceには「Do It Anyway」というバリューがあります。経験がないことにチャレンジすることを好むメンバーがたくさんいるんです。そんな現メンバーに負けないくらい、大きな責任と裁量をもちながら挑戦しようと考えている人と、一緒に働く未来があったら嬉しいですね。
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