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ココカラピートで女性の多様な働き方をサポート

2019 年のインド労働力調査によると、インドにおける就業率は、都市部では男性が53.0%なのに対して、女性は14.2%。また農村部では、男性の就業率が51.7%であるのに対して、女性は17.5%と大きな差が開いています。女性の就業はインドでは大きな課題となっており、ココカラピート製造はこの課題に大きく貢献しています。

大きな課題が残るインドの女性就労

インドの農村部で就労している女性は17.5%で、そのうち半分以上が農業での自営業です。しかし近年、農業に従事する女性が減少し、製造工場などの非農業分野への就業が増加しています。それは農業分野での技術革新が進み、農村部で『農業』と『非農業産業』の組み合わせが注目されるようになったことも一因となっています。

ココピート生産も同様で、ココナッツ農家がココナッツを栽培し、これまで捨てられていたココナッツ殻を、非農業産業である製造工場で加工して製品にするというビジネスモデルです。そして、その製造工程で新たな雇用を創出しています。

インド農村部で女性が働く際には、職場が近くであること、暗くなる前に帰宅できることなどが、仕事選びの重要な条件となります。農村部における女性の雇用創出は、大きな課題であり、とても貴重な機会なのです。


ココカラ自社工場での働き方

インドにあるココカラ自社工場とそのサプライヤーに、女性ワーカーの生活スタイルや働きかたについて伺いました。

好きな時に働きたいパート形態が主流

ココカラ自社工場には、正社員の女性ワーカーはいません。年間100コンテナーを製造する大規模サプライヤー工場でも、正社員10名全員が男性で、30名いる女性雇用者の中に正社員はいません。その理由として、インドの農村部では、家事や自営農業の合間にパートのような雇用形態で働くことを望む女性が多いという現状があります。ココカラ自社工場では、『好きな時に、好きなだけ働きたい』という女性たちの働き方を尊重し、サポートしています。

ワーカーからの賃金交渉

正社員以外の労働賃金は、ココカラピート1袋あたりの定額制で、完全歩合制が一般的です。インドではワーカーからの価格交渉はよくあることで、工場オーナーは基本的にその要望に答えます。交渉は決して無茶な要求ではなく、近隣工場含めた相場との比較に基づいての交渉がほとんどです。基本的に雇用契約書は交わしていませんが、この背景には、1袋あたりの定額制であることに加えて、農村部の男性の識字率が80.7%であるのに対して、女性は64.5%と低いことも関係しているでしょう。

グループで自主的に決める作業時間

女性ワーカーの仕事は、主に袋からココカラピートを取り出して、所定の場所にベッドを作り、上から水をかけて洗浄することです。そのほか、ココカラピートを機械に入れてブロック成形の作業もあります。

女性ワーカーたちの一日の作業量は、彼女たち自らの意志で決定しています。約10名の女性でグループを作り、リーダーを中心にみんなで話し合って各自の作業量を決めていきます。その日の人数と自ら決定した総作業量で、各自の1日の作業時間が決まるという仕組みです。なお、各グループには男性ワーカーが1人入り、力仕事のサポートしています。


ココカラ自社工場が心がけていること

ココカラ自社工場では、正規雇用、日雇いワーカー問わず、製造に携わる人が安心して働ける環境づくりを心がけ、以下のような取り組みを実施しています。

1. 正社員とその家族の家賃を無料に

インドでは、製造業などにおいて、工場の敷地内に社員の居住施設を設けていることが多くあります。ココカラ自社工場でも居住空間を提供し、住居手当てとして無料で提供しています。また、その家族である女性たちは、工場の繁忙期や、彼女たちが望む時に女性ワーカーとして工場勤務をしています。

2. 工場からワーカーへの食料支援

自社工場のオーナーは、ワーカーの仕事がない雨季や、彼らが生活に困っている時に、米や野菜などの食料支給をしています。

3. 必要に応じた金銭的サポート

閑散期などで一定期間仕事がない時期には、自社工場のオーナーによる金銭的サポートも行なっています。

4. 労災補償も導入

自社工場で、万が一怪我などの事故が発生した場合には、6ヶ月間分の休業補償や、通院費などのサポートを行なっています。


ココカラ自社工場や、サプライヤーとして取引がある工場のオーナーにとって、工場で働いているワーカーは『ファミリー』のようなものです。毎日みんなでランチ休憩をとり、『神様の日』などの祝祭日にあたる日は機械を早めに止めて終業にします。また、危険のない仕事を、赤ちゃんを抱きながらする人もいます。工場オーナーは、家族のようなワーカーたちが困っている時には、あらゆる側面から生活のサポートをしているのです。

ココカラ自社工場の課題

インドの工場においては、ワーカーの労働環境に関する課題が残っているのも事実です。

1. 蓄積されないノウハウ

課題のひとつとして、ワーカーのノウハウが蓄積されないことが挙げられます。特に女性は、識字率の低さなどから仕事内容が限定されてしまうことがあります。ココカラでは、仕事を通してインドの女性たちの地位向上を目指していきます。

2. 正社員数の伸び悩み

前述したら理由から、女性の正社員がいないことも課題のひとつとなっています。長期勤務を依頼しても途中でいなくなってしまったり、祭事や家族行事で休暇をとったまま帰ってこないことも多々あります。これらは、他産業においても共通する課題です。女性の雇用については、彼女たちの希望を聞きながら、生活スタイルに合うような雇用形態を考えていくことが大切になります。
欧米人オーナーの生産工場においては、正社員が約半数を占めます。現在ココカラ工場も、正社員数は常時7名で全体の半数を占めていますが、まずは70%を目標に正社員雇用を増やしていくことを目標としています。

インドの女性ワーカーの働き方は、私たちが想像している以上にフレキシブルで、働く側にもある程度の裁量権があります。ココカラでは、製品製造に関わるワーカーたちに、自由がきいて、危険が少なく、女性ワーカーにとっても働きやすい環境を提供し続けています。

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