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なぜ私たちは再生医療に取り組むのか?【Vol.01】そもそも再生医療とは?

私たちASメディカルサポートは、再生医療クリニックの立ち上げのサポートを中心に、再生医療の普及を目指して尽力しています。

まだまだ発展途上の分野のため、「再生医療」という言葉に耳馴染みのない方も多いかもしれません。数多くの治療法があるなか、なぜ私たちは再生医療に取り組むのか?その先にどんな未来が待っているのか?

私たちの思い描くビジョンについて、全2回でお伝えします。

今回は、再生医療とはどんな治療なのか?という概要と、従来の医療と何が違うのか解説します。

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そもそも再生医療とは?

再生医療というのは、私たちの身体が自ら再生しようとする力、つまり自然治癒力を活かした最先端の医療です。

私たちの身体は、再生能力のある細胞(幹細胞と言います。後ほど解説しますね。)の働きによって、擦り傷や切り傷ができてもかさぶたができて段々と傷が治ります。骨折しても、固定していれば徐々に骨がつながります。このような細胞による自然治癒力を最大限に引き出して、怪我や病気でダメージを受けた身体を正常な状態に「再生」させるのが、再生医療です。

薬の服用などのような、一時的に痛みや症状をただ緩和する対症療法とは違い、原因となっている細胞や臓器自体を回復させます。そのため、従来の治療法では根本的な治療の難しかった、大きな怪我や難病を治療出来る可能性を秘めています。

世界的に注目されている再生医療

「iPS細胞」という言葉をご存知ですか?京都大学の山中教授が2012年にノーベル賞を受賞された時に話題になったため、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。このiPS細胞も、再生医療に用いられる細胞の一種です。幹細胞がもともと身体の中に存在しているのに対して、人工的に作製されるのがiPS細胞です。iPS細胞に関してはまだまだ研究段階ですが、再生医療の可能性をより広げるものとして、世界的に注目を集めています。

幹細胞とiPS細胞では少し違いはありますが、ノーベル賞をとった研究と同じ分野であるということで、再生医療の可能性の高さ、世界的に期待されていることがお分かり頂けると思います。

再生医療のルーツは、輸血

こう書くと、近未来的で、「あまり自分には縁がなさそう」と感じたでしょうか?でも、再生医療のルーツは、意外と身近なところにあります。

実は、再生医療の原型となる行為は、15世紀末から行われ始めた輸血です。血液は、大部分が、赤血球や白血球といった細胞成分から出来ています。輸血とは、自分では十分な血液を作れない場合に、ヒト由来の血液という「細胞」を使って行う治療のことなのです。

しかし、血液を作る能力が回復するわけではないので、一回の輸血の効果は長期間は続きません。輸血に使う血液細胞の寿命は、例えば赤血球では、平均して120日です。この問題をクリアしたのが、今度は骨髄移植です。骨髄とは、血液細胞を作り出す臓器(組織)です。白血病などで正常に血液が作れなくなった場合に、患者様の骨髄を健康な人(ドナー)から提供された骨髄で置きかえることで、「血液細胞を作る機能そのものを回復させる」のが骨髄移植です。輸血のように一時的に血液を補うのではなく、病気を根本的に治すことが可能です。

輸血や骨髄移植といった治療法は、よく耳にするのではないでしょうか。このように、血液という細胞を使った治療や、骨髄移植のような病気の原因そのものを回復させる治療は、これまでも長らく行われてきました。しかし、これらの治療には、必ず「提供者」が必要です。つまり、自分自身ではなく「他人の細胞や臓器」を体内に入れるため、拒絶反応などのリスクがあります。また、特に臓器移植は大きな手術が必要となり、心身へ大きな負担がかかります。

これらの問題を解決する可能性があるのが、私たちの取り組む「再生医療」です。

カメレオンのように姿を変える「幹細胞」

再生医療で使うのは、主に「患者様本人の幹細胞」です。

私たちの身体には、様々な姿に形を変えられる、「幹細胞」が存在します。幹細胞は、赤血球や皮膚、骨、臓器、筋肉などに変化する能力を持っています。この能力は、普段は働きませんが、体内の細胞が傷ついたり弱ったりしたことを感知すると、必要な形に変化して損傷した細胞の代わりとなり、身体能力を回復させます。

再生医療では、この幹細胞の自然治癒力を高めて、治療に活用しているのです。

私たちASメディカルサポートのいう再生医療とは、幹細胞治療のなかでも、脂肪由来幹細胞治療というものです。患者様の脂肪から採取した幹細胞を、当社で運営する「細胞培養加工施設」で1ヶ月程度の時間をかけて培養士が培養(細胞などを人工的に増やすこと)を行います。それにより増えた幹細胞を点滴や注射で身体に戻し、患者様自身の自己修復能力や自己複製能力を高めて、損傷箇所を修復していく治療方法です。

再生医療には、この「培養技術」が非常に重要です。ポイントは2つあります。

①幹細胞の生存率

培養した幹細胞は、生きているものを投与しないと意味がありません。生存率が高いほど、身体に定着しやすくなります。

②幹細胞の大きさ選定

ただ幹細胞を増やすだけではなく、血管の中をスムーズに動ける大きさのものを選定する必要があります。

クリニックでの治療の裏で、こういった高い技術を持つCPCが、再生医療を支えています。

再生医療は、完治を諦めていた方の、新しい希望になりうる

そんな最先端の再生医療ですが、これまでの他の治療法と、一体何が違うのでしょうか。

冒頭でも少し触れていますが、一番の違いは、「怪我や病気の根本的な改善が目指せること」です。例えば脊髄損傷や脳梗塞、糖尿病。これらはいずれも、損傷した脊髄や脳血管、すい臓を回復できる治療がなく、「完治は難しい」と考えられてきました。そのため、後遺症が残って車椅子生活を余儀なくされたり、食事制限や投薬をし続けたりすることがこれまでは一般的でした。

しかし、再生医療であれば、幹細胞の働きによって、ダメージを受けた組織自体を回復させることができるため、根本的な改善が見込めます。同様の効果は臓器移植でも期待できますが、再生医療の場合は、臓器移植のような大きな手術は必要ありません。幹細胞の投与は、多くの場合注射や点滴で可能です。ですから、大きな手術に伴う心身の負担を、少しでも軽減することができます。

さらに、先ほども説明した通り、投与するのは「患者様本人の幹細胞」なので、拒絶反応が起きる可能性が非常に低い、安全な治療法だと言えます。臓器移植のように、ドナーが見つからない、といった事態も避けることができます。

もちろん魔法の治療ではありませんから、幹細胞投与後に、すぐに全てが回復するわけではありません。効果を最大限に引き出すために、必要な治療を追加で行ったり、リハビリに取り組んだりする必要があります。ですが、これまで「完治が難しい」と諦めざるを得なかった状況の方々にとって、新しい希望になる治療法であることは確かです。

さて、ここまで、再生医療の様々な利点を取り上げました。しかし、一般的な認知度が低いというのが、正直な現状です。完治が目指せて、心身の負担が小さく、安全性が高い。いいことずくめのようですが、なぜ爆発的に普及しないのでしょうか?

<Vol.2>ではより多角的に、私たちASの具体的な事業内容も交えながら、再生医療についてお伝えしていきます。

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