なにをやっているのか
にっぽうの家 かみしほろと自動運転バス
国内初300機のドローンによるクリスマスドローンショー©「Photo by Kiyota Chihiro」
北海道 上士幌町(かみしほろちょう)は、北海道十勝地方の北部、大雪山国立公園の東山麓に位置し、町内の約76%が森林地帯と自然豊かな町です。
地方自治体であるの上士幌町が、持続可能なまちとしてあり続けるために、地方創生に向けた様々な取り組みを進めています。
【企業誘致・関係人口の創出】
従来の工場誘致ではなく、まちづくりを共に進めるパートナーとして企業とのコミュニケーションを図っています。ワーケーションやリゾベーションを推進することで、企業や都市部人材と積極的に交流を進めています。
■かみしほろシェアOFFICE
都市との交流をより活発にするため、「都市と田舎をシェアする」をコンセプトにした『かみしほろシェアOFFICE』をオープンしました。https://www.kamishihoro.work/
■かみしほろ縁ハンスPROJECT
仕事場をつくるだけではなく、都市部の事業者と町との接点をつくり、関係人口を創出するための取り組みとして『かみしほろ縁ハンスPROJECT』も始動しました。
■にっぽうの家 上士幌
また、2022年4月からは、無印良品との共同プロジェクトであるワーケーション施設『にっぽうの家 上士幌』(https://kamishihoro.today/about/)がオープンしました。ここでは、ただの宿泊施設ではなく、町民×都市部企業のコラボレーションビジネスを創出するための様々な企画を実施していく予定です。
【地方(中山間地域)独自のデジタル化】
地方にこそ、効率的なスキームと利便性の高いサービスを提供するために様々な分野でデジタル化が必要になってきますが、多くのサービスは、都市部向けに構築されているもののため、オーバースペックとランニングコストの問題から、導入しても上手く活用されないケースが多く存在します。
そのため、町の課題や規模にマッチした独自サービスの開発や、様々な企業を巻き込んで様々な「上士幌モデル」の構築に取り組んでいます。
■ルーラルMaaSの推進
「定時定路線」で運行していた農村地域の公共バスを「デマンド型運行」にするための実証をスタートし、2年かけて実装。好きな時間に乗れることから、利用率が上昇。予約はタブレットのみで受け付けることで、コストダウンにもつながっています。
■ドローン
2016年からドローンによる捜索コンテストが開催されていることをきっかけに、ドローンを活用した様々な取り組みが上士幌町で行われています。捜索コンテストの関係者によるドローンよる夜間の捜索支援サービス「NIGHT HAWKS」(https://japan-innovation-challenge.or.jp/)が上士幌町を拠点に活動しています。また、ドローン300機による国内最大級のドローンショーが開催されています。
現在はドローンによる物流サービスと陸送を掛け合わせた「新スマート物流」の構築を進めています。
■自動運転バス
ドライバーの担い手不足など、地方が抱える交通課題の解決に向けて、自動運転を活用した公共交通網の構築に着手しています。2021年には、冬季期間の走行実証を行い、北海道の冬道でも走行できることから、2022年の11月より長期期間の運行を開始しています。
田舎にしかない良さを残しつつ、都会の人も快適に仕事ができる環境、また地域との繋がりを創り出し、もっともっと 元気なまちへ。
なぜやるのか
日本一広い公共牧場「ナイタイ高原牧場」
町の風景
今、地方の一部は急激な人口減少、少子高齢化によって地域の存続が危ぶまれています。このまま人口が推移していけば、2050年には人口が1億人を割ってしまうとも予想されています。
だからこそ、いま 「地方創生」が必要とされています。
地方創生とは、地方の人口減少に歯止めをかけるために、首都圏への人口集中から、地方への人口流入を増やすことへの転換により、地方の活性化を図ることです。
いまは首都圏など都市部へ人口が集中していますが、上士幌町は地方創生総合戦略第Ⅰ期(2015年~2019年)において、42人の人口増(社会増244人)を達成しました。転入者のうち20代~40代が約8割を占め、この間の高齢化率の上昇はストップしています。
また、上士幌町は、町に移住する「定住人口」、仕事や観光、買い物などで訪れる「交流人口」のほか、定住人口でもなく交流人口でもない、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」の創出・拡大のため、都市部と上士幌町をつなぐ機会の創出に努めています。
どうやっているのか
かみしほろシェアOFFICEで事業者と打ち合わせ
物流ドローンを活用した個宅配送
2022年4月、上士幌町に新たに「デジタル推進課」が立ち上がりました。
デジタル推進課は、ICT (情報通信技術)を活用し、まちの産業の発展や、より暮らしやすいまち、訪れやすいまちを目指す部署です。
自動運転技術や高齢者が利用する福祉バスのデマンド化の実証実験を行う『上士幌MaaSプロジェクト』が進行中で、移動サービスの空き時間を可視化することによる物流サービスとの掛け合わせや、買い物弱者へのドローン個宅配送などにも取り組んでいます。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000032193.html?fbclid=IwAR1IiIm-NQ3kad25Up9ZxGt0rcpWoioNpqA99KEGz9acNjnxmPE0dCiHcsc)
また、企業誘致も担っており、従来の工場誘致ではなく、企業の新しい働き方に対応する施設として2020年7月には「都市と田舎をシェアする」をコンセプトにした『かみしほろシェアOFFICE』(https://www.kamishihoro.work/)をオープンしました。さらに、仕事場をつくるだけではなく、都市部の事業者と町との接点をつくり、関係人口を創出するための取り組みとして『かみしほろ縁ハンスPROJECT』も始動しました。
2022年4月には無印良品との共同プロジェクトである『企業滞在型交流施設』のオープンしています。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000001246.html)
田舎にしかない良さを残しつつ、都会の人も快適に仕事ができる環境、また地域との繋がりを創り出し、もっともっと 元気なまちへ。
デジタル推進課は全員で意見やアイデアを出し合う風通しの良い環境です。
現在、総勢6名の少人数で、日々互いに意見を出し合いながら、仕事を進めています。推進室メンバーはもちろんのこと、関連する他担当や関連団体、協力企業等とのコミュニケーションを図りながら魅力あるまちづくりに取り組んでいます。