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なにをやっているのか

私たちの前身となるHAROiDでは日本テレビ系列を中心にして、テレビ視聴者をユーザとして管理し、テレビと連携するインターネットネットサービスを提供することができるプラットフォームを自社開発し提供してきました。 例えば、朝昼の情報番組でのデータ放送で視聴者投票を受け付けるシステムを提供したり、視聴者プレゼントをスマートフォンで申し込みできるシステムを提供しています。それらは今では毎日数番組で採用され、繁忙期には、ほぼ終日何かしらのシステムがテレビ番組で利用されています。 テレビ番組と連動し、テレビ視聴を促進するために必要な機能を提供するシステムは、全国の視聴者(例えば数百万人)からのリクエストを受ける必要があるだけではなく、番組放送に影響を与えないようにするための安定稼働が求められます。一方で、放送時間でない時間帯である平常時のアクセスはゼロになります。このように特殊な可用性と信頼性を求められるシステムを提供することで、テレビを通じて、「視聴するだけのテレビ」からデータ放送・インターネットを統合した「参加するテレビ」という体験を提供しています。 このようなユーザー体験を継続して提供するために、YourTVアカウント(旧HAROiDアカウント)というアカウントサービスを提供しています。具体的には、参加するともらえるポイントサービス「CHARiNポイント」やリモコン操作でプレゼント応募が完結するサービスを提供したり、ゲームに参加できたりと、テレビの視聴体験をアップデートしています。また、テレビ視聴時間に応じて上記のCHARiNポイントがもらえるサービスも一部放送局では提供しています。 ここまでがいままでやってきたことで、これからも継続してサービス提供するものです。今回、ReBornしたYourCastは、間接的には在京キー5局の出資を得て、放送業界が今後、インターネット領域に踏み込んでいくための基礎として、データプラットフォーム事業を新しく推進していきます。 インターネットにつながったテレビは全国で約1500万台ありますが、そこから生み出される様々なデータを収集し、ユーザや社会、そして放送業界に還元できる価値を生み出していきます。

なぜやるのか

さまざまなメディアから伝えられるようにテレビは成熟産業であるが、ユーザの視聴環境や可処分時間、メディア接触行動がダイナミックに変化しています。 2011年にデジタル化されたテレビは、YouTube視聴やNetflixやHulu視聴ができるようになりインターネットに繋がれることが多くなり、現状でも関東地方では約40%の世帯のテレビがインターネット接続しているといわれ、東京オリンピック後には50%を超えてくると考えています。 全国で約1500万台のテレビがインターネット接続されているということは、常時稼働という意味では国内最大規模のIoT端末であります。ただ、テレビがインターネットに接続されることによるテレビの隠れた価値は、まだ誰も開拓していません。 たとえば、視聴者がどのような視聴行動をしているのかを詳細に計測することができるようになります。それができるようになると、インターネット広告に押されがちなテレビ広告費が増え、番組制作費が潤沢になることで、今以上に良いコンテンツを提供することができます。 また、日本で最大のIoT端末ということは、テレビのオンオフ状態をリアルタイムに知ることができるので、たとえば「この地域一帯は停電している」「警戒レベル5が出ているのに、50%の家庭が在宅している」などの情報を手に入れることができます。 テレビの隠された可能性を開花させるためには、大量のリクエスト、大量のデータを技術的に解決する必要があり、テレビ業界における我々の価値が試されています。

どうやっているのか

テレビで「JavaScript が動く」ことをご存知ですか? テレビで「HTTP/HTTPS 通信ができる」ことをご存知ですか? テレビは東京タワーやスカイツリーなどの電波塔や衛星からの電波を受けて映像を流すだけだと思っている方が多いと思いますが、実は現在普及しているデジタルテレビでは上記のことが可能になっています。これを実現しているのが「Broadcast Markup Language (BML)」という技術です。 映像や音声の処理でテレビのMPUの処理リソースが使用されているので、PCやスマホのブラウザほどハイスペックなことはできませんが、 BML エンジニアの工夫でインターネットに繋がったテレビでは、何を見ているのか等の視聴に関するデータがサーバに送信することができます。 私たちはこのサーバを自社開発・運用しており、関東地方であれば 2,000万世帯のうち、インターネットに接続されているテレビから様々なデータを取得することができます。例えば、1分に1回「この局を視聴しているよ」という視聴データを受け取るのであれば、数十万 req/sec を受け付けるシステムを24時間365日運用しています。 また、番組と連動したデータ放送の企画の裏側でも私たちは関わっています。番組の中での投票企画や視聴者プレゼントでも API の開発や運用を行っています。 チームは現在少人数ですが、皆、「エンジニアリングだけに向き合えば良い」というよりも、「チームとしてクライアントに向き合い、より良いものを提供することにやりがいを感じている」メンバーがほとんどです。そのため、議論も活発で、それが事故防止や改善、クライアントのためになるのであれば誰であっても真摯に厳しい発言ができる環境です。 ソリューションアーキテクト 岩田、エンジニアリングマネージャ 鳥居、データサイエンティスト 森藤を中心として、全員で最終的な成果物を見据えながら、価値あるアウトプット、ハイパフォーマンス・低コスト・低運用コストに力を注いでいるチームです。