なにをやっているのか
近年、「GovTech」と呼ばれる、テクノロジーの活用をした政府や地方自治体における一層の業務効率化や、これまで存在しなかった新たなサービスを生み出す取り組み、そして、そこに取り組むスタートアップ企業が注目を集めています。
GovTechに取組むスタートアップ企業は、これまで当たり前と思われていた「行政サービスを行政主体(行政からの委託)で提供する」のではなく、「行政サービスをテクノロジーを活用することで持続可能なビジネスとして提供(補完)」するという、従来とは異なったアプローチでの取組を進めおり、近年、注目を集めています。
今後、行政サービスが一層限られた予算や人員のなかで多様化していくニーズに答えていくためには、このような取組が一層求められると考え、GovTechに取り組む北海道・札幌初(発)のスタートアップ企業として「株式会社AmbiRise」を設立しました。
なぜやるのか
みなさんが、行政や行政サービスに対して思う・感じる「あたりまえ」には、どのようなものがありますか?
(「あたりまえ」で思いつかない人は「イメージ」と読み替えて想像してみていただければと思います。)
よくあるのは、「平日しかやってない」「縦割りでたらい回しにされる」「融通がきかない」「行かないと手続きできない」「何度も書類を書かされる」「遅い・待たされる」「複雑でわかりにくい」・・・といったマイナスなものでしょうか。
このようなマイナスイメージが多い行政や行政サービスの「あたりまえ」。
これはそこに関わる政治家や公務員が無能だからなのでしょうか。
確かにそういった要素もあるのかもしれません。
公務員にも沢山の人がいて、志高く仕事をしている人もいるし、どうしようも無い人もいるのも見てきました。
ただ、私が18年間市役所の職員として行政サービスや行政の情報化に携わってきたなかで感じたのは、マイナスイメージが多い行政や行政サービスの「あたりまえ」の原因には、行政サービスが税金を原資として行っている以上どうしても生じることがあると感じていました。
どうやっているのか
そこで、行政サービスの利用者が一層の便利さを享受するためには、行政が提供するサービスの他に、+αのサービスをビジネスの形態で提供していくことが必要であると考えました。
行政サービスをビジネスで提供するという考え方自体は以前から存在します。ただ、行政サービスに近ければ近いほど、収益化が難しいという特性から、共有者が存在しない、あるいは限られてしまっていました。
これをテクノロジーの活用により限界費用をできるだけ下げ、かつスタートアップという身軽で小回りのきく組織で運営することにより、これまでビジネスで参入しにくかった市場をビジネスとして成立させ、行政の立場、行政からの委託では難しかった以下の事を可能とします。
・一層の行政の効率化に繋がるが手を出せていない、住民や企業など情報の発生源プロセスのデジタル化を進める。
・ターゲットを絞ることによる、UX/UIをチューニングしたより効率的で使いやすいサービスを提供する
・IDによる情報紐付けや、追加費用を払ってでも便利なサービスを享受した層へも付加価値の高いサービスを提供する
・どの行政に対してもワンストップで同じ使い勝手、UIを活用したサービスを提供する
・入札やそのための仕様確定といった要素を避け、民間サービスと同様のスピード感をもって早期提供とアップデートのPDCAを回す
テクノロジーを活用したビジネスからのアプローチで、開拓精神が根付く北海道・札幌の地から、日本中の行政サービスにまつわる「不便である」「融通が利かない」「変わらない」「行政のことは行政がやる」といった「あたりまえ」をアップデートし続けていきたいと思っています。