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創業時からの想いの軌跡

Smart相談室は、私の原体験が元になっています

 私が株式会社Smart相談室を設立したのは、2021年2月です。この時点で、すでにプロダクト「Smart相談室」の構想があり、会社設立後、その構想を実際のプロダクトにする作業に着手しました。

 この構想は、私の原体験が元になっています。私は、これまでのマネージメント経験のなかで、離職率の高い状態を作り出してしまったり、ビジョンをうまく浸透させられなかったり、みんなに厳しく接してしまっていたりしました。

 そのような組織状態のなかで、メンバーがストレスを抱え不調をきたす、という当たり前のことを実感しました。また、事業が順調に推移しているなかでも、悩みを抱えたり、体調不良になってしまうことがあることも経験しました。同時に、悩みや体調不良の原因は人それぞれで、必ずしも会社や仕事のことが問題になっているとは限らないことも知りました。

これらの経験が原体験になり、Smart相談室は生まれました。

そもそもメンタルヘルスに向き合う必要がある

 精神疾患患者数は、平成14年258万人、平成29年では400万人を超えており、中期的に見て増加傾向にあります。(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000940708.pdf)

 この状況は職場でも同様です。2023年の調査では、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%で、これはコロナ禍以降増え続けています。

 また、同調査にて、仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は82.7%と、ほとんどの人がストレスを抱えながら働いている現状が伺えます。(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r05-46-50b.html)

60%が対策済み、13.5%が休職退職、メンタル不調は社会的な問題

 このような状況に対して政府は、メンタルヘルス対策、心の健康確保の対策として、ストレスチェック制度導入、産業医面談の実施、ハラスメント窓口設置義務、などを行っています。企業も従業員をサポートする意識が高く、相談窓口設置、ストレスチェック、産業医面談、個人のコンディションがわかるツール導入、などを行っています。今では60%以上の企業がメンタルヘルス対策を行っています。

 ですが先ほどもお伝えしたように、職場のメンタル不調者はコロナ以降増え続けています。さまざまな対策がなされているにもかかわらず、メンタルヘルスの問題は改善がみられていないのです。

当然必要なこと・・・、でも、もどかしさもありました

 マネージャー、経営者として、従業員のメンタルヘルスをサポートする目的で、「数値の悪化を確認する」「産業医との面談を設定する」ということを実施してきました。当然必要なことです。でも、もどかしさもありました。

立場上、オペレーションの構造上の問題もあるかもしれませんが、私が対応するケース、カウンセラーによる対応を望むケースなどでは、既にメンタル不調に陥ってるかもと思われるメンバーが相当数おり、面談時も、時短勤務や休職、配置転換、負荷軽減などの対応策をイメージしながら話を進めるケースが多かったのです。

どうにか、そこに至るまでの段階で、何らかのサポートができないか?

そう思いながら、面談をしていました。Smart相談室がメンタル不調になる前のサポートを目指しているのは、この想いが強いからです。

ちょっとモヤモヤしたくらいで話してみなよ。どんなことでも話してイイよ。まずは、話を聴くよ。

 メンタル不調に陥ったメンバーの話を聴くと、はじめは調子が悪くなかったとのこと(当然ですが)。ちょっとモヤモヤしたことはあったけど、相談するほどのことでもないし、相談しようとも思わなかったと。でも何かのきっかけでモヤモヤが複数になったり、そのなかの一つが大きくなったときに、いきなり調子が悪くなったと多くのメンバーが言いました。そして、調子が悪くなった当初は、調子が悪いこともわからなかったと・・・。さらに、共通して、

あの時(ちょっとモヤモヤした時)に、誰かに相談してたら違っていたと思う

と言います。でも、実際は相談できないですよね。そんな習慣はないですし、どこに相談して良いかわからないですし・・・。こんな状態に対して、Smart相談室が相談にのって、話を聴く、ことができたら良いなぁ、と考えています。下記図の「これぐらいで相談」のタイミングで、Smart相談室に相談いただくというイメージです。

広く対人支援を行うことで相談のハードルを下げる

 私の原体験から発生している課題感を、Smart相談室で解決できたらいいなぁ、と考えています。まだまだ改善が必要な段階で、より価値を提供するために必要に応じてピボットすることもあると思います。でも、私の想いは強く、「Smart相談室」を通じて、社会に新しい価値を提供し、1人でも多くの従業員の方が笑顔になるように、そっと背中をおしていく、そんな活動をしていきたいです。

プロダクト「Smart相談室」の正式版をリリースしてから、3年が経ちました。

そこで感じるのは、

  • 相談者さまのメンタルレベルはさまざまであること
  • そのことを相談者さまが知っている必要はないということ

です。そもそも、相談者さまはモヤモヤしていて、ときには精神的に辛い状態かもしれない。そんな状態の時に、意識的に自分を評価するのは難しいです。

 まずは、相談してもらう。その相談をSmart相談室が受け止めて、必要に応じて、相談者さまへのアプローチをSmart相談室側が調整する。そうあるべきだと考えています。結果として、Smart相談室では、カウンセリングのほか、福利厚生型コーチングもサービスとしてリリースしました。また、2024年には選抜型コーチング、ティーチングもリリースし、より幅広く相談者さまのモヤモヤに対応できるようになっています。今後もより相談者さまのモヤモヤを解消できるよう、サービス提供の範囲を広げていきます。

「個人の成長」と「組織の成長」を一致させたい

 Smart相談室は法人さまに使っていただくサービスです。法人さまと契約させていただき、その従業員さまが利用されます。この関係性を加味して、相談者さまからご相談いただく内容を見てみると、法人さまと従業員さまとの間でうまく擦り合わせができていないことが、そもそもの原因であるように感じます。

 法人は、複数年の経営計画により運営されます。この複数年計画は、綺麗な右肩上がりに描かれます。一方、この右肩上がりの成長に対して、従業員の人生は、右肩上がりとは限りません。調子の良い時もあれば、少しブレーキをかけたい時もあります。バリバリ仕事を頑張る時期があれば、子育てや介護、趣味に注力したい時期もあります。グラフで言えば、右肩上がりの線と上下しながら右に上がっていく線が、交わりつつ、離れつつ、それぞれの上下関係を交代しながら時間を共にしていく形です。

 両者の間に、ギャップが発生した時に、生々しくそのギャップを感じるのは、社員です。「私は成績が悪い」「上司から求められるアウトプットを出せない」「同僚に迷惑をかけてしまっている」というような感情がギャップから生まれてきます。この感情を早い段階で解消できれば、その後、メンタル不調になる可能性はグッと減ります。

 難しいのは、「もっと高度な仕事がしたい」「改善したいが上司が許さない」「もっと早く成長したい」というように、社員の線が会社の線を超えている場合です。このケースは、所属部門と連携して、機会の創出が必要になります。そもそも会社が想定している個人のパフォーマンスを上回っているわけですから、その対処は例外的な処理となるでしょう。機会を創出しながら、「個人の成長」を「組織の成長」に一致させるのです。

 こんなやり取りのなかでSmart相談室が何らかのお手伝いをさせてもらえるのであれば、とても嬉しいです。


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