製品カラーの重要性
カラーは非常に重要なデザインの要素です。製品の印象に大きく影響する部分であるため、慎重な検討が求められる部分です。
性能や機能は気に入ったけど色がイマイチだから買うのを止めたという経験は皆さんもあると思います。
そうならない様に、世の中のトレンドを取り入れながらも、ユーザーの使用シーンを想定したインテリアに馴染むカラーであることが求められます。そのため、普段から家電にとどまらず様々な物を意識しながら見るようにしています。
車など携わるデザイナーが多い工業製品に関しては専業のカラーデザイナーがいる場合がありますが、多くの場合はプロダクトがカラーデザインを担います。
THREEUPでは外観や使われ方をあらゆる要素を踏まえたカラーデザインをするため、プロダクトデザイン進行の流れの中で、カラーのデザインも合わせて検討しています。
一筋縄ではいかない難しさ
プロダクトデザインの流れで色や質感を決めながら、製品開発を進める理由の1つに、材質や製造方法次第では実現できない色も多くあることが挙げられます。これは今までの経験と、どうしても実現したい場合には工場に協力していただいて、何度も調整してもらうことである程度カバーできます。
しかし最もカラー検討で苦労するのは、いい色をいくら考えても、世に出せるカラーには限りがあるということです。
ユーザーにとっては選択肢は多いに越したことはないのですが、生産・在庫・商流を踏まえると、少ない場合は1色、多くて4色程度に落ち着くことが求められます。
そうなると、あらゆるニーズに収まる色=白・黒・グレーといった所に収まってきてしまいます。
しかしそれだけでは面白みのない展開となってしまうため、総合的に判断して、どこまでは受け入れられて、どこからは厳しいのか判断する「目線」が必要になってきます。
カラー面白さ
THREEUPの中でも、特にサーキュレーターは売り場に並ぶと目が行くラインナップになっています。
ただ奇抜で目が行くのではなく、「この色が好きだからこれが欲しい」と感じていただけるカラーになっているのではないかと思います。その背景には上記でご紹介した様々な検討やトライがあって実現しています。
そんな裏側を知っていただいた上で、様々な製品をみていただくと、カラーデザインの奥深さと面白さを感じていただけるかと思います。