以下の記事は経済界の2021年9月号に掲載された
「アウトドア分野で「後悔しない購買体験」を提供する―野尻悠貴( Eifer CEO)」の抜粋記事です。
新たなサービス(WELL BUY)を始めたのは、ゲルテント販売での印象深い体験もきっかけになったと野尻氏は語る。
地方在住のある高齢女性が80万円のゲルを購入したものの、高額な買い物に家族からは反対され、自身も商品が届くまで不安に思っていた。だが、実際に商品が届き、組み立てが終わると「これで孫に生きた証が残せた」と大喜びされたという。
「高額商品のネット販売には怪しいイメージもありますが、すごく良い買い物体験がつくれたなと。それで後悔しない買い物、死ぬ間際に思い出せる購買体験をどんどんつくっていこうと思ったんです」
「ゲル販売は引き続き行っていますが、自分たちはIT企業としてより大きな課題を解決したい。職人さんたちが心血を注いで作っているにもかかわらず、マーケティングが弱くて売れていない製品が海外にも日本にもたくさんあります。そこで、ゲルと同様に高品質でまだ埋もれている製品を世の中に出していくことで、職人不足や後継者問題の解決にも貢献したいと考えています」
具体的には、高単価で高品質な製品を、専門家のアドバイスをもとに購入できるマッチングプラットフォームをテスト運用中だという。日用品や低価格の商品はネット購入が一般的になったが、高額商品に関しては店舗をはしごしたり、商品比較サイトをぐるぐる回ったりと、購入までに時間をかけるユーザーが依然として多い。
そこで、信頼できるアドバイザーが背中を押すことで、安心な買い物を実現するサービスを構築することにした。