コロナショックのなか、スタートアップは生き残りをかけて、必死にもがいています。スタートアップが生き残るためには、何が必要か。1つ目は「志・ビジョンがあること」、2つめは「諦めないこと」、3つめは「自分より優秀な仲間を連れて来られること」。この3つだと信じています。
まず、志・ビジョンがないと、人はついて来ません。夢見ている世界を、どれだけ多くの人が「一緒に見たい」と思ってくれるかどうか。時折、人に憎まれてでものし上がろうとする人がいますが、会社の調子がいい時はそれで良くても、悪くなると一気に周りは離れていきます。そうではなくて、良い時も悪い時も、志やビジョンを持って、一緒に成功を目指して協力してくれる仲間がいるかどうか。これがスタートアップが存続する必須条件だと考えています。「思考は現実化する」というナポレオン・ヒルの言葉がありますが、今は実現しないけど、思っていることを言い続けると現実化します。これは私の実体験でも経験済みです。
次に「諦めないこと」。うまくいっているスタートアップはみんな「諦めていない」。辛いことばかりあるスタートアップには、続けられるストレス耐性が必要で、この「諦めない力」は慣れで身につけられるものです。階段みたいに、いきなり3段跳びは出来なくとも1段1段のぼっていくことはできる。今の自分のキャパシティに対して相対的に少しずつ「+α」し続けることで、ストレス耐性は高まります。そして、大きな成功は敗北感に屈して、しばらく経ってからやって来ます。
少し話は変わりますが、成功者の共通項で言えるのは「決断が早い」。この言葉の裏には、「チンタラしているとタイミングを逃す」「行動が遅いとモチベーションが下がる」「人の記憶は時間経過する毎にすさまじい勢いで忘れる」という真意が隠れています。つまり、その瞬間に「決めるべきこと」や「やるべきこと」を先延ばしにすると、それを取り戻すのに何倍もの労力と時間を費やしてしまいます。 思い立ったら、まず「TODO」をリストアップして管理する。タスクが多いなら「プライオリティ」をつけて優先順位が高い順からサクッと取り掛かる。そして、それをやった上で上手くいかなければ、NGだった原因を探すために分析して、次のアクションをする。というPDCAを回す。ただ、それだけです。このサイクルをやり続けていけば、着実に前進していけます。
3つ目は、「自分より優秀な仲間を集めること」です。「世に生を得るは『事を成す』にあり。」これは坂本龍馬の言葉で、ソフトバンクの孫社長が好きな言葉であり、私も好きな言葉です。地方にいた名もない浪人が、電話もインターネットもない時代に、優秀な仲間を集めて、誰もできると思わなかった「倒幕」をやってみせた。今でいうならば、インターネットを取り上げられた状態で、地方の一サラリーマンが300年歴史のある大企業を買収したと同じような感覚ではないでしょうか。しかも20代という若さで。にわかに信じがたいことですが、これは彼自身の世の中を巻き込む行動力があったから。当然、彼一人の力だけでできたわけではなく、「優秀な仲間を連れてきた」からこそ、実現できたことです。
とあるギリシャの詩人によると、人生を振り返って幸せを感じられた人は、「人類に貢献できることを探し出せた人」だそうです。とてつもなく遠くに見えるけど、どうせ一生に一度しかない人生なら、登れる所まで登ってみる。やれることは全部やりきる。同じ気持ちをもつ仲間と一緒に大きな山に挑戦して、人類に貢献できる「何か」を見つけられたら、これほど楽しいことはないでしょう。