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“言葉の力”が会社をつくる。企業のブランド価値を高める、コピーライターの仕事

「コピーライターとしてなんでもやる」をモットーに活動している森下夏樹さん。

Google JapanやNike Japan、ヤクルトといった名だたる企業のコンセプトメイキングやコピーライティング、クリエイティブディレクションなどを手掛けるほか、DMM.comのコーポレートメッセージやオリジナルの社訓の制作など、その活躍は多岐に渡ります。

そんな森下さんが今取り組んでいるのが、FUSIONのコーポレートブランディングです。

プロセス1

プロセス2

今回は、そんなコーポレートブランディングの裏側を含めて、森下さんのコピーライターのお仕事や、FUSIONとの関わりについて聞いてみました。

森下夏樹(もりした・なつき)

ENJIN TOKYO、Wieden+Kennedy Tokyo、AKQA Tokyoなど、日系プロダクションや外資系広告会社で経験を積み、2022年7月に独立。「コピーライターとしてなんでもやる」をモットーにしている。マス広告やデジタル広告を軸とした統合キャンペーンをはじめ、プロダクト/サービス開発や経営企画のサポートまで、幅広い領域の業務に従事することで新しいコピーライター像を模索中。(Twitter:@natsukilog

「コピーライターがやりたい!」駄々をこねていた3年間

ーーはじめに、森下さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

僕は学生のころからずっと、コピーライターになりたかったので、宣伝会議のコピーライター養成講座に通い、就活を経て念願の広告代理店に入りました。

…のはいいんですけど、そこでは営業部に配属されてしまって。

でも、無理矢理自分を納得させながら、プロジェクトの進行やお金のやり取り、スケジュール調整など、いわゆる「ザ・広告代理店の営業」として、スーツにネクタイを締めて働いていました。

でも、それと同時に、しっかり駄々もこねていました。「やっぱりコピーライターがやりたい!」って。その気持ちも上司に伝えていたし、仕事の合間を縫って、企画を持っていったり、コピーを書いたりしていましたね。

とはいえ、やはりそこには会社の事情もあって、どんなに頑張っても、営業からコピーライターになることはできなかった。もともと「やるなら3年間」と期限を決めていたこともあり、転職を決意しました。

みんな憧れるような仕事もしていたし、楽しいこともあったけど、自分はやりたいことがやりたい! って。

ーー森下さんは、なぜそこまでコピーライターにこだわっていたんですか?

企業の課題解決をしつつ、言葉という手法で「表現」もしたかったからです。

僕は言葉が好きで、「言葉で表現をする」舞台に立っていたかった。
また、ものが売れて数字が動くというマーケティングの視点も好きだったんです。

だから、広告という手法を通じて、企業の課題解決をすることは自分に合っていたと思います。

1社目を辞めてからは、日系プロダクションや外資系広告会社を経て、スケールの大きい仕事や、グローバル色の強い仕事にも携わり、フィールドをどんどん広げていきました。

広告の領域に限らず、さまざまな領域で経験を積んだことは、「コピーライターとしてなんでもやる」という今のキャリアに活きていると感じますね。

「発展途上」な自分とFUSIONの想いが重なった

ーーそんな森下さんは、どのような経緯でFUSIONにジョインしたんですか?

2022年に独立してフリーになったことをきっかけに、自分が気になる人と仕事がしたい、と思って、いろんな人にご挨拶をしていたんです。そこで、もともとSNSで関わりがあった代表の前田さんとも連絡を取り合い、お手伝いをすることになりました。
お互いにリンクしていたのが、僕もFUSIONも「発展途上」だったこと。状況や想いが似ているからこそ、一緒にやれたらすごくいいなと思って。

ーー双方の想いが重なっていたんですね。実際にジョインしてみていかがですか?

僕は独立したてのタイミングでFUSIONのパートナーになったので、仕事をいただけるような関係性作りや、生きていくために本当に必要なことを考える時期だったのですが、この感覚って、働いていくうちに薄れていってしまうものじゃないですか。

会社にいればなおさら、「仕事は振られるもの」と思ってしまいがちですが、FUSIONのメンバーは会社にいながらにして、個として「仕事を掴みにいく」という感覚を持ちながら働いているんですよ。これは本当にすごいことだと思っていて、いつも背筋がピンと伸びる想いです。

そして何より、何でもボールを拾える、“ストロングスタイル”なところが強いと思います。

守備範囲が広いからこそ大変なこともあると思いますが、メンバーが一丸となってやっているところが魅力だし、必死に目の前の課題に向き合う姿勢にインスパイアされることは多いですね。

あとは、代表の前田さんがやっぱり素敵です。締めるときは締めるけど、強そうじゃないところがいい。みんなの話を聞いて柔軟に考えられるし、責任取れるし、美的感覚・倫理観を磨くことを強く意識している。FUSIONらしさを体現している人間性だと思いますね。

自分も“一員”となる感覚で。MVV言語化の裏側

ーー「コピーライター」は人によってやることもさまざまだと思いますが、森下さんが思うコピーライターの仕事というのはどういうものだと思いますか?

言葉は最初の思考のスタート地点なんです。

プロジェクトがどこを目指すのかを定義したり、散らばってしまったアウトプットの要素を拾い集めて整理したり、ヒアリングから本当の課題を見つけ出したり。

「ひとつにまとめる」、「旗印を作る」、「アイデアを考える」、「新しい視点を見せる」…そんなイメージがありますね。

それが固まったうえで、広告なのか、インナーブランディングなのか、タッチポイントや手法は何になるのかを決めていきます。なので、議論の結果、コピーを使わないときもあるんですよ。

もちろん、コピーライターとしてのプライドはあるけど、コピーがファーストではない、というところも含めて、この仕事を捉えています。

ーーFUSIONでは、広告コピーではなく、コーポレートブランディングに携わっていますよね。MVVの策定において、難しかったことはありますか?

先ほど、FUSIONのことを“何でもボールが拾える”と称しましたが、だからこそ、FUSIONには決まった事業や商材の形がないんですよね。すごく掴みどころがなくって、どうしても紐づいた表現を探るのが難しいんですよ。

なので、FUSIONのなかにいる人をよく見るようにしていました。インタビューをしたり、ワークショップをやったり、一緒にいる機会を増やしたりして、大切にしている価値観やキーワードなどを時間をかけてじっくり抽出していきました。

ーー森下さんもFUSIONの一員として、なかに入られていたんですね。

当時はみんなのことを何もわかっていない状態からのスタートだったので、いかになかに入り込んで、いかにFUSIONのメンバーと過ごす時間を作るかは、すごく意識していましたね。自分もそのなかの一員として考えないと、やっぱりいいものはできないと思うから。

発展途上の真っ只中にある会社の言語化のお手伝いはしたことがなかったので、すごく新鮮で面白かったです。

現在は、業務に関わるときの判断軸となる「行動指針」を作っているところです。FUSIONの“らしさ”を出しつつ、バリューをちゃんと感じてもらうことを大事にしていて。

代表の前田さんや、森本さんはすでに答えを持っているはずなので、何度も話し合いながらプランニングをして、現在4ヶ月が経ちました。

ーー言葉を起点に会社をつくる。すごく大変なことだと思います。

責任重大だと思いますね、本当に。

普段は広告キャンペーンという、1、2週間で消えるものを中心に手掛けているなかで、会社の言葉というのは、一新しない限りはずっと残るもの。そして、メンバー全員がそれをみて、感じて、行動するものです。

人の人生をちょっとでも左右してしまうからこそ、勢いだけではできないし、担う役割はすごく大きいと感じています。「人の人生に関わることをやってるんだ」という感覚にヒリヒリさせられながら取り組んでいますね。

FUSIONは、やわらかく成長していける場所

ーー森下さんがお仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

良い空気で始めること。

僕はアイデアを考えるのが仕事なんですけど、打ち合わせをしていると、発言を控える人もいて、もったいないなと思ってしまうんですよね。年次が低いから自重するとか、萎縮するとか。

そのために、何でもない話をしたり、アイデアを否定せずに受け止めたり、アイデアを出しやすい空気感を醸成することを意識しています。特にチームだと、この空気感がアウトプットのクオリティに大きく関わるんですよね。

FUSIONでは、打ち合わせでコピーを出してくれるメンバーもいるので、すごくありがたいです。

ーーありがとうございます。最後に、これからFUSIONに入社を考えている方にメッセージをお願いします!

やりたいことがある人、新しい挑戦をしたい人には、すごくいい会社だと思いますね。若い子が中心になって引っ張っているので、責任重大だと思うけど、やり甲斐はすごくあると思います。

慣習やルールのなかでやっていると、無意識のうちに凝り固まってきちゃうし、柔軟に物事を考えられなくなってしまう。FUSIONはやわらかく形を変えながら成長している会社なので、みんなで挑戦していくことができる。

成長期の会社を一緒に見届けているので、子どもを見守る親のような気持ちです。若い世代も多い組織なので、「みずみずしい感性が素敵だなぁ」と思いながら、一緒にお仕事をさせていただいています。

今後も成長をサポートできたら嬉しいです。

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