スポーツエンターテイメント株式会社は、「スポーツの可能性を最大限に高める」という考えのもと、業界全体を巻き込むビジネス支援を展開中!
ベルギーサッカー一部リーグ・シント=トロイデンのスポンサー契約に加え、元日本代表の岡崎慎司選手が率いるFCバサラとも連携し、共に成長を目指しています。また、引退後のアスリートを支援するNewSPO.との協力を通じて、選手のセカンドキャリア形成に携わったり、Z世代に人気のYouTubeチャンネル「ReelZ LEAGUE」とのタッグで、スポーツとエンタメの融合を推進するなど多様な活動を通じてスポーツ業界に新たな風を吹き込んでいます。
今回は、その具体的な内容についてインタビュー。スポーツエンターテイメント株式会社の積極的なスポーツ支援の姿勢について深掘りします!
中川 喜正 / 代表取締役社長
1社目でコールセンター事業のノウハウを身につけ、2社目で同じくコールセンターの新事業立ち上げに関わり29歳で役員に。東証上場直前に独立し、スポーツビジネスを盛り上げることをミッションに掲げるSports Entertainment株式会社を設立。
ベルギーのサッカーチーム・シント=トロイデンとスポンサー契約
ーーシント=トロイデンとスポンサー契約されているとのこと。きっかけについて教えてください。
2019年にホームページの問い合わせからメールを頂いたのがきっかけです。「スポンサーに興味はありませんか」とのことでしたが、すぐには信じられませんでした。
ーー実はベルギーのシント=トロイデンというサッカーチームだったわけですね!
2017年にDMMが買収して、シント=トロイデンの経営権を持っていることは知っていました。その影響で、シント=トロイデンとスポンサー契約を結んでいる日本企業は多いようです。
海外のチームがどのような形で日本企業にアプローチしているか、単純に気になったのもあり…。最初は小口契約から始め、今ではスポンサー料も5倍に増やしています。
ーー営業利益に直結しないのに、スポンサー契約を決意した理由を教えてください
確かにベルギーのチームなので、直接的な利益効果はありません。それよりも、DMM・CEOである立石さんの考えに共感したのが大きいです。
彼は、日本サッカーが強くなるためには若いうちから海外へ出ていく必要があり、その足がかりとして海外チームを買収しました。その甲斐あって、シント=トロイデンには日本人選手が6人も在籍しています。
日本サッカーには強くなってほしいし、若手が育つ環境も整えてあげたい。その理念に共感し、少しでも貢献したいという想いからスポンサー契約を決めました。
ーースポンサーになってよかったことは?
名刺にロゴを入れられる、SNSで発信できる程度ですが、会社のアピールポイントが増えたと感じています。売り上げへの直接的なインパクトはありませんが、スポンサーとしてスポーツ業界へ貢献している証となりますよね。現地ではVIPルームでの観戦も可能です。
また、年に1回の報告会では、所属している日本人選手と触れ合う機会もあります。海外で活躍している選手と直接コミュニケーションが取れるのは貴重な体験です。名刺交換もしますし、出会いをきっかけに会社に興味を持ってもらえるといいですね。イベントでは、当時シント=トロイデンに在籍していた香川真司選手のスパイクが当たるという幸運にも恵まれました(笑)。
FCバサラのスポンサーも。契約を決めた背景とは
ーー元シント=トロイデンの岡崎慎司選手が持つ、FCバサラのスポンサーもされているとのことですね。
スポエンとして「ただお金を出すだけではなく、スポーツビジネスを通して一緒に成長していきたい」という想いがあります。岡崎選手、ひいてはFCバサラとはそこに互いに共感する部分があり、今年からスポンサーをすることになったんです。
岡崎選手とは、引退し帰国したタイミングで話す機会がありました。そのとき、これからFCバサラをどう成長させたいか?そのためにスポエンができることは何か?を話しました。
ーー具体的にはどんな話をされたのでしょう?
現状、選手たちの給料はお小遣い程度しか払えていないという課題があります。J3のチームの選手でもアルバイトをしながらでないと食べていけないこともあるくらい、給料面はサッカー業界全体としての課題なんです。
そこで、選手の働き口を作るためにスポエンが協力できないかという話をしました。具体的には、FCバサラの拠点である兵庫にスポエンの支店を置き、選手を雇用できる体制を整えたいと考えています。選手のセカンドキャリアを見据えると、スポエンの中で働ける環境を作ることで、現役時代からビジネスマンとして良い経験を積むことにつながるのではないかと思っています。
また、FCバサラはサッカーチーム事業の他に人工芝やグラウンドを作る事業もやっています。オランダにある、SDGsに適した画期的な人工芝のグラウンドが作れるシステムの総代理店のようなスタイルです。従来の人工芝は、芝の下にチップが敷かれていて、夏場だと照り返しで暑いうえに、チップが環境汚染につながることが問題にもなっています。一方でFCバサラが扱っているのは、チップの代わりに砂を敷いているため環境への害がありません。また、水はけを良くするための空洞構造があり、グランドの表面温度が上がりにくくなる機能もあります。この人工芝を国内で広めていくための施策も検討しているところです。
ーー他のチームのスポンサーも予定していますか?
サッカーに問わず検討中です。野球(独立リーグ)やバスケットチームなど買収の話は、よくいただきます。友人の経営者とは「知り合い同士でチームを買収し、お互いのチームが対戦したら燃えますよね」なんて話もしています。
実は、社会人1年目の目標が「サッカーチームのオーナーになる」でした。ベトナムなどGDPがこれから伸びる国のチームを持つのもありだなと、夢を描いています。
アスリートマネージメントを手掛けるNewSPO.と横のつながり
ーー引退したアスリートをビジネス的にサポートするNewSPO.と連携しているとのこと
NewSPO.さんは関西中心に活動する企業で、スポーツ選手が現役の時からビジネスリテラシーを高めるためのサポート事業を展開しています。現役時代から通販会社と一緒に商品開発をおこなうなど、副業で稼ぐことを考えていこうなどの取り組みが面白いですね。
弊社のコンセプトと方向性が一緒ですから、ビジネス連携の流れとなりました。
ーー具体的にはどのような形で連携していますか
NewSPO.さんとは、弊社サービス『スポアシ』と親和性が高いと感じています。コミュニティーで勉強しながらビジネス経験を積むなどのメリットがある。なかでも有名ではない選手のサポートを重視しています。スポアシを各地に広げるためにも有効で、フォローさせていただいています。
スポエンとしては、心斎橋にある『NewSPO.BASE』というスポーツバーの経営に携わっています。私個人、またスポエンとして、セカンドキャリアを考えるアスリートの中でも「一念発起して起業したい」といったチャレンジングな人を応援したいという想いがあります。これは、NewSPO.の代表である小澤さんも同じ想いをお持ちのようです。
そこで、現役アスリート向けのコミュニティ内で、今後起業したいと考える選手に向けて、経営を学んだり、NewSPO.BASEののれん分けのような形で新たにお店を立ち上げ、運営できるような機会などを提供していきたいと考えています。NewSPO.BASEが、セカンドキャリアを考えるアスリートに新たな選択肢を用意できる場になればいいなと。
NewSPO.さんが運営するアスリート向けのビジネスコミュニティでは、「自分はどんなビジネスに適性があるのか?」という自己分析や、「そもそもビジネスはどうやって始めるのか?」など幅広いカリキュラムが組まれています。実は、スポエンの社員もそのカリキュラムに参加させていただいているんです。
ーー社員がカリキュラムに参加する目的は何でしょう?
実際にコミュニティに入りインプットすることで、今後スポエンがスポーツビジネスの支援事業をしていく中で、「業界として何が課題なのか?」「どんなアプローチが必要なのか?」を擬似体験できると考えています。その体験の中で、今後スポーツビジネスを加速させるためのヒントを得てもらいたいのが一番の目的です。
スポエンに興味を持ってくれる人はスポーツビジネスをやりたいという人が多いですが、さらに一歩踏み込んで「何がやりたいのか?」までイメージできている人は少ないんです。そういう意味で、コミュニティに参加することによってスポーツ業界に入り込んで、「どう動いたらいいのか」「何をしたいのか」を具体的に考える場になるのではないかと思います。
ーーライバル会社ではありませんか?
横のつながりは重要です。連携すれば、展開が「早く」「濃く」「広がりやすく」なります。引退アスリートは、金銭面でみな苦労していますし、NewSPO.さんとは良い関係を築いてWin-Winでやっていきたいですね。
ーー中川さんがサッカー経験者だけあって、これまでのところはサッカーメインです。ほかのスポーツに対してはいかがでしょうか?
私がサッカー出身なので、どうしてもサッカーに偏る傾向がありますが、サッカーだけにこだわっていませんし、スポーツ全般にアプローチしていく予定です。スポエンの活動を、もっと広げていきたい。女性にもどんどん応募してきてほしいです!