近年、スポーツ業界はビジネス面でも大きく注目を集めています。
日本では、2015年にスポーツ庁が設置され、2025年までにスポーツ産業の市場規模を15兆円に拡大するといった目標が掲げられました。
しかし、権力が一極集中し、閉鎖されている日本のスポーツ業界。
この業界構造により、海外に比べてスポーツビジネス全体の金回りが悪く、業界の拡大が阻害されているのが現状です。
そんな中、「スポーツビジネスをブーストさせ持続可能な社会を実現する。」というMISSIONを掲げ、立ち上がったのがSports Entertainment株式会社(以下、スポエン)です。
スポエンはこのような業界構造を変え、「スポーツ業界の金銭流通の良好化を進める」ことをコンセプトに活動しています。
本日は代表の中川さんに、スポエンを設立するまでに至るストーリーや、スポーツ業界の課題、今後の展望について伺いました。
中川 喜正 / 代表取締役社長
1社目でコールセンター事業のノウハウを身につけ、2社目で同じくコールセンターの新事業立ち上げに関わり29歳で役員に。東証上場直前に独立し、スポーツビジネスを盛り上げることをミッションに掲げるSports Entertainment株式会社を設立。
仕事もスポーツのように熱狂したい!上場企業役員の地位を蹴ってまで実現したかった仕事とは
ーースポーツビジネスに関わる事業を展開する「Sports Entertainment株式会社」を設立した中川社長。ご自身とスポーツとの関わりは?
小学校の頃から本気でプロを目指し、サッカーチームに所属していました。小学校からトレセンにも選ばれ、元日本代表の松井大輔選手を始めとしたスタープレーヤーと肩を並べてサッカーができたことはいい思い出です。高校ではサッカー強豪校の東海大学付属大阪仰星高校のサッカー部に所属。大阪の県大会では優勝も経験しています。
ただ、本気でやっていたからこそ、高校時代に自分とプロのレベルの差を痛感し、挫折。プロサッカー選手になることは叶いませんでしたが、私にとってサッカーに青春を捧げたことが、間違いなくビジネスマンとしての姿勢に影響しています。常に上を目指して熱狂したい…そんな風に仕事へ情熱を持てるのもサッカーのおかげだと思っています。
ーー大学卒業後、コールセンターの営業部門に就職とのこと。そこでの経験を教えてください
光通信の営業部門で採用されたのですが、新しいコールセンターの立ち上げに伴い、関西で採用された200名が1年目から過疎化の激しい鳥取へ赴任することとなりました。あからさまにチームの士気が下がっており、雰囲気は最悪でしたね。
そんな中、当時の上司から「今日から鳥取が首都になるほど、泥臭く成果を上げていこう」と力強い言葉をもらい、一気に目が覚めました。スマートにかっこよく仕事をしようとしていた価値観が覆された瞬間です。その上司が私のビジネスの師匠ともいえるかもしれません。結局、その上司が独立する際についていったのが2社目になります。
ーービジネスの師匠と仰ぐ上司が新事業を立ち上げたので転職。上場直前まで会社を大きくするのに貢献したとのことですが、そこに至るまでのストーリーをお聞かせください。
その上司が立ち上げた企業は、主にアウトバウンドを中心に営業代行をしており、クライアント企業の代わりに新規提案や解約の防止など泥臭い部分の営業を請け負っていました。
前職の経験を活かし育成や管理を中心に、最終的に300人ほどのマネジメントを任されるようになり、29歳では役員にまで上り詰めました。
そして、3年後には上場を見据えるところまで事業成長します。時価総額は400億円。そのまま上場までいれば、数億円のストックオプションがもらえる予定だったのですが…(笑)。
ーー上場まであと少しというところで独立されたんですよね。上場企業の役員・数億円のストックオプションを捨てて…普通ならそのタイミングで独立しませんよね(笑)。
クレイジーだと言われましたよ(笑)。12年間勤めましたし、愛着もありました。しかし上場のためには、上場の条件に合わせた社内体制を整えていく必要があり、自分の望む方向とのズレを感じました。
また、投資ファンドが入ってきたタイミングで師匠である創業者も抜けて、上場自体が目標のようになっていました。上場まで必要な期間が2~3年、上場後は3年間やめないのが条件でしたから、約5~6年を納得いかないまま過ごすのはもったいないと感じたんです。
当時38歳。40歳になる前にチャレンジしよう、5年あればなんとかなる、そう考えました。やるなら今だなって。
『スポーツビジネスをブーストさせ持続可能な社会を実現する』をミッションに掲げて起業!スポーツへの熱い想いと業界の課題とは
ーー起業のきっかけと社名の由来についてお聞かせください。
母校である東海大学付属大阪仰星高校サッカー部が全国大会でベスト4になり感動したこと。そしてロシアW杯の観戦で「スポーツの熱狂には社会を変える力がある」と確信したこと、このふたつが背中を押してくれました。
学生時代サッカーに人生を捧げていた自分を思い出し、人生を捧げられる程熱狂しながらビジネスがしたいと感じさせられました。そこでコールセンタービジネスの経験を生かして、大好きなスポーツに還元できるビジネスを作りたいと起業しました。
社名は「スポーツ」と「エンターテイメント」を合わせた『Sports Entertainment株式会社』、略して「スポエン」です。スポーツに熱狂するように仕事も楽しんでほしいという願いも込めています。
ーースポーツは熱狂や勝利の部分ばかり注目されて、ビジネス的な側面は最近まで取り残されてきた印象です。中川社長から見たスポーツビジネス界の現状や問題点について教えてください。
自分でサッカーチームの経営をしようかと考えたこともあります。しかしビジネスとしてやっていくのは難しいと気付きました。その理由は、海外とは違う日本のスポーツビジネス界の"構造"にあります。
欧米の場合、ビジネスに長けているチーム運営会社が多い反面、日本では権力が一極集中し閉鎖的です。大手の広告会社が独占している状況で、一部の超一流アスリートでないと資金が回ってきません。
そこで業界構造をぶっ壊し、スポーツ業界の金銭の流動化を進めたいと考えています。日本のあらゆるスポーツビジネスに介在し、持続可能なビジネスへと昇華させ、ひいては持続可能な社会を作るきっかけを創出したい、そんな風に思っています。
ーー持続可能…つまりSDGs的な視点からもスポーツビジネスを考えているということですよね?
ユニセフが掲げる SDGsには17の目標があります。そのなかでも地域格差や安全な水とトイレの問題、人々や国の間の不平等をなくすなどに注目しています。
「スポーツは国境を越える」といえばありふれた表現になってしまいますが、オリンピックやワールドカップでは、国境や国際情勢を越え、正々堂々と戦い、お互いを称え合う選手の姿が印象的です。あのスポーツ特有の瞬間に、私は希望を感じています。
ーースポーツ業界の金銭的な流れを良くするとおっしゃいましたが、現時点での資金的な課題はどのような点でしょうか。
スポーツ業界はプレイヤーとファン、そしてスポンサーの3つで成り立っています。スポンサー企業からの支援金とファンが支払う観戦料とで支えられていますが、これ以上ファンの負担を増やすのは難しいと考えています。
そこで、いかにスポンサーに資金提供してもらうかが重要なわけですが…。しかし現時点では十分な価値を企業側に提供できないのが課題です。そこで、顧客へのアピールやスポンサー商品の購入へ至る部分を弊社が担い、スポーツビジネス界のお金の流れを変えさせるためさまざまな取り組みをしています。
ーー課題解決のために取り組んでおられる具体的な方法について深掘りさせてください。
大きく分けてふたつです。ひとつが企業とファンをつなぐスポーツ支援、もうひとつがプレイヤーのセカンドキャリア支援です。
前者の事業は「スポアシ」と名付けて、企業と日本全国のローカルチームをつなぎ、最適なスポンサーマッチングを実現するプラットフォームを運営しています。ファンの囲い込みや企業ブランドイメージ向上、地方で展開するための戦略などを請け負い、地域自治体との連携やメディア取材など、企業がスポンサーとしてのメリットを感じられるようバックアップしていきます。
スポアシ事業について紹介している記事はこちら!
実は、弊社もサッカーベルギー1部リーグのチーム、STVV(シント=トロイデン)のスポンサーをさせていただいています。岡崎慎司選手やシュミットダニエル選手を始めとした多くの日本人選手が所属しているチームです。
STVVの日本公式HPはこちら!
2020年9月からSTVVのスポンサーをしています
他にも、弊社の顧問弁護士が関わっている野球チームの立上げにも協力いたしましたし、愛する母校である、東海大学付属大阪仰星高校のサッカー部も支援しています。会社として、今後も地域のスポーツチームから世界的なプロチームまで規模の大小にとらわれずサポートできればと考えています。
もうひとつがアスリートののセカンドキャリア支援。近年セカンドキャリア支援として、アスリートと企業をつなぐエージェントサービスが増えてきました。もちろん、こういったエージェントサービスも非常に価値のあるサービスでありますが、弊社ではよりポテンシャルを発揮できる選択肢を提供すべく、企業をつなぐ支援ではなく「起業の支援」を行います。
最近では、アンドレス・イニエスタ選手が「スポーツの力」を通じて日本にポジティブな影響を与えるために設立された会員制オンラインクラブ「 ALLSTARS CLUB」へも参画しています。スポエンは、オンラインクラブの企画・営業部門を管轄しており、サッカー業界の発展を推し進めています。
ALLSTARS CLUBの公式HPはこちら!
スポーツで熱狂するように仕事に情熱を!高い目標に向かってスポーツビジネスをブーストさせる
ーー中川社長が経営において大切にしていることについてお聞かせください。
私が経営において大切にしていることは次の3つです。1つ目が「泥臭いことをやっていく」。人がやりたがらないことにビジネスチャンスはあります。
そして2つ目が「人を大切に」です。社内外問わず、人を大切にすることで応援してもらえるようになると実感しています。会社は社員の力だけで大きくしていけません。スポーツファン、スポンサー企業、スポーツをする子どもたち、その親御さん、自治体など人との出会いやつながりを大切にし、一緒にスポーツビジネスを盛り上げていきたいと考えています。
3つ目は「ひとり一人の人生を有意義に」。スポーツを通じて豊かな人生になるようサポートすること。ファンもプレイヤーもどちらの人生も有意義なものになるよう力を尽くしたいと思っています。
ーー人とスポーツに対する情熱が伝わる経営方針ですね!求めている人材は、やはりスポーツ経験者でしょうか?
もちろんスポーツ経験者は歓迎いたしますが、そこにこだわってはいません。観戦や応援するのが好きであれば、スポーツビジネスを盛り上げていく共通の目標に向かっていけるはずです。
また、それぞれの目標設定に合わせてキャリアアップしてもらいたいと考えています。もちろんやる気がある人には責任や権限も持たせて、突き進んでいってほしいですね。もちろん学歴、職歴などは問いません。想いと熱量があれば大丈夫。大切なのは「成長したい」「人生を変えたい」「夢を叶えたい」という強い想いです。
1からビジネスを学べる弊社では、着実に一流のビジネスマンを目指す方にぴったりの環境です。仕事にコミットするなかで人間性を磨き、リーダーシップを身につけてもらいたいと思っています。
ーーやる気や情熱がある人材ならスポーツ経験者でなくても大丈夫とのこと。ビジネスマンとして入社後の道筋などはありますか?
弊社では、夢を叶えるトップビジネスマンになるための8つのステップを準備しております。それが次の8つです。
①トップセールスになれ
②チームを達成に導け
③チームリーダーを輩出しろ
④新業務を立ち上げろ
⑤年商1億の壁を越えろ
⑥新プロジェクトを発案、計画、実行しろ
⑦年間予算を達成させろ
⑧新事業(新会社)を設立しろ
まずはビジネスマンとしての基盤を身につける為、トップセールスになるべく、愚直に個人の成果にコミット。その後、チームや事業の成果に責任を持つマネジメント人材としてご活躍いただき、最終的には、新事業(新会社)を設立し、社会にインパクトを与えられるビジネスマンを目指していただきます。
ーー力強さとスピード感がありますね!成長を続けるなかで、現段階の課題を教えてください。
現場のリーダーが足りていません。チャレンジ精神があり、スポーツに熱狂できる人を求めています。プレイヤーの経験がなくても、スポーツに情熱を持てる人なら大歓迎です。それでいうと、先日のWBCを身を乗り出しながら観戦していたような方は、弊社で熱狂できる気概があると思います。
地域の子どもたちのスポーツクラブでは、グランドが足りないなど運営に苦労しているチームも少なくありません。そういった身近な課題から、プロチームのスポンサービジネスまで、幅広くスポーツビジネスに関わる問題を解決していきたいと思っています。
『スポーツビジネスをブーストさせ持続可能な社会を実現する。』この目標に賛同していただき、ともに情熱を持ってスポーツビジネスを盛り上げたい方は、ぜひ応募してきてください。