私たちが取扱い商品の多くがトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品です。
これらは10tトラックで入荷するんですが、手積み手降ろしなんです。
手積み手降ろしはたいへんな作業ですよね
(西岡)
めちゃめちゃたいへんです。10tトラックに400~600ケースのダンボールがパンパンに積まれてきますので、荷降ろしに1.5時間くらいかかります。特に夏場はたいへんな作業です。
どうしてパレットで運ばないのですか
(西岡)
パレットで積載すると積載数量が減ってしまいます。ダンボールサイズが小さなもので10%、大きめのものだと20%積載効率が落ちてしまうのです。かさばるわりに価格が高くないので、商品コストに占める物流比率が高く、なかなかパレット利用が進んでいません。
また、パレット積みするメーカーさんも専用のパレット積み機械や設備を導入する必要があり、多くの投資が必要になることもパレット利用が進まない原因になっています。
生活必需品で消費者のみなさんも価格に敏感な商材なのでなかなか値上げも進まずでして、業界的な課題がある状態だと思います。
パレット利用はかなり先になるということですね
(西岡)
そうなのですが、配送頂くスタッフのみなさんが高齢化していることや、働く環境の改善を考えると、放っておくわけにもいきません。そこで、パレットでの配送を受ける準備だけは先にしておくことにしました。
2023年2月にメーカーさんにも協力いただき、2度ほどパレット入荷のテストをしました。荷降ろししやすいパレット積載方法や、効率的な荷降ろし方法などノウハウを蓄積できたので、いつパレット入荷を要望されても対応できる状態になっています。
何が一番の課題になるのですか
(西岡)
パレットの循環をスムーズに実現することです。パレットで入荷すると、パレットを管理し、入荷した時のパレットをまたメーカーの工場に持っていく仕組みをつくる必要があります。レンタルパレットを使うのが一般的なのですが、コストを試算したところ大赤字になることがわかりました。
何か対策はありますか
(賢治)
①パレットをメーカーさんの工場まで運んでくれる配送業者さんを見つけること
②廃棄予定のパレットを活用しパレットを管理しきらないという運用をつくること
で検討を進め、コストを下げて運用できる目途がたちました。
将来的にはレンタルパレットで運用することになると思いますが、完全にパレット運用になるまでの移行期には、有効な配送手段になりうると思います。
今後の展開で考えていることはありますか
(賢治)
パレット配送のやり方も現時点では標準化されていないので、今後も各社がいろんなアイディアを出してパレット配送の仕組みができてくるといいと思います。私たちも今考えているやり方がベストだとも思わないので、みなさんと情報交換して進めていけるといいですね。取り扱っている商品が、生活に欠かせないものなので、私たちも当事者意識を持って、消費者の方に届け続けられる環境づくりに貢献できればと思います。