【モンラボ解剖シリーズ#3】「社会的立場の弱さ」を感じた浪人時代から、「日本は合わない」とセブ島で新卒就職。若きマーケターが“1人で生きる” ための挑戦
「モンラボ解剖シリーズ」第三弾です。今回はモンスター・アカデミアでマーケターとしてお勤めの柳谷柚希乃さんにインタビューしました。
柳谷さんは現在、2019年2月に開校した、セブ島初のデザインスキルと英語を学べる学校、Monstar Academia(モンスター・アカデミア)のマーケターとして広く活躍されています。
浪人時代に、「学生でもなく、社会人でもない」という社会的立場の弱さに気づいてからが転機だった。
ー現在のお仕事について教えて下さい。
はい。モンスター・アカデミアでマーケターとして働いています。
マーケターという肩書きではありますが、基本的には何でもやっています。SNS広告やデジタル広告全般の管理から、モンスター・アカデミアにご留学される生徒さん向けの英語カリキュラム作成の統括をしたり、契約書周りのチェック、採用やモンスター・アカデミアの運営管理業務、それからバックオフィス系業務を担当しているフィリピン人メンバーのマネジメントも行っています。
ー本当に“なんでも屋さん”ですね。(笑)
そうですね。デザインや開発などの技術周り以外は基本全般的に担当してます。
ーそもそも、なぜセブ島に?
フィリピンの大学に留学していたというのが大きなきっかけでしょうか。高校生のとき、大学に進学する前に浪人時代を経験したのですが、その1年で、「学生でもないし、社会人でもない」という自分の社会的立場の不安定さを強く感じました。そのときに、「社会で生きることができるスキルを身につけよう」と心に決めました。
しかし、大学進学後、周りにいる学生のモチベーションの低さを感じて、自分もそんな周りに流されて無気力になってしまったんですよね。スキルを身につけるという夢を叶えるために大学に入ったのに、「どうしてここにいるのだろうか」、「ここに居て本当にいいのだろうか」という気持ちになってきて。そんな自分を変えたくて、フィリピンのドゥマゲッティというところに、夏休みを利用して語学留学に行くことにしました。それがフィリピンとの初めての接点でした。
ーそうだったんですね…!そこでは、どんな体験をされたんでしょうか?
フィリピンのサリサリストア(日本の売店みたいなもの)で働いている、同学年の人と話すことがあったんです。彼女は、大学に行くためにそのサリサリストアで働いていると言っていたんですね。大学で無気力になりつつあった私は、4年間大学に通い続けるというのは両親との約束だったんです。だから、通いたくて学校に行っているわけではなかった。そんな自分の立場からして、学校に行けることが当たり前ではなく、世界からしたら“すごいこと”だということがとても衝撃的で。日本で自分がしている「当たり前」のことが、彼らにとっては当たり前ではないということを身をもって知った瞬間でした。
日本のルールに対して、周りの人が誰も違和感を持たないことが気持ち悪かった。
ーなるほど…!その後は?
浪人時代に、大学に進学できなかったら海外に出ようかなと思っていました。実際に大学に進学して、海外に来てみて、改めて「日本は合わないな」と思ったんです。大学進学を1つとってもそうですが、日本で言われる“ルール”が合わないなと思ってしまって。そのルールに対して、周りのだれもが疑問を持たないことにも違和感を持っていました。社会への疑問が常にあったと言うんでしょうか、日本を出るほうが生き生きできるかなって。
海外に出るにあたって英語力は欠かせないと思っていたのですが、一緒の学校に通っていた日本人の友人が英語がペラペラで、まずは自分もあんな風に話せるようになりたいなと思いました。そのために日本語を話さない環境に身を置きたいと思い、外国人も多くいる大学があると聞いて、大学4年時にフィリピンの大学に留学することを決めました。
ーものすごい行動力ですね。大学卒業後はどうされていたんでしょうか?
大学を卒業後、3ヶ月くらいフィリピンでインターンをしていました。そこでマーケティングについてを学び、実務も行っていたので、日本に帰ってからもマーケティング職につけたらいいなと思っていました。しかし既卒だったのでなかなか採用してもらうことが難しくて。新卒枠でも就活をしていたのですが、なんだか違和感があったんですよね。そもそも黒髪で黒いスーツで就活するのが嫌だったし、自分をアピールするということが画一化されている社会が、そもそも人の個性を潰していると思っていました。
型に則って就活をしていましたが、一緒に就活していた周りの人たちの言っていることがなんかふわふわしていると感じたんですよね。入社する前でも、入社したあとでも、この人達と”比べられるのが嫌だなと思って、就職活動を辞めてしまいました。
ーなんと。随分な思い切りですね。
そうですね。改めて考え直して、そもそも日本を飛び出したいという気持ちがあるのに、思っていることと自分の行動が矛盾しているなぁと思い始めて、日本ではなくて海外で働こう!と決め、海外就活に切り替えました。
自分を一人の人として見てくれた。それがモンスター・アカデミアだった。
ー海外就職すると決めて、なにからはじめましたか?
SNSで「フィリピン企業まとめ記事」みたいなものを見つけて、とりあえずそこに載っている会社にかたっぱしからレジュメを送りました(笑)。10社くらいでしたかね。そのなかのひとつにモンスター・アカデミアがありました。
ーそうだったんですね!
レジュメを送ったのち、返事が帰ってきたのは2社。モンスター・アカデミアから返事が来て、山口(モンスター・ラボ セブ拠点代表)と神子(モンスター・アカデミア COO)と話すことになりました。
日本で就活していた時、企業の方とお話していると、自分が若者だからといってかなり上から目線の態度を取られることもあったのをよく覚えています。モンスター・アカデミアの面談や面接では全くそんな感じがなくて、“一人の人”として話を聞いてくれました。
「スキルを身につける」ということをずっとしたかったので、入社を決めたら長く働くことができる企業が良いなと思っていて、働く人を重要視していました。話していて、「この人たちと働いたら楽しそうだな」と思ったんですよね。それがモンスター・アカデミアで働くことを決めた理由です。ここで働くことができたら、良い信頼関係を築きながら長く働くことができるだろうなと思いました。
ルールが決まっていないからこそ、自分が決める。それを楽しめる人が来る場所。
ーモンスター・アカデミアで働く魅力はなんでしょうか?
良くも悪くもルールが決まっていないところです。会社のルールそのものもそうですし、モンスター・アカデミア自体会社としての歴史が浅いので、決まっていないことが多くあります。それを自分たちで、自分が作っていくというところが楽しいですね。
仕事の仕方としても、「意思決定をしてほしい」というような任せ方が多く、裁量の大きさというところでは自分にあっているなと感じます。一方で、自分が考えたことが遂行され、それがモンスター・アカデミアの生徒さんに影響すると考えると、震えるような気持ちで意思決定をしています。その積み重ねが、ビジネスパーソンとしての成長につながっています。自分の意思決定が目に見えるというところがやりがいですね。
ー「スキルを身につける」というご自身の夢に関してはどうでしょうか。
そうですね、自分がやっていくごとに壁を感じています。マーケティングという職種は自分ひとりしかいないので、「これでいいのか」と日々自分に問いかけながら仕事をしています。常にどんなマーケティング施策があるのか調べて、どこかしらモンスター・アカデミアに活かせないかと血眼になって日々を過ごしています。
加えて、モンスター・アカデミアは少数精鋭のチームなのですが、それでも1人ひとりがモンスター・アカデミアに関わる目的やビジョンを持って仕事をしているというのが良いなと思っています。1人では出来ないことも、このチームで解決する、チームで成し遂げることができるという部分に楽しさを感じたりしています。
ー柳谷さん自身の、今後のビジョンについて教えて下さい。
私は、自分の人生のなかで、誰かに頼りたくないと思っているんですよね。自立したいという気持ちが強いというか…。結局最後に信用できるのは自分しかいないと思っていますし、人は感情の生き物なので、時間の経過につれて変わっていくものだと思っています。会社に属してこそいるものの、それが当たり前にならないようにしたいです。自分のやりたいこと、自分のスキルをもって利益を生める人になりたいと、そう思っています。
ー最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
素直な人、そして考えることができる人です。仕事をしていると、正解がない中で答えを求められることが多くあります。特にモンスター・アカデミアは、かちっとルールやフローが決まっていないことが多く、正解がない中で答えを出す上でもさらに難易度は高いと思うので、自分で考え抜くことができる人が向いているなと思います。考えて作り出せる人。そういう人と働きたいなと思っています。
モンスター・アカデミアは、なんらかの留学経験があって、その経験によって人生が変わった経験を持つ人たちが集まっています。そういう熱量を持った人たちの中で働くということはとてもワクワクしますね。日本という国を飛び出してみたいという人は、ぜひ来てみてほしいです!