こんにちは、U.S Inc.の朝本です。
今回は企業ブランディングの中で特に重要な「インナーブランディング」の目的や役割、U.S Inc.ならではの浸透プロセスについてご紹介します。
企業ブランディングの浸透プロセス全体像
企業ブランディングの浸透プロセスは、CI(コーポレート・アイデンティティ=理念やブランド戦略)の策定、ブランディングプランの設計と実行、ブランド浸透モニタリング調査、そしてプランの磨き込みや改善、の大きく4つのプロセスから成り立っています。
今回は「ブランディングプランの設計と実行」のプロセスにおいて、インナーブランディングをどのように浸透・実行していくのが良いか、この点について深掘りしてご紹介したいと思います。
−企業ブランディングの浸透プロセス全体像
インナーブランディングにおける課題設定とは
経営企画や広報部門がリードしながら、さまざまなインナーブランディング施策を行っている企業様から、
「インナーブランディングが浸透している実感を持てない」「組織や個人によってバラツキがある」「取り組みがうまくいっていない」というご相談をよくいただきます。
多くの場合、インナーブランディングにおける課題設定が不十分だったりします。そのため施策が空振りに終わることも多く、求める効果を得られていないといったケースです。まずはどこに課題があるのか?そもそも浸透すべきブランド戦略が確立されているのか?従業員に伝わっているが腹落ちできていないのはなぜか?など、さまざまな視点から、インナーブランディングにおける課題を探るプロセスが重要です。課題設定に際して、U.Sでは独自のフレームを活用しています。
インナーブランディングの課題設定における8つのチェックポイント
インナーブランディングにおける課題設定のポイント
もし現在、企業の理念・価値観が存在していない場合は、前述のとおり CI(コーポレート・アイデンティティ)の策定から取り組むことが重要課題になります。あるいは、CIは確立できているが、それを体現する従業員の割合が少ない、という場合は、企業活動においてどのプロセスにおいてそれが顕著にあらわれているかを分析する必要があるでしょう。
また未来の視点も重要です。企業が5年後10年後の未来にどんな状態でありたいのか、顧客にどんな価値を提供する企業になっていたいか、という「ビジョン」を明文化できているかどうか、それは浸透しているかどうか、を分析し、必要に応じて解決策を講じる必要があります。
そして、未来のありたい姿の実現に向かって、従業員がどんな行動をとるべきか、企業が従業員に対してどんな創意工夫を求めているのか、明文化する必要があります。それが、できていない場合は、重要課題と捉えてよいでしょう。
上記の観点で、課題とゴールイメージを設定すること、またそれらを解決するインナーコンセプトのKGI/KPIの設計を行うことが、インナーブランディングの成功の鍵となります。
インナーブランディングが浸透することでもたらす価値
最後に、U.Sで取り組んだインナーブランディング事例の中から得られた、インナーブランディング浸透により企業にもたらす価値についてご紹介します。
−インナーブランディングがもたらす価値と循環サイクル
インナーブランディングを設計・実施するプロセスでは、経営層や従業員が会社の未来をともに描く、という体験が生まれます。このプロセスにおいて部門や部署を超えた「共創」の機会が生まれます。
このプロセスを経て、多くの企業が、従業員同士の「関係の質」が向上するケースがほとんどです。そして従業員同士の「関係の質」が向上すると、「思考の質」が向上し、「行動の質」が向上し、「結果の質」が向上するという組織の循環サイクルが生まれます。結果的に、企業の収益性を向上につながることで、さらなる「関係の質」が強化されるという流れです。
「組織の成功循環モデル(ダニエル・キム)」でも知られているように、こうした組織の良い循環サイクルを生むために、インナーブランディングを起点に、企業のブランディングを構築されることをおすすめします。