起業家としての原点を築く①

起業を目指すうえで最も重要なものは何でしょうか？資金力、アイデア、スキル、ネットワーク――これらは確かに重要ですが、それだけではありません。これらを活かし、困難を乗り越え、成功へと導くためには「志」が不可欠です。志とは、単なる願望や目標ではなく、人生の指針となる強い意志や信念を指します。志があることで、どのような挑戦にも自信を持って立ち向かうことができ、他人を巻き込みながら変革を起こす原動力となるのです。

志が起業の成功を左右する理由

起業は、自由や成功を求める旅のように語られることが多いですが、実際には予測不能な困難がつきものです。資金が足りなくなったり、顧客に満足してもらえなかったり、競合に追い抜かれることもあります。こうした試練に直面したとき、「なぜ自分はこれをやっているのか」という問いに明確に答えられる人ほど、立ち直りや再挑戦が早いと言われます。それが志の力です。

志のある起業家は、目の前の問題を超えた「大きな目標」を持っています。この目標が、たとえ困難な状況に直面しても方向性を見失わず、進むべき道を教えてくれる羅針盤のような役割を果たします。たとえば、単に利益を追求するだけではなく、「社会課題を解決したい」「人々の暮らしをより良くしたい」という大義があれば、どんな逆境でも諦めずに努力を続けることができるでしょう。

志はどこから生まれるのか？

志は突然湧き上がるものではありません。多くの場合、自分の経験や価値観から生まれます。たとえば、幼少期の困難な経験、家族や友人の影響、あるいは旅行や学びの中で出会った刺激的な瞬間が、後の志を形成する種となることがあります。具体的には、「家族が病気で苦しむ姿を見て医療分野で事業を立ち上げたいと感じた」「子どもの頃に夢中になったゲームを通じて、エンターテインメント業界で新しい価値を提供したいと思った」など、自分自身の背景や情熱が志に直結することが多いのです。

ここで重要なのは、自分の経験や感情にじっくりと向き合い、それを深く掘り下げることです。なぜその経験が心に残ったのか、どのように感じたのか、そしてその出来事がいまの自分にどんな影響を与えているのかを考えることで、自然と自分の中の核となる志を発見することができます。

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