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「採用ができない言い訳をしてはいけない」:シャクルトン求人広告から考える人を動かす求人とは

はじめに:採用を諦めているスタートアップ経営者へ

経営において重要な要素の一つが採用です。それはスタートアップにおいても例外ではありません。勿論、あなた自身が営業をし、マーケティングをし、サービスの質を向上させていくことは経営の初期段階では重要です。

人には向き不向きがあります。経営の初期段階においても、自身の右腕と呼べる人材を見つけ、お互いの強みと弱みを補完し合いながら会社を伸ばすために必要な条件を揃えていくことができれば着実に事業を伸ばしていくことができるでしょう。

しかし、「スタートアップだから」「大した事業をしていないから」といった理由で、優秀な人材の採用をあきらめていませんか?

そんなあなたに、伝説の求人広告から学ぶべき教訓があります。それは、企業の規模や歴史は、採用において必ずしも大きな要因ではないということです。



シャクルトン求人広告:極地探検への挑戦状

20世紀初頭、南極探検隊を率いていたアーネスト・シャクルトンは、壮絶な遭難を経験した後、新たな探検隊を組織するために、驚くべき求人広告を出しました。

その広告にはこう書かれていました。



Men wanted for hazardous journey. Low wages, bitter cold,long hours of complete darkness. Safe return doubtful. Honour and recognition in event of success.

求む男子。
至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の続く日々。絶えざる危険。生還の保証なし。
ただし、成功の暁には名誉と称讃を得る。

この広告の要素は以下の通り

  • 報酬は少ない
  • 命の危機もある極寒の地
  • 孤独な冒険が長期間続く
  • 帰ってこれる保証はなし
  • 成功の可能性は低い

これほど過酷な条件にも関わらず、シャクルトンのもとには多くの志願者が集まりました。なぜでしょうか?

それは、シャクルトンが単に探検隊を募集していたのではなく、困難を乗り越え、未知の世界を切り開くという、壮大なビジョンを提示していたからです。



企業の規模や歴史は関係ない、本当に求められるものとは

シャクルトンの求人広告から学ぶべきことは、3つあります。

まず1つ目は、ビジョンが人を動かす、ということです。企業の規模や歴史よりも、魅力的なビジョンこそが優秀な人材を惹きつけます。

2つ目に、困難を乗り越える覚悟や挑戦し続ける姿勢が人々を惹きつけるということです。金銭的な対価は必要な要素ではありますが、共感を集めるには不十分です。

最後3つ目に、危険も時に必要だということです。現代において、死に瀕するような極限状態である必要は勿論ありません。しかし、危険があるからこそ自分が一歩を踏み出す勇気が必要であり、それをやり遂げる大志を抱くことができます。

現代においてはこの求人の”南極大陸”というものそのものがなくなりつつあります。危険はなく、情報に溢れている。自分自身で一歩を踏み出す、名誉を得る、ということではなく求められた答えを出す、ということが重視される世の中です。

しかし、経営者に求められることはまさに自分にとっての”南極大陸”は何かを見つけ、それを絶えず目指すことです。そしてそこへ共に行く仲間を自分の手で集めることができなければ、到底たどり着くことはできないでしょう。

もしもあなたが経営をするならば、どんな南極大陸を目指し、どのようなコピーで仲間を集めますか?



中小企業やスタートアップが採用で成功するためのヒント

中小企業やスタートアップ企業が、大企業と肩を並べて優秀な人材を採用するためには、南極大陸が必要だとお伝えしましたが、もう少し紐解いていきましょう。

ポイントは4つ、自社の強みの明確化、大義性の訴求、成長可能性の明示、組織文化の醸成です。

まず何よりも経営は経営者の強みを根本としてなくては立ち行きません。あなたが本当にやる意味があることをすることで最大の結果を得られます。

そして、事業に大義があり、今後成長していくことが出来なければ共感は集められず、共感者・支援者を集めることは叶いません。

最後に組織文化の醸成です。会社として向かうべき方向性と、社員一人ひとりが目指す方向性が合致しているときに、確固とした組織文化は醸成されます。そのためのコミュニケーションは欠かせない要素だと言えるでしょう。



まとめ

中小・ベンチャー・スタートアップだから良い人を採用できない、という事実はありません。

給与面、福利厚生面で言えば大手には負けるかもしれませんが、人にとっての報酬とはそれのみではないのです。今回取り上げたシャクルトンの求人広告の例しかり、共感を集める採用ができれば企業の規模や歴史に関係なく人々の心に響くメッセージを発信することができます。

シャクルトンが証明したように、困難な状況でも、強い意志と魅力的なビジョンさえあれば、優秀な人材を集めることは可能です。

そのための自分の強みの理解、外的要因の理解が必要なことは言うまでもありません。そんな経営において根本にあたる内容を弊団体が山梨県より委託を受けて開催する勉強会(ミートアップ)にてお伝えしております。

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