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都心勤務を続けながら田舎暮らしができる「青梅市」。最大100万円交付の各種支援制度もあり、移住者が増加中

ここ数年のテレワークの普及をきっかけに、会社に通勤する機会が大幅に減り、「都心に住む理由がなくなった」と考える人も多いのではないでしょうか。実際、広い住まいや豊かな自然環境を求めて、都会暮らしから“地方”へと移り住む人が増えています。そんな移住先として注目されている町が、東京都の北西部に位置する「青梅市」です。

青梅市は “都心に近く、住み心地のよい移住地” として、今20代〜30代の夫婦やカップルを中心に注目を集めています。今回、移住者が増えている理由でもある「青梅市の知られざる魅力」について、青梅市地域経済部シティプロモーション課シティプロモーション係・係長の白鳥美樹子さんにインタビューを行いました。移住を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

青梅から新宿まで、電車で約60分。終電も遅くまであるから安心

ーーまずは、青梅市の立地・概要について簡単に教えてください。

青梅市は東京都の北西部に位置しています。人口は約13万人(2023年9月現在)。市域の60%は森林で秩父多摩甲斐国立公園の玄関口にあり、豊かな自然環境に恵まれています。登山が好きな方であれば一度は登ったことがある御岳山や高水山などに代表される美しい山々、そこを縫うように、多摩川が西から東へ流れ、その扇状地に市街地がかたちづくられています。東京都内なのに豊かな自然がありつつ、市街地の便利さも共存しています。それが、青梅市の最大の魅力です。

ーー都心部にはどれくらいでアクセスできるのですか?

JR線(快速)に乗れば、JR新宿駅までは約60分、JR東京駅までは約70分でアクセスできます。JR新宿駅からの終電も23時47分(平日)と遅い時間まであるため、都心に勤務されている方も安心だと思います。自家用車をお持ちの方であれば、青梅市には圏央道の青梅インターチェンジがありますので、埼玉や神奈川、山梨などの近隣県にも車で気軽に遊びに行くことができるんです。日帰り旅行を楽しまれる方も多いですよ。

自然だけでなく、生活に便利な商業エリアもあり、とても住みやすい

ーー青梅市は大きく「里山」「市街地」「旧宿場町」の3エリアに分かれているんですね。

そうですね。まず多くの人が思い浮かべると思うのですが、青梅市の象徴である大自然に囲まれた「里山エリア」。秩父多摩甲斐国立公園の玄関口にもなっており、全国名水百選にも選ばれた「御岳渓谷」、登山客が多く訪れる「御岳山」や「高水山」など、自然の美しさを存分に感じていただけるスポットが多いです。先ほどお話ししたように山の間を川が流れているので、そのせせらぎを聞きながら生活ができるというのも里山エリアの魅力です。

「市街地エリア」は青梅市の中でも特に栄えている地域で、市の東部の扇状地部分に広がっています。青梅市役所や市立青梅総合医療センター、大型スーパー、ホームセンター…とさまざまな商業施設や公共施設があるため、市街地に来ればほぼすべての生活用品が手に入ります。とても便利なエリアですね。

「旧宿場町エリア」は、江戸時代に青梅街道の宿場町として栄えた歴史ある地域です。青梅は江戸城の白壁の主な材料にもなった、良質な石灰(いしばい)の産地で、青梅街道から江戸へ輸送されていました。また、江戸時代から「青梅縞」が生産される織物の街としても有名で、明治から昭和にかけては、布団の生地となる「夜具地」の生産で全国シェア60%を誇っていたそうです。古くから商人や職人が絶えず行きかう宿場町のおもかげと、昭和のレトロな商店街の趣きを残しつつ、空き店舗がリノベーションされて、新たな風が吹き始めています。

ーー自然も街も歴史文化も楽しめる多様性が青梅市の魅力なのですね。

青梅市は、20〜30分ほど車を運転すれば端から端まで移動できるくらいの面積ですので、3つのエリアも簡単に行き来することが可能です。つまり、自然の中でのスローライフから街での便利な暮らしまで、さまざまな生活の仕方ができるのです。ご自身の状況や好みにあわせて、自然から街へのグラデーションを楽しんでいただけたら嬉しいです。

ーー生活には自家用車が必須でしょうか?

青梅市での生活は車があるとより豊かになる、というのは事実だと思います。駅周辺以外は駐車場代無料の施設がほとんどですので、どこでも気軽に行きやすいんです。ただし、車は必ずしも必要というわけではありません。青梅駅や河辺駅は電車もよく通りますし、市内では都営バスなどの路線が充実しています。実際、自家用車は持たず公共交通機関と自転車で生活している方も多いんですよ。

移住してきた新婚夫婦に最大60万円支給など、補助施策が豊富

ーー青梅市には、移住者に向けた補助金制度がさまざまあるとお聞きしました。

はい。昨年度より「結婚新生活スタートアップ応援事業費補助金」という補助金制度がスタートしました。年度内にご結婚された39歳以下のご夫婦が青梅市で新婚生活を始める場合、そのお住まいの購入費用や賃貸費用、リフォーム費用、引越し代金を補助します。もしご夫婦が29歳以下で双方ともに青梅市に転入する場合は60万円、1人はすでに青梅市民でもう1人だけ転入する場合は40万円…と、年齢や移住者の方かどうかによって金額が加算される仕組みとなっています。

ーー他にも、移住者に向けた制度はありますか?

青梅市の移住相談窓口などを利用し市への移住相談をしたことがある方で、相談後に住宅を取得し青梅に移住した場合に移住支援金を最大100万円交付する「おうめにきめた!移住支援金」というものもあります。少しでも「青梅ってどんなところだろう」と気になる方は、ぜひ青梅市へ移住のご相談をお待ちしています!

他にも「遠距離通勤ENJOY応援金」制度では、市外からの転入者で、鉄道で遠距離通勤をする市民の方が通勤時間を有意義に過ごせるように、最大3年間・毎月5000円支給させていただいています。長距離通勤は大変なものというイメージがありますが、裏を返せば長時間を有意義に使えるというメリットもあります。通勤時間に音楽・映画鑑賞や読書を楽しんでいただけたらなと考えた結果、この応援金制度が完成しました。

また、青梅市で創業した方には「創業者応援事業補助金」を最大30万円支給しています。半年ほどかけて創業に関するセミナーを受講し、修了証書をもらうことが補助の条件。この制度をきっかけに創業したフリーランスのインストラクターや飲食業の方などもいらっしゃいます。青梅市では青梅商工会議所、青梅信用金庫の三者でJR河辺駅前に「おうめ創業支援センターBegin!」を設置し、創業者の方々の支援を行っています。フリーランスや独立開業する方を応援する街でもありたいと考えています。

ーー青梅市で起業・独立される方も多いのですね。もし、青梅市で転職しようと考えた場合、どのような求人が多いのですか?

青梅市から隣の羽村市にかけての地域には工業地帯が広がっているため、製造業の求人が多いです。また、医療・福祉の求人も豊富ですね。その他、飲食店スタッフなどさまざまな募集があります。市内で希望のお仕事が見つからなくても、電車で簡単に近隣自治体に出られるので、その点も安心です。

一度住んだらずっと住み続けたくなる、居心地の良さ

ーー物件の種類や価格帯など、青梅市の住宅事情も知りたいです。

青梅市は、戸数で見ると賃貸住宅が多いですが、他の地域と比べて戸建て住宅の割合が高いです。歴史のある街なので、「中古の家が多く、新築は少なそう」と思われているかもしれませんが、不動産業界の方に聞くと、実は新築物件の割合が高いそうです。現在は市街地再開発も進んでおり、青梅駅前に住居と商業施設などが一体になった複合型マンションが誕生する予定です。JRの駅前地区を中心に、より賑やかになっていくと思います。

土地の価格は、都心と比べるとかなり安価ですね。23区の地価が安いところと比べても約1/4、広い土地がリーズナブルに手に入ります。築年数を問わなければ、中古物件に関しては数百万円で販売されていることもあります。昭和古民家を安く購入して、ご自身でリノベーションされている方もいらっしゃいます。

ーー東京都心部と比べて、気候に違いはありますか?

夏の気温は都心とそこまで変わらないのですが、山と川が近い特に市域西側のエリアでは、山から川へと風が流れるため、暑さがこもりにくいという特徴があります。日中の暑さも夜になるとだいぶ落ち着きます。冬は都心より2度ほど平均気温が低く、時々積雪もあります。車のあるご家庭では、だいたい12月末になったら車のタイヤをスタッドレスに変えて、3月末頃外すというイメージです。とはいえ「毎年大雪で大変」といったことはありません。

また「青梅市は地震に強いから」という理由で移住してくる方も多いですね。青梅市は地盤の特性が「山地・丘陵・台地」に分類され、固く、地震の揺れが増幅されにくいという特徴を持っています。たしかに地震の揺れを感じにくいんです。もちろん絶対ではないですが、この安心感も青梅市に住み続けたくなる理由の一つです。

ーー移住といえば、地元住民とのコミュニケーションに不安を持つ人も多いと思います。そのあたり、青梅市はいかがでしょうか?

田舎だからこその距離の近さは、たしかにあるかもしれません。裏の家のおばちゃんが野菜をくれたり、前の家のおじちゃんが「お花見においで」と誘ってくれたり…など。私自身はその距離感を気に入っているのですが、慣れていない方だと最初は戸惑ってしまったり、コミュニケーションの難しさを感じたりすることがあるかもしれませんね。ただ、青梅市も東京都ではあるので、過激な地元ルールや「よそ者を断固拒否する」といった雰囲気は基本的にありません。必要以上に気にする必要はないのかなと思います。

ちなみに青梅市では、市民の方と移住者希望者の方を巻き込むイベントを主催された方に、最大20万円の補助金をお出しする「市民みんなでおもてなし事業」というものを行っています。たとえば移住経験者が体験談を語るイベントや、川下りをする交流イベント、青梅市の野菜を使った自宅でのBBQイベント…など、移住に関するリアルな声を届けるイベントを、さまざまな団体・企業の方に企画いただいています。今年は6組の方に申請いただき、これから実施のイベントもいくつかあります。移住に不安がある方は、ぜひこのようなイベントにご参加いただけたらなと思います。

ーー最後に、白鳥さんが思う「青梅市の魅力」を聞かせてください。

青梅市にはさまざまな個人経営の飲食店が多く、そのバラエティもとても豊かなんです。そこでご飯を食べながらお店の方やその場で知り合った他のお客さんたちと楽しくおしゃべりする時間が、私はとても好きです。移住者の方の中には「1人で生活するとしても孤独にならない住みやすさ」が、青梅市にはあると思います。人の温かさや人との“つながり”を感じたい方にもおすすめなので、移住を検討している方は安心していらしてください。

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