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「クラウドセキュリティで日本企業の挑戦を加速させたい」エンジニア歴15年の創業者がCloudbaseを立ち上げた理由

【プロフィール】岩佐 晃也(いわさ こうや)Cloudbase株式会社 代表取締役社長10歳からプログラミングを始め、特にセキュリティ領域に関心を持つ。学生時代から様々なサービスを開発し続け、京都大学工学部情報学科在籍時にLevetty株式会社を創業。2年間で6回のピボットを経て、クラウドセキュリティ領域に至り、Cloudbase事業を始める。

10歳からプログラミング。人生の半分以上をパソコンと触れ合ってきた岩佐の起業の経緯

ー まず簡単に自己紹介をお願いします

岩佐晃也と申します。Levetty株式会社を2年半前に設立し、代表をしています。

僕はずっとエンジニアで、10歳の頃からプログラミングをしていました。
京都大学工学部の情報学科に進み、パソコンと触れ合ってる時間がもう人生の半分以上といった人生を送ってきました。

ー 10歳からプログラミングされてるっていうのは、何かきっかけはあったんですか?

僕は2歳ぐらいからゲームをやっていたと、親から聞いています。
ずっとゲームが好きで10歳になった時に、どうしてもレアアイテムが欲しいと思うようになりました。

ネットで調べると、どうもバイナリと呼ばれる機械語をいじるとレアアイテムをゲットできるみたいだ、と分かりました。

バイナリをじっと眺めてプログラムがどうやって動いているのかを勉強して、わからないことがあればネットで調べる。
そこから僕のプログラミング人生が始まったような気がします。

ー アメリカの起業家みたいな、結構特殊な始まり方ですね。そんなギークな少年時代を過ごしてきた岩佐さんの起業の経緯を教えてください。

僕は元々ボトムアップな思考をしてきたタイプなんです。
どんどんアプリやウェブサービスが作れるスキルがついてきた時に、サービスを提供できるということは起業もできるなと思い、できる範囲がどんどん広がってきた中の選択肢の一つが起業でした。

ー なるほど。サービスを作れてしまうから、会社もできるんじゃないかと

そうそう。でも、ボトムアップな思考だけでは方向性がぶれてしまうので、トップダウンの思考を起業してから意識的に取り入れるようになりました。

どうすれば社会にインパクトを出せるか。Cloudbaseに至るまでの6回のピボットの歴史

ー 起業してから3年近くが経とうとしてますが、起業してからのヒストリーを教えてください。

竜馬(小川)も弊社のことを半年前からは知っているけれど、それより前の2年間はあまり知らないと思うので、ちょっと赤裸々に語ります。

起業直後にEast Venturesさんから出資いただき、2019年10月2日に上京して六本木のオフィスに入居したんですが、席に座った瞬間、「何すればいいんだろう?」となって。

East Venturesの金子さんから、「AR面白いんじゃない?」という鶴の一声をいただき、その日から毎日何かを開発していました。

(ARのアプリを作っておにぎりを表示させていました。)

— Koya Iwasa | Cloudbase (@koyataroo) November 14, 2019VuforiaとUnityの扱い慣れてきたおにぎり関係のアプリなら作れます!!連絡ください!! pic.twitter.com/vQwGYGyaMK

しかしコロナが流行ってしまったので、現実世界と関わりの強いARは難しいと判断し、2020年4月には人狼ゲームができるビデオチャットアプリを2-3週間でリリースしました。

他にもClubhouseみたいな音声SNSや、クローズドSNSをリリースしました。
クローズドSNSは、Z世代はTwitterではなくInstagramの鍵アカウントを使っているので、「おなかすいた。」みたいな息を吐くようなつぶやきができなくなっている状況から、24時間で消えるTwitterのようなものがあれば面白いんじゃないかと思って作っていました。

ー 今では全然想像がつかないですね。

リリースした後に初めて「どうやってマネタイズするんだ?」と気づいてしまうくらいには開発だけに没頭していた気がします。

一方でこうした経験から、どんなに技術を駆使しても、使われないプロダクトであったら意味がないと痛感しました。

それからは「toCサービスを出すんだ」というこだわりもなくなり、どうすれば社会にインパクトが出せるだろうという思考に変わっていきました。

iOSアプリのテスト自動化サービスを提供したり、ハッキングすることでセキュリティを学ぶことができるサービスを出してみたりと、少しずつ課題解決型のサービスを提供するようになりました。

ー そしてCloudbaseに至ると。そうすると、Cloudbaseまでにいくつのプロダクトを提供してきたんですか?

ちょうどこの前数えてみたのですが、Cloudbaseで7個目だったということが発覚しました。

なので頑張って書いた6個分のコードは僕のMacのゴミ箱に入ってるということになりますね。

ー いわゆるピボットっていうのは、マイナスなのかプラスなのか、どういう気持ちで日々を過ごされてたんですか?

ピボット自体は僕は全然マイナスではなくて、ずっと前向きにやってるタイプでした。

例えばビデオチャットアプリを提供している時には、それよりも音声SNSの方が面白そうじゃないかといった形で、興味や期待値が上回るからピボットする。そんな感じで、かなりポジティブだった気がします。

ただボトムアップ思考もあり方向性が全く定まっていなかったので、目隠しをして壁にぶつかりながら進んでいく感じだったなと思っています。
事前に調べたり思考をすることである程度進むべき道は見つかっていたと思います。

それでも当時は、今回のプロダクトはすごいものになるという自信だけはあって、夢中になって開発をしていましたね。

ー 前向きで折れない心がすごいですね。

良くも悪くも、最悪エンジニアとして就職できるっていうのが大きかったと思います。
リスクが限定的である分、常に大きなチャレンジをしてこれました。

開発を我慢した3か月間。トップダウンに思考し、全ての点がつながったクラウドセキュリティ領域

ー 7プロダクト目であるCloudbaseですが、なぜクラウドセキュリティの領域を選んだんですか?

セキュリティ自体は昔からすごく身近だったので、セキュリティの中でもなぜクラウドセキュリティなのかをお話しします。

一つ前のセキュリティ教育のサービスを法人向けに提供した時のことです。

学生時代にインターンをしていたアイフルさんにサービス提供させていただけることになり、京都本社まで講師としてお伺いしたのですが、その際にアイフルの方から「AWSのセキュリティは見てくれないの?」と質問を受けました。

クラウドセキュリティ領域は課題がとても大きく世界的に急成長している市場であることを知っていたため、このコメントを聞いた時、事業化できそうだと閃いたんです。そしてその後、リサーチ期間3ヶ月を経たのちにCloudbaseに人生を捧げることを決心しました。

ー 普段はコードを書けてしまうからすぐに開発していたところを、3ヶ月コードを書くのを我慢して調べたんですよね?

はい。コーディングは前に進んでる感があって楽しいんですが、またゴミ箱行きになってしまっては元も子もありません。

ネット上の情報は調べ尽くして、それでもわからないことや表に出てこない情報ももちろんあるので、ビザスクなどでお金を払ってセキュリティ企業の元役員の人に聞きに行ったりとか、大手ベンダーのセキュリティ部の方を繋いでもらってヒアリングさせてもらっていました。

ー 今までとは別人のようですね。リサーチをしようと思ったきっかけはあるんですか?

これは本当に、HOKUTO代表の五十嵐北斗さんという先輩起業家のおかげです。

去年の秋に、深夜までオフィスでコーディングをしていた時に、北斗さんがオフィスにふらっとやってきた時のことです。
北斗さんは僕に向かって、「なんでずっとコーディングしてんの?」と言いました。

「君がやろうとしている領域のプレイヤーとそれぞれの売上と、ターゲットとなる会社を今から書いて。」とペンを渡されましたが、真っ白なホワイトボードがそのまま真っ白だったのを覚えています。

「コードを書いてしまうとサンクコストが発生してしまうので、良くないサービスでもピボットしづらくなる。だから調べ尽くしてから取り組む事業を考えた方がいい」という言葉をもらい、僕の中で衝撃が走りました。

その日から3ヶ月間エディタを開くことをやめました。
あの日北斗さんに教えてもらっていなかったら、思いつきで実装を始めてしまっていたと思います。

マリオカートならば12位からの人生。全ての出会いが学びにつながる

ー 素晴らしいですね。ピボットとかをいろいろ繰り返してもうすぐ3年ぐらい経つと思うんですが、起業家としてどんなことをこれまで学んできましたか?

就職経験もなく、起業してオフィスに入居したはいいものの何をしたらいいのかわからないという、ビジネス戦闘力ゼロな状態からスタートしているのでたくさんのことを学んできたと思います。基本的には、先輩起業家の方からの学びが一番大きいと思います。

事業の作り方は北斗さんに教えてもらいましたし、資金調達に関しては株式会社東京の羅さんと毎日のように電話して教えてもらっていました。

ー 北斗さんや羅さんもそうだし、今回出資いただいた方々にもとても応援してもらっていますよね。何か意識していることはあるんですか?

何かを意識しているとかは全くなく、本当に皆さんが優しいというのと、先輩方もその更に先輩から良くしてもらったから次は後輩に施すといったGiveの文化のおかげだと思っています。

あとアドバイスっていう点だと、僕はみんなが言ってることが全部正しく聞こえるんですよね。

後になって今は必要ないのかなとか、他の意見とバッティングするからどちらが正しいんだろう、といったように後から咀嚼するタイプだということに最近気がつきました。

ー たしかに岩佐さんは先入観がないというか、どんな意見も取り入れるというところがすごいですよね。

どんな意見も正しく聞こえてしまうので、できるだけフラットに判断しようと心がけています。

というのも、僕はビジネス経験がない中スタートしていたり、中学高校の成績もほぼ最下位から始まっているので、いつもマリオカートで12位からのスタートみたいな人生を送っているんです。

前を走っている人たちは何をしているのかなといったことが気になって、自分もやってみようとなるんです。

計画の3倍のスピードで進む。Cloudbaseのこれまでの半年間

ー ここからはCloudbase自体の今日までの話を教えてください。

まず、2021年11月から3ヶ月間リサーチを進めていました。
事業アイデアが固まった1月に、竜馬と竜太朗の2人が来てくれたところが組織面での最初のスタートでした。

そこから3月1日にリリースをして、同時並行で資金調達もArena HoldingsさんとDNX Venturesさんがリード投資家となって出資いただけることが決まりました。

8月からtockn、成瀬、なりくんの3人が増えてプロダクト開発に一層磨きがかかっています。

アイフルさんやスズキさんをはじめとした大企業にもCloudbaseをご利用いただけるサービスになりました。

1月時点で想定していたロードマップよりも、資金調達額は倍以上になっているし、プロダクト開発も組織も想定より早く進んでいます。

ー なるほど。一言で言うと、順調であると。

はい。ただ、慢心せずこれからも粛々と進めていきたいと思っています。

ー 僕も一緒に経験してはいますが、ものすごいスピードで物事が進んできた中で、これまでで一番嬉しかったことは何ですか?

やっぱり一番嬉しかったってなると、1月に竜馬と竜太朗が入社を決めてくれたときは一番嬉しかったです。

僕と竜太朗は泣いていたけど、竜馬だけ普通の顔をしていたのをよく覚えています。(笑)

ー それはやっぱり、2年間1人だったところに仲間ができたことで、グッときたという感じですか?

シンプルに嬉しかったという気持ちでした。
2人とも他の会社どこでも行けるという中で、一緒にCloudbaseを大きくしていこうという決断をしてくれたこと、それは1人だった時間とは全く別のところで嬉しく感じました。

なので、tockn、成瀬、なりくんが入社を決めてくれたことも同様にとても嬉しかったです。

そう考えると、嬉しいことはいっぱいあるなと思いました。

最初の事前登録で20社以上応募がきたことや、面談をしている会社さんが利用を決めてくれたことだったり、日々いろんな嬉しいことがありますね。

ー 逆に、ここ難しかったなとか、苦労したなということはありますか?

パッとは思いつかないんですが、社会人の人と話すという経験がなかったので、ぜんぜん敬語が喋れなかったことですかね。

竜馬が一緒に面談に出てくれていたので、どんどん口調を真似して今は一人でも喋れるようになりました。
例えば、「ご感触いかがですか?」という日本語も竜馬から学びました。

ー たしかに、最初はメールってどうやって書くの?と言ってましたもんね。そういった成長もありながら、例えば次の半年、1年で岩佐さんはどんなことに取り組んでいきたいと思いますか?

直近1年は、主にプロダクトの提供範囲を広げることと、海外展開です。
Cloudbaseと同じ領域の海外のWiz、Orca Security、Laceworkというプレイヤーはすごい成長を遂げています。

グローバルに使われるサービスを目指していく上で、彼ら以上の成長を遂げるにはどんなことをしていくとよいかを考える必要があります。

昨日と同じ今日を過ごすのでは不十分で、非連続な成長をしていくために何ができるか毎日考え続けることが重要だと思っています。

組織作りは「フェア」「スピード」「夢を大きく」

ー 8月からメンバーが3人増えて、それ以降も入社予定の方々がいる中で、岩佐さんはどういう会社組織にしていきたいとか、大事にしてる価値観を教えてください。

「フェア」「スピード」「夢を大きく」です。

年功序列だったり早くからいる人の方が偉いとか全くなく、組織内もそうですし、お客様に対してもフェアに仕事をする。
お互いをリスペクトすることが大事です。

スタートアップという性質上、ゆっくりやっていては何事も負けてしまいます。
どれだけ早く試行回数を多くできるか、失敗したらその時に考えたらいいと思います。

大きな夢がなければ、チャレンジは生まれません。
論理や常識を超えた夢を持っていたいです。

ー 3つの価値観がある中で、どういう方々に仲間になってほしいなと思いますか?

実際に話してみて、なぜかすごく盛り上がった、みたいな感覚が重要だと思っています。
先日8月入社メンバーと6人で八丈島に行ったんですが、この人と一緒に遠出したいと感じる人がいいんじゃないかなと思います。

他には、プロフェッショナルな思考を持っている方がフィットすると思います。
プロフェッショナルなスキルを備えているかどうかは重要でなく、最強のエンジニアになりたい、優れたデザイナー、一流の営業マンになりたい、というような思考を持ってる人が多いです。

こういうことをすると会社の成長に繋がるんじゃないかと考えて、自分で機会を作り出せる人とぜひ一緒に汗水流したいです。

ー たしかに、僕は営業だからそれ以外はやりませんというよりは、何でもやってやるぐらいの感じがフィットしそうですね

ー 最後に、この記事を最後まで見てくださってる皆様に、一言お願いします。

ここまで読んでくださった皆様はCloudbaseのために5分くらいを割いていただいたということになります。貴重なお時間をありがとうございます。
Cloudbaseに少しでも興味を持ってもらえた方は、ぜひフランクにお話ししましょう!

Cloudbase株式会社 採用情報:https://cloudbase.co.jp/recruit

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