シリコンバレー → ホームレス → 六本木ヒルズ。グループのイレギュラーが語る、INSTYLE GROUP で働く魅力とは?
INSTYLE GROUP 広報のやまだです!
INSTYLE GROUP は、経営コンサルティングのインスタイル株式会社を中心に、投資、不動産、建築、飲食、アパレル、エンターテイメント、IT、デザイン、コンテンツ、通信業などなど…、多業種の企業で構成されている企業体です。
会社が多いので、もちろん社長もたくさんいます!
そんなINSTYLE GROUPの社長陣に、毎回、様々なお話を聞いて回っています。
第三回目の今回は、ギワさんにインタビュー。
グループ内の企業4社の社長を務めた経験のあるギワさんは、現在、WebやECサイトの構築、システムの開発など、IT周りの業務を請け負う株式会社Nombre Premierをはじめとして、INSTYLE GROUP 内の企業3社の社長と、INSTYLE GROUP のCTO (最高技術責任者 Chief Technical Officer) を務めています。
前回のエースさんのインタビューの際にもお話に出てきましたが、ギワさんは現在住んでいるお家を自分で決めた、INSTYLE GROUP の社長陣の中ではイレギュラーな存在。
(普通じゃん…と思うかもしれませんが、INSTYLE GROUP の社長陣は、グループ代表の西村に家をいきなり契約され、ぶっ込まれるのがレギュラーです)
そんなイレギュラーなギワさんが、グループ代表 西村との出会いやインスタイル入社からこれまでのこと、INSTYLE GROUPで働く魅力などを語ってくれました!
https://www.wantedly.com/id/giwa
高際 兼一(たかぎわ けんいち)
1990年生まれ。
26歳でインスタイル株式会社に入社、28歳で株式会社Nombre Premierを設立。
現在は、株式会社Less Tokyo Creative. 代表取締役、株式会社イルムスジャパン 代表取締役と、INSTYLE GROUP のCTOを兼任する。
グループ代表 西村との出会い
やまだ:ギワさんは、お友達から西村さん(グループ代表)を紹介されたことがきっかけで、インスタイルに入社したんでしたよね。
ギワさん:そうそう。
たまたま僕の大学時代の友達の、義理のお兄さんがヒデさん(グループ代表)だったんですよね。
ギワさん:当時大学院生で、アメリカの博士課程の大学院試に見事に落ちた僕は、シリコンバレーで1年間くらいソフトウェアエンジニアとしてインターンもやっていたので、アメリカに働きに行くか、日本で博士号を取得するか悩んでいて。
そんな時に、大学時代の友達から「エンジニアを探している面白い人がいるから、紹介する」と言われ、一緒に六本木のグランドハイアットのレストランに行き、初めてヒデさんに会いました。
ヒデさんがどんな人なのか、ネットで自分で調べたり本を読んでから会ったんだけど「デイトレードで5億円稼いだ」だの「時給100万円を稼ぐコンサルタント」だの出てくるから「いやいや、そんな奴いないっしょ! 本当にその人、良い人なの?」って、疑いの眼差しを持って会いに行きましたね 笑
やまだ:その話は、西村さんからも聞いたことがあります。
「お前騙されてるよ! 俺が、そいつの化けの皮を剥いでやるから!」みたいなテンションで会いに来て、半年〜1年後くらいには、私もギワさんが実際に言ってるのを聞いたことありますけど「西村さんのことを普通にそのまま人に話しても、信じてもらえないから困っちゃう」って言うようになったと 笑
ギワさん:だって、そんな人いると思わないじゃない!?
まぁ、のちにヒデさんが目の前でスマホ1台でデイトレードをして、数百万、数千万円単位の利益を出すところを実際に見たり、ヒデさんのクライアントのところに同行した際に時給200万円以上の請求をしているところを目の当たりにしたりして、改めて引くことになるんだけど 笑
そのときは「僕の大切な友達の義理の兄だし、その人が変な人だったら友達を助けなきゃ」と思って。
でも、実際に会ってみたら全然悪い人ではなさそうで、ネガティブな印象は無くなったかな。
3人で夜中の12時くらいまで話していて、終電が無くなっちゃったしお金もないからマックで始発まで過ごそうかなって思ってたんだけど、ヒデさんが「いいよ、タクシーに乗って帰りな」って言ってくれて、その日はタクシーで研究室まで帰りました。
そのあと、いろいろとやり取りをしている中で「手伝える範囲であれば、是非」って感じで、業務委託としてインスタイルに関わるようになりましたね。
やまだ:ギワさん、最初は業務委託だったんですね!
もともとは西村さんのことをすごく疑ってかかっていたのに、業務委託としてインスタイルに入ろうと思ったのは何故ですか?
ギワさん:勧誘とか実害のある話をされるわけでもなく、変に威張っていたり上から目線で来る人ってわけでもなかったから悪い印象は無くなったし、実はヒデさんに初めて会う前に『シンプルに生きれば、すべてがうまくいく!(※)』を読んでいて、ヒデさん自体には会う前からすごく興味があったんだよね。
※西村が2011年に出版した書籍
やまだ:本を読んで、西村さんのどういったところに興味を持ったんですか?
ギワさん:例えば、本の中で「悩まない人は、自分でコントロールできることと、できないことをわけている」という内容があったんだけど、自分でコントロールできないことの例として、天気や自分の上司、株式市場に加えて、『HUNTER×HUNTER(※)』の連載再開時期を挙げていて。
ビジネス書だし、いくらでも高尚な書き方ができるはずなのに、あえてHUNTER×HUNTERを例にあげていたり、本全体を通して切り口が斬新で驚いたし「こんな本を書ける人って、どんな人なんだろう?」って興味が湧いてきて。
それで実際に会ってみて「この人と何かやれたら、楽しいんじゃないか?」って思ったんだよね。
※週刊少年ジャンプにて不定期連載中の漫画作品。休載期間が長いことで有名で、連載再開時にはネットニュースに掲載されるなど話題となることが多い作品。
やまだ:なるほど。
西村さんと初めて会った時、ギワさんはお家がなかったってお話を聞いたんですが、それは本当なんですか…?
ギワさん:そうですね、東京近郊には家がなかったです。
当時の僕は、大学院の研究室に籠りっぱなしだったから家を借りていませんでした。
「僕、ホームレスなんです〜」とは言っていたけど、最初、ヒデさんは「そんなこと言って、一応家はあって、週に何回かは家に帰っているんでしょ?」と思っていたらしくて。
業務委託としてインスタイルに入って少ししたくらいのときかな?
その頃はエースさんの回でも出てきたf-Phone(※)の手伝いをしていたんだけど、f-Phone部屋(※)で徹夜明けに段ボールを敷いて寝ようとしたところをたまたまヒデさんに目撃されて、ちゃんと事情を説明したら「ガチホ(ガチホームレス)やん!」ってなったんですよね。
※f-Phone…アーティストのファンクラブと携帯通信サービスが一体となったモバイル事業。
Hyde Phone、GACKT Phone、TETSUYA Phoneなどの各アーティスト仕様のスマートフォンを販売。
※f-Phone部屋…f-Phone事業で使用していたスペース 第二回参照
やまだ:ダンボールを布団代わりにして、寝てたんですか!?
ギワさん:そう。
そこからヒデさん慌てて、何箇所かに電話して、結果ものの15分くらいで渋谷のマンスリーマンションを借りてくれて、生活するのに必要なタオルや洗剤なども、その日のうちに秘書の大石さんに頼んで用意してくれて、その日から数ヶ月間はそこに住んでいました。
そんなことがあったから、しばらくは段ボールから取ったあだ名で、ダンって呼ばれてたな 笑
Macが入っていた段ボールを嬉しそうに抱えるギワさん
やまだ:ほとんど毎日研究室に籠って、全然帰らない学生さんの話はよく聞きますが、まさか本当に家を借りない人がいるとは思わなかったです 笑
ギワさん:シリコンバレーに行く前に、借りていた家を解約したんだけど、帰国後「どうせまたすぐに海外に行くし、研究室に籠るだろうから、家は借りなくて良いかな」って思って、借りていなかったんだよね 笑
その後、ちょうど社員になったくらいのタイミングで、ヒデさんが見つけてきてくれた表参道のマンションに引っ越しました。
やまだ:無事に、お家が見つかって良かったです 笑
ここまでは西村さんに家を用意されるっていう、いつものインスタイルのレギュラー(※)ですね 笑
※『INSTYLE GROUP の「あたおか文化」をご紹介します』参照
大学院を辞め、インスタイルへ入社
やまだ:業務委託としてインスタイルに入った頃はf-Phoneのお手伝いをしていたとのことですが、どんな仕事をしていたんですか?
ギワさん:f-Phoneでは、システム開発や運用をやっていました。
業務委託としては2〜3ヶ月くらい働いていて、大学院をあと半年で卒業っていうタイミングで
「シリコンバレーに戻って働くよりも、ヒデさんと働く方が全然面白そうなんで、インスタイルで働かせてください」
ってヒデさんにお願いして、大学院を辞めてインスタイルに入社したんですよね。
やまだ:あと半年で卒業だったのに、辞めてしまったんですか!?
私の感覚だと、大学院を卒業してからインスタイルに入社でも遅くない気がするのですが、なぜ大学院を辞めてまで入社しようと思ったんですか?
ギワさん:うん、ヒデさんにも言われた 笑
別に辞めなくていいじゃんって 笑
でも、大学院を辞めたのは、日本でCS(Computer Science)の修士を取ると、海外でCSの修士が取れない場合があるっていうのも理由の一つだけど、鉄は熱いうちに打てって言うし、卒業する半年後には採用枠が埋まってるかもしれないじゃないですか。
アメリカの企業に就職することも考えていたけど、インターンシップで1年ほどシリコンバレーで実際に働いてみて「正直、大したことない人も結構いるな」って思ったし、VISAの関係上、アメリカの大きな会社に就職しても組織の一部にしかならないから、それなら日本の、訳が分からないけど面白そうな人の近くで働いた方が楽しそうだなって思って。
やまだ:私のすごく浅はかなイメージの話で申し訳ないんですが、シリコンバレーと聞くと “凄い人たちが集まる場所” ってイメージだったんですけど、違うんですか?
ギワさん:確かに、凄い人はいっぱい居ました。
シリコンバレーは世界1位を目指す人たちが世界中から集まる場所だから、トップの層が日本に比べたら厚いけど、トップのレベル自体は日本もシリコンバレーもあまり変わらないんだなって思ったんだよね。
僕も最初は「シリコンバレー、すげぇな!」って思ってたけど、1年間現地でエンジニアをやってみて、凄い人は確かに凄かったけど、ダメなやつはやっぱりダメで、どこも変わんねぇなって思って。
大谷翔平が大リーグで活躍しているように、日本で活躍していた人間が世界で活躍できないわけではなく、すごい人材が日本で生まれないというわけでもないから、それなら別にアメリカで働くことにこだわらなくても良いかなって。
ギワさん:それに、ヒデさんは何だか底が知れないというか、一緒に働いたらすごく楽しそうじゃないですか。
それこそ本社がシリコンバレーにあるような会社の、日本の社長さんや会長さんとか、いろんなトップレベルの方々のお話を講演会とかで聞いてきたんだけど、ヒデさんが今まで見てきたトップレベルの方々の誰ともタイプが違くて、
「こんな人居るんだなぁ、面白いなぁ」
「アメリカで働くのも良いんだろうけど、自分が思っていたほど凄くはなかったし、この訳分かんない人と一緒にいた方が、多分楽しいんだろうな」
と思ったんですよね。
やまだ:仮に、西村さんがアメリカにいたら、アメリカに行ってましたか?
ギワさん:そうですね。
「どこで働くか」ではなく「誰と働くか」を重視しているので。
初任給はサイコロで?
西村がイレギュラーな決め方をした理由
ギワさん:そんな感じで僕の入社が決まったんだけど、給料の話になったときに、なぜか二十四面体のサイコロが3つ出てきて。
やまだ:サイコロですか?
ギワさん:うん。
西村「うちはサイコロで給料を決めるから、出た目の合計を月給にするね」
高際「面白いですね〜」
なんて言いながら、サイコロを振って初任給を決めましたね 笑
やまだ:その方法だと最悪の場合、月給数万円になることもありえますよね 笑
ギワさん:そうなったら泣いてましたね。
結果的に、都内の20代サラリーマンとしては少し多いくらいの金額が出たので良かったです 笑
やまだ:社内の他の人から「サイコロで給料を決めた」という話を聞いたことがないので、おそらくギワさんがイレギュラーなのだと思うのですが 笑
どうして西村さんは、ギワさんのお給料をサイコロで決めたんでしょう?
ギワさん:あとからヒデさんに聞いたら、世の中、理屈じゃどうにもならないこともいっぱいあるから、僕が「ノリで『えいやっ』と飛び込めるモード」なのか「計算を根拠に、結局そこにしがみついて生きるモード」なのかを見たくて、サイコロで決めたみたいです。
あとは「お前はどうせすぐ昇給するだろうから、初任給に意味なんかねえよ」とも言ってたな。
まあ、あの時の僕は、まだノリで飛び込めるモードになりきれていなかったんだよね。
やまだ:そうですか?
「西村さんと仕事ができたら面白そう!」って理由で大学院を辞めてまでインスタイルに入社して、給料を決めるってときもサイコロを出されて「え、大丈夫かなこの会社?」じゃなくて「面白いですね」で本当にそのまま決めちゃって、私から見たら、ギワさんは十分ノリモードだと思ったのですが…
ギワさん:正直、サイコロを出されたときに期待値を計算しちゃってたし、一生懸命ノリモードになろうとはしていたけど、まだまだ弱かったって感じかな?
まあ、ホントにえいやって飛び込む時には勇気がいるから、今後そんな初任給くらいでおろおろしてたら話にならねえよってことだったんだと思うよ。
無理矢理、理屈を付けるならね 笑
やまだ:もともとは、計算したり調べたりしてから行動するタイプだったんですか?
ギワさん:そうですね。
でも、考えるだけで行動をしないと結果は変わらないし、その正しさを証明するのは、決定したあとの自分の行動なので、慎重に調べて調べて、それから行動…みたいな考えは、高校くらいで捨てたんですよね。
ギワさん:中学校のころは公立だったので、学年で1位とか取っていて、高校もそれなりにいいところに入学したので「自分は出来る方だ」と思っていたんだけど、高校くらいで、同世代でも文武両道で人間性も良いすごい人がいて、自分が “井の中の蛙” 状態だということに気がついて。
それで「周りと比べて、自分ってバカだな」「こんな奴が何かするためにはどうしたらいいんだろう?」って考えたときに、行動していくしかないなって思い、まずは少しでも、地べたを這ってでも良いからどれだけ前に進むか、間違っていても良いから意思決定を早く出来るかって考えるようになったから「面白そう!」って思ったらとりあえず行動するようになったんですよね。
シリコンバレーでのインターンシップも「海外に行ったことないし、IT好きだし、何かシリコンバレーっていうすげぇもんがあるらしいじゃん? じゃあやっぱ行かないと分からないよね!」って感じで決めたし、大学生時代は文化祭の実行委員をしたり、インターネットビジネス研究会っていう団体の部長をやったり、社会人と交流する学生団体の代表をやったり、サークルにも8個くらい入ってました。
NPOの募金サイトの営業、運営、デザイン、開発、大学院時代は会社の立ち上げを手伝ったりもしていましたね。
やまだ:めちゃくちゃアクティブ…!
ギワさん:でも、行動するという面では、まだまだ欠けている部分があったなぁって思います。
学生団体の代表なんていくらでもいるし、大学在学中に自分で起業したわけでもないし、やれ偉い人に会っただとか、話を聞いただとか、いろんな人と出会えて話したくらいで満足していて、もっと出来ることはあったかなぁって。
それと、現状の自分に出来る、出来ないに関係なく「こうなったらいいな」という願望で決めてしまう傾向があって、エンジニアになろうと思った当時は英語も全くできなかったしコードもかけなくて、まずは24時間コードを写経してみるところから始めたりしていました 笑
やまだ:え、ギワさんって英語苦手だったんですか!?
ギワさん:当時は、全然できなかったですね。
やまだ:よく赤坂本社に迷い込んでくる外国人の方を、すごくスマートに対応しているので、昔から得意なのかと思っていました…!
インスタイルへ正式入社
やまだ:正式にインスタイルに入社してからは、どんな仕事をしていたんですか?
ギワさん:業務委託の時から引き続き、f-Phoneのシステム関連を担当していました。
申し込みシステムを作るために、基幹システムの販売元の会社とやり取りをして、そこのシステムと申し込みフォームの繋ぎ込みをやっていましたね。
やまだ:f-Phoneのシステム関連の仕事から始まって、徐々にグループ周りの企業も手伝うようになったって感じですかね?
ギワさん:そう。
なんかもう、いろいろやりすぎて分からなくなってきてますね 笑
当時は、マコさんやエースさん同様、めちゃくちゃ怒られてました。
やまだ:ギワさんって、グループ内のどの会社も何かしらで関わってますもんね。
当時は、どんなことで怒られていたんですか?
ギワさん:いろいろと怒られてばかりだったけど、主にプロジェクトの進め方だったり、詰めの甘さ、チーム内でのコミュニケーション不足、コミュニケーションエラーとかで怒られていましたね。
ギワさん:クライアントの会社の基幹システムの置き換えプロジェクトで、ベンダーさん(システムの販売元、共同開発会社)とやり取りをしながら進めていたんだけど、最初は9ヶ月で完了する予定だったのが1年、1年半と、ズルズルと延びてしまって。
何が足りなくて何が進まないのかが全然明確になっていないし、ベンダーさんからも全然音沙汰がないみたいな状況になってしまって、
「結局、プロジェクトの進行がどうなってて、何がどうなったら進むんだよ!全然コントロール出来てねえじゃねえか!1億円損するのと、1年損するのでは、1億円損する方を選べっていつも言ってるだろうが!」
って、怒られました。
やまだ:エンジニアとしての技量に対して怒られたわけではなく、ベンダーさんと上手くコミュニケーションが取れていなくて、進行が大幅に遅れてしまったこと=結果として時間とクライアントの信用を失ったことに対して怒られてしまったんですね。
ギワさん:そう。
準備なり進め方をきちんと決めておけば、ちゃんと円滑に進んだのに、そこをマネジメントできていなくて、結局プロジェクトを着地させることが出来なかったんだよね。色々な意味で大きな損失を出してしまいました。
何より、僕の失敗なのに、システムを納品予定だったクライアントさんに対してヒデさんに「納品が遅れます。その間の損失は全て弊社で負担します、すみません」って謝らせてしまったことがすごく申し訳なかったです。
やまだ:確かに、それはヘコみますね。
ギワさん:ヒデさんは「何かあったときには責任とるよ」って言ってくれるんだけど、そして実際責任とってくれちゃうんだけど、そのセーフティーネットに頼りっぱなしでも成長しないし、今後こんなことがないようにしなきゃって思いましたね。
Nombre Premier 設立、社長修行へ
やまだ:インスタイルの社長陣って突然「会社作るから(会社任せるから)、頑張ってね!」って言われているイメージなんですけど、ギワさんの場合、Nombre Premier設立の話はいつごろ出てきたんですか?
ギワさん:実は、さっき話していたプロジェクトを進行している途中で、すでに僕の会社を起こす話は出ていたんだよね。
「システムが出来上がる頃に、そのシステムの運営会社として自分の会社があった方がいいんじゃない?」ということで話が上がっていたので、突然任されたわけではなかったかな。
やまだ:ギワさんは、入社してから早い段階で起業する話が出ていたんですね!
もともと社長になりたいとは思っていたんですか?
ギワさん:大学一年生くらいからベンチャー企業と関わっていた経験があって、起業とか事業を起こすのはすごく楽しそうだなと思っていましたね。
まぁ結局、さっき話した通り、最初のプロジェクトは形通りの納品ではなくなってしまったので、設立した直後はビジネス的な存在意義があまりなくなってしまいましたが。
Nombre Premierが対外的な役割を果たすようになったのは、外部からの仕事を受けるようになってからだから、入社して2年経ったくらいの頃からかな。
それまでの間は、グループ各社のIT周りの仕事を引き受けていました。
『Provision(※)』がサブスクリプション制になるときには、課金システムや予約システムを作ったり、『DIET BUTCHER(※)』がグループインしたときには、ECのディレクションをしたり、旗艦店オープンのためにPOSシステムやWi-Fiの設定をしたり、細々とした仕事までやってましたね。
『ニック式英会話ジム(※)』というアプリの、開発プロジェクトのマネージャーみたいなこともしてました。
※Provision…インスタイルグループ所属のサブスクリプション制フレンチレストラン。
※DIET BUTCHER…インスタイルグループ所属のユニセックスアパレルブランド。
※ニック式英会話ジム… インスタイルグループ開発の英会話アプリ。
やまだ:エンジニアの仕事に限らず、大きい仕事から小さい仕事まで請けていたんですね。
ギワさん:そうですね。
エンジニアなのに、マーケティングをやったり社長をやったり、いろんな仕事をしました。
ヒデさんと一緒じゃなきゃ、出来ない経験ですね。
やまだ:確かに、エンジニアとして雇った社員に社長をやらせてくれる会社って、そうそうないですからね。
Nombre Premier を設立するきっかけとなったプロジェクトは途中で形が変わってしまい、設立後、最初のうちは対外的な役割をあまり果たしていなかったとのことですが、それでも設立に至ったのはなぜでしょうか?
ギワさん:僕の社長修行のためだと思いますよ。
先に社長という立場をいただいて、いろいろ学んでいった感じかな。
やまだ:実際に、社長をやりながら学んでいったということですか?
ギワさん:そうですね。
決算書一つを取っても、自分の生活と直結してる決算書を読んで学ぶのと、全然関係ない会社の決算書を「読めるようになれ」って渡されて学ぶのとでは全然違うし、売り上げをどう取っていくとか利益をどう出していくとか、社長としてやっていかなきゃいけないことを、社長をやりながら学ばせてもらいました。
未経験である、アパレルや小売会社の社長に就任
ギワさん:ああ、でも、Nombre Premierは突然ではなかったけど、INSTYLE APPARELは、アパレル業界未経験なのに、突然社長を任されましたね。
やまだ:INSTYLE APPARELは、もともとの社名は違う名前の、M&Aでグループインした会社ですよね。
どんな流れで、社長を任されることになったんですか?
ギワさん:もともとはIT化を進めて売り上げを上げるために、僕が手伝うようになったんですよね。
INSTYLE APPARELはグループインした当初、ピーク時の売り上げの半分くらいまで落ち込んでいて、本来ならばそれに伴って運営の方法を変えて、コストを下げるなりなんなりしなければならないじゃない?
だけど、ピーク時と同じフローで運営をしている状態だったので、それを改善するためにヒデさんから「じゃあギワちゃん、ITの力で頑張ってくれ!」みたい感じで任されました。
やまだ:INSTYLE APPARELを手伝うようになって、具体的にどんなことをしていたんですか?
ギワさん:社員全員に普段どういう業務をしているかヒアリングして、仕事の枠組みを見直しながら、主にEC周りを手伝っていましたね。
みんな、なぜ自分がその業務を行っているかを聞かれたときに「以前の担当からそう引き継いだので…」とか、明確な理由が出てこないことが多く、全体的に非効率な運営方法をしていたので、仕事の枠組みから見直して、それからシステムを入れ替えたり新しく導入したりして。
結果的に1年くらいかけて、コストを半分にできましたね。
やまだ:1年でコストを半分にまで!
ギワさん:そうですね。
僕は根本がコミュニケーションが苦手なタイプの人間な上に、社内にはITに明るくない方が多かったので、上手く伝わるように説明をして、理解をしてもらうのがすごく大変でした。
そんな感じでINSTYLE APPARELを手伝っているうちに、そのまま会社全体を見ることになって「ギワちゃんも、ちゃんとしたポジションがあった方がみんなに伝わりやすいだろうから、副社長とかやる?」という流れで副社長になったんですが、そのあとすぐ(2分後くらい)に、「んーいや、、やっぱり達兄(FINEST代表 達中)と共同代表って感じでギワちゃん、社長やっちゃう?」という感じで、達中さんと共同代表になりました。
やまだ:そんな感じで、社長まで進んでいったんですね 笑
ギワさん:はい。
しっかり業務フローを改善していい会社にしていくためにいろいろやりましたし、ヒデさんにたくさん投資もしていただきました。
今は雄萌(ゆうほう)さん(現 INSTYLE APPAREL 代表)に変わりましたけど、INSTYLE APPARELは、なんだかんだ2年くらい社長をやっていましたね。
やまだ:ギワさんは他にも、北欧雑貨店 ILLUMSを運営するイルムスジャパンの社長もやられていますが、どちらも未経験の業界なんですよね?
西村さんは、どうして業界未経験でエンジニアのギワさんに、INSTYLE APPARELやILLUMSの社長を任せたんでしょう?
ギワさん:これも、僕の成長のためだと思います。
ギワさん:正直、事業を伸ばそうとするのなら、僕よりも業界経験のある人に任せた方が良いはずなんです。
それなのに、なぜ僕に社長を任せたのかというと、たぶん「そこに学ぶものがあるから」っていう理由だと思うんですよね。
やまだ:そんな理由で会社を任せてしまうんですか!?
ギワさん:普通「勉強してこい!」ってスタンスで、社長を任せないと思うんですけど、ヒデさんは「そこまで僕に任せていいんですか!?」みたいなところまで任せてくれて、億単位の投資をして、いろんな経験をさせてくれるんですよね。
しかも、理由がホントに多分それ(勉強になるから)だけなんですよ 笑
僕はインスタイルに入った当初、エンジニアという軸しかない状態だったんですけど、そうやってマーケティングをやらせてもらったり会社の経営を任せてもらったり、様々な生きた経験をさせてもらったことで、エンジニア、マーケター、経営者、複数の強みを持てるようになったと思っています。
今まで任せてもらった様々な仕事での経験が活きたのか、ILLUMSでは社長就任後、ECでの売り上げを3倍まで伸ばすことができました。
やまだ:3倍!!
ギワさん:とはいえ、まだまだ大きい実績は出せていないし、僕の成長のために大きい立場を任せていただいてまで、いろんな経験をさせてもらったので、もっとしっかり数字として結果を出して、恩返ししていかないとなぁと思っています。
やまだ:ギワさんは、INSTYLE GROUPから独立(※)することは考えていないんですか?
ギワさん:今のところ、全く考えていないです。
本来、組織のある程度上の立場になってくると、飽きてしまうタイプなんですけどね。
※INSTYLE GROUPは、グループであり、ホールディングスではありません。
詳しくは、『INSTYLE GROUP の「あたおか文化」をご紹介します』 参照
ギワさん:そんな僕が今でもインスタイルに残っているのは、多分「自分がヒデさんの足元にも及ばない」って思っているからだと思います。
ヒデさんと仕事をするようになってもう5年も経つけど、全然底が見えないし「この人、あと何が出来るんだろう?」「ヒデさんと一緒に働くことで、どんな世界が待っているんだろう?」って思わせてくれるんですよね。
あとは、ヒデさんが単純に人としてカッコいいからっていうのも理由の一つです。
誰からも後ろ指を指されない生き方をしているというか、きちんと筋を通す人で「本当にかっこいいなぁ、こんな人になれたらいいなぁ」って思っています。
西村が「いろんな人と関係値を作り、数を打て」と言った理由
やまだ:そういえば、ギワさんは西村さんのプロデュースを経て結婚に至ったと聞いたのですが、それは本当ですか?
ギワさん:そうですね。
インスタイルに入社して1年経ったくらいのときかな?
当時、僕は積極的に彼女を作ろうとしていなかったんですけど、ヒデさんから「ギワちゃんは、100人に声をかけて99人ついてくるようなイケメンではないけれど、一定量の人間とちゃんと関係値を作ったらギワちゃんの本当の良さに気づいてくれる人がいるはずだから、とりあえず数を打て」と言われて。
それで「じゃあ、1年以内に彼女を作ります」って話になって、ひたすらマッチングアプリを使っていろんな方とお会いしていた時期もありました。
やまだ:どうして、そんな話になったんですか?
ギワさん:当時の僕に足りていなかったものに繋がってくるからだと思います。
正しいことを言ってるのに、全然聞き入れてもらえない人っているじゃないですか。
それがあると自分が安く見られるポイントというか、僕の場合、その一番のボトルネックになっている部分がコミュニケーションや見た目の部分だったんです。
ギワさん:ヒデさんはよく「仕事はモテるやつとやれ」って言うんですけど、モテる人って、相手のニーズ・ウォンツが分かっていて、自分の売りが分かっていて、適正な量を適正なタイミング、適正な方法でサービス出来て、それって全部、コミュニケーションの印象の延長線上にあるんですよね。
ボトルネックになる部分があることで、仕事でも本来の単価より安く見積もられたり、相手からみくびられたりするし、将来、外部で開発するにしても、コンサルティングをするにしても、そこを解消してくことは必要になるから、そういうものを一つひとつ解決していくためにも、ヒデさんは僕にそういう話をしたんだと思います。
やまだ:なるほど。
見た目の印象もボトルネックだったとのことなのですが、当時のギワさんの見た目は、どんな感じだったんですか?
ギワさん:髭も伸びっぱなしで、ヒデさんには「お風呂に入ってるホームレス」と言われました…笑
西村プロデュース前のギワさん
やまだ:お風呂に入ってるホームレスですか…笑
ギワさん:「その格好でギークとか意外性も何にもないから、きっちり小綺麗な格好をして、みくびられないようにしないとね」と言われて、2〜3年の西村プロデュースを経て、ここまでになりました。
ヒデさんのプロデュースを受けながら、自分でも見た目も気にするようになって、言われた通りにひたすらいろんな方と会って。
週に1人か2人くらい、1年間で50人以上は会ったかな?
やまだ:50人も…!
実際に会った方が50人以上ってことは、やり取りをしていた人数はもっといらっしゃるってことですよね。
ギワさん:そうですね。
結果、ちゃんと期間内に彼女が出来て、その方と一昨年結婚しました。
ヒデさんがある年のクライアントの忘年会で「あの状態のこの会社(クライアント)をここまでにできたコンサルタントは、日本で5人くらいだろう。でも、あの状態のギワちゃんを結婚させられたコンサルタントは、日本で俺1人だけだな 笑」って笑ってましたけど、本当にその通りだと思います 笑
やまだ:確かに、そうかもしれませんね 笑
結婚されたタイミングで、ご自身で決めたお家に引っ越されたんでしたっけ?
ギワさん:そうそう。
今は、妻と一緒に決めた家に住んでるよ。
僕だけ、イレギュラーなの 笑
やまだ:インスタイルの社長陣の家は、西村さんにサプライズされるのがレギュラーですもんね 笑
ギワさん:でも、この前ヒデさんが「ギワちゃん、今イレギュラー状態だから、そろそろレギュラーに戻さないとね 笑」って言って、突然六本木ヒルズの家具付きマンションを借りてきて「別荘的な感じで好きに使ったらいいじゃん」って言ってくれたから、今はそっちでも生活しています。
そのうち、完全に引っ越すかも。
やまだ:六本木ヒルズですか!?
西村から突然、六本木ヒルズのマンションの鍵を渡され、驚くギワさん
ギワさん:うん。
ヒデさんと最初にヒルズのグランドハイアットで会った時に、ヒデさんが昔、六本木ヒルズとか東京ミッドタウンとか、いろんなとこに住んでたって話も聞いていて、その時に「へーいいなぁ、一回は住んでみたいなあ」ってポロッと言ったんだけど、覚えていたみたいで、いつものイタズラ顔でニヤニヤしながら、入社から5年のお祝いも兼ねて、借りてくれたんですよね。
今、妻と一緒に六本木ヒルズでの生活も満喫しています。
やまだ:ホームレス状態だったギワさんが、とうとうヒルズに…!すごいです…!
入社を希望する方へメッセージ
やまだ:最後に、このインタビューを読んでいる、これからINSTYLE GROUPに入社を希望する「幹部候補・社長候補、それを目指す方」に向けて、メッセージをもらえますか?
ギワさん:INSTYLE GROUPって、本当にカオスなグループです。
エンジニアの僕が、気づいたらキャッシュフロー表を見ていたり、未経験のアパレルや小売の社長をやっていたり、当時の僕からしたら相当な無茶振りです。
でも、そこが魅力だったりもします。
ヒデさんは、マーケティングもアパレルも小売も未経験の僕に「勉強してこい!」って言って、未経験では普通任せないレベルの決裁権まで与えて、いろんな経験をさせてくれて。
その結果、少しずつ自分も会社も成長して、エンジニア以外の軸も持ち、成長することができました。
こんな経験、ヒデさんの近くじゃなきゃできなかったと思うし、INSTYLE GROUPが業種業態を問わず、いろんな会社があるカオスなグループだからこそできた経験だと思います。
「関わった会社の利益が毎年10倍、100倍!」みたいな世の中に誇れる実績はまだ出せていないけど、見える景色は全然変わってきています。
(このインタビュー後にILLUMS online storeの売上をチェックしてみたら、INSTYLE GROUPに加入した当初の売り上げの10倍は達成してました)
振り返ってみると、無茶振りではなかったし、僕に必要なものだったんだなと思います。
そんな無茶振りを楽しめる方だったり、乗り切る覚悟がある方は、ぜひお待ちしています。
やまだ:ギワさん、今日はありがとうございました!
「王様はハダカだ」と言える「子どもな大人」を募集しています
INSTYLE GROUP では「王様はハダカだ」と言える「子どもな大人」を募集中。
INSTYLE GROUP の考える「子どもな大人」とは「好き勝手に文句を言う子ども」ではなく「間違ったことに対してNOと言える、自分の発言に責任を持てる大人」のことを指します。
たとえ相手が上司や社長であっても、間違っていたら面と向かって "NO" と言う。
そういったスタンスで、日々仕事をしております。
INSTYLE GROUP は、さまざまな業種のさまざまな企業が自分らしく自由に集まり、自分と世界の幸せを創出していくグループ企業。
一般的な企業に比べて、服装、髪形、出勤、退勤時間等も自由ですし、それぞれがやりたいことに挑戦できる環境でもありますが、自由な働き方が許されている分、責任という言葉が付いてきます。
自分のやりたいことに挑戦できるし、言いたいことを言える環境ではあるけれど、チームに貢献することを考える。
それぞれが自分らしく自由で幸せに、仲間と楽しくやっていけることを追求するけれど、仕事に関しては、なあなあにならず、売上や利益をしっかりと上げることを考える。
出勤時間や服装など、明確なルールがあるわけではないけれど、秩序を保つことができる。
そんな矛盾しているようで矛盾していない難しい働き方を求められますが、そんな働き方にやりがいを感じ、楽しめる方にとっては最高な環境だと、メンバーは思っています。
「INSTYLE GROUP の働き方を楽しめる」「INSTYLE GROUP でやりたいことがある」
そんな方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をお待ちしております!