なにをやっているのか
東京開発ラーニングセンター(TDLC)プログラムは、日本と世界銀行のパートナーシップの下、2004年6月にスタートしました。同プログラムは、日本の財務省と世界銀行の代表で構成される運営委員会の監督下で、都市・防災・強靭性・土地グローバルプラクティス(GPURL)により運営されています。プログラムの業務は、GPURLのグローバルプログラムの指揮の下、日本政府とのパートナーシップや関係を踏まえて、東京のTDLCチームにより行われています。
TDLCプログラムは、主として(1)知識共有と調査分析、(2)キャパシティ・ビルディング、(3)世界銀行関係者、日本の官民セクター、学界、市民社会への普及活動およびネットワーク構築からなっています。こうした活動を通じて、日本の知識や経験、技術を開発途上国や新興国の都市開発につなげることが期待されています。
また、TDLCは内外のステークホルダーに対して、日本やその他の国々の知識や経験を特定、アクセスし、有効に活用するための「ワンストップ」窓口としての役割を果たしています。情報通信技術(ICT)や国内外のパートナーとの強力なネットワークを活かすことで、ジャスト・イン・タイムの開発課題解決策を収集・提供できるようにしています。
なぜやるのか
世界銀行グループは、2030年までに達成すべき2つの目標を掲げています。
- 極度の貧困を撲滅:1日1.90ドル未満で暮らす人々の割合を2030年までに3%以下に減らす
- 繁栄の共有を促進:各国の所得の下位40%の人々の所得を引き上げる
世界銀行は、世界中の途上国にとって欠かせない資金源、技術援助機関です。世銀は普通の銀行とは異なり、貧困削減や開発支援を目的とした他に例のないパートナーシップです。世銀グループは5つの機関で構成されており、その重要意思決定は加盟国が行います。
世界銀行グループ(本部所在地:米国ワシントンD.C.)は1945年に設立され、1万人以上の職員が世界120か国以上で業務にあたっています。
東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、日本の知見を開発途上国のプロジェクトに活かすことを目的とし、日本の都市や関係機関と連携して共同研究、知見共有、人材育成等を行っています。
どうやっているのか
TDLCの特徴
1. 都市間パートナーシッププログラム(CPP)-TDLCは日本の選定都市とともに、日本の都市開発経験や解決策を洗い出し、開発途上国におけるプロジェクト・レベルの取り組みに日本の知識・経験を反映するための活動を展開しています。
2. 知識共有-TDLCは、世界銀行グループのクライアントと専門職員に対して開発課題に対する世界的なベストプラクティスと解決策を議論する機会を提供することで、都市・防災・強靭性・土地グローバルプラクティス(GPURL)をはじめとするグローバルプラクティス/クロスカッティング・ソリューション・エリア(GP/CCSA)に関連した知識の普及や実務者間のネットワーク構築に努めています。その一例として、TDLCは実務者研修会合(TDD)を毎年複数回開催しています。同会合では、クライアントと世界銀行グループの職員が一堂に会し、1週間にわたり講義や参加者間の知識交換、視察やアクションプラン策定に取組みます。
3. 業務支援-TDLCは、世界銀行のプロジェクトに対する関連ワークショップの実施、現地調査、コンサルテーションを行っています。
4. 学習プログラム開発と調査・研究-TDLCは、成人学習やナレッジマネジメントの理論や実践事例を踏まえながら、都市開発にかかる学習プログラムを開発し、提供しています。特にニーズの高い開発関連知識や事例(特に日本の事例)に関しては、適宜アップデートし、異なる文化や社会背景にも応用可能な知見を提供できるように努めています。
5. 国際会議、その他知識共有イベントの実施-TDLCは、国際会議をはじめとする各種イベントの運営及びオンライン会議を開催しています。また、イベントの模様を動画や報告書にまとめ、ウェブサイトやSNSで発信しています。