なにをやっているのか
わたしたちは「人と海が、いつまでも共生できる世界をつくる」という理念のもと、
2019年に株式会社イノカを創業しました。
弊社は、海の生態系に関わる、例えば「光」「波」「水質」「微生物」などの様々な要素を数値化し、IoT・AI技術を活用し制御することで、「生態系を陸上に再現する『環境移送技術』」の研究開発および社会実装に取り組んでいます。
本技術の成果として、サンゴ礁生態系を水槽内に再現することに成功し、世界でも成功例の少ない「人工抱卵」に成功。
より難しい「産卵」についても、現実的な成功が見込める段階に来ています。
また、将来的には世界中の海の移送を実現し、現地に行かずとも研究ができる環境を普及させていきます。
そのような土壌ができれば、国内外のあらゆる研究機関・企業・行政と協同して、壊れゆく海の環境を保全するだけでなく、好転させていくことができると考えています。
主な成果は以下の通りです。
・モーリシャス沖、商船座礁事故にて商船三井さまから依頼を受け、サンゴ礁生態系の専門家として現地調査と技術の提供を行う。
https://www.sankeibiz.jp/business/news/201013/bsm2010130500005-n1.htm
・大手飲料メーカーと、飲料製造の過程で出る副産物を活用し、サンゴの白化を抑える研究を行う。
・閉鎖環境下でのサンゴ抱卵の時期コントロールに成功。
https://jp.techcrunch.com/2022/01/13/innoqua-coral-incubation/
・三井不動産さまをはじめ、大企業と開催した環境教育プログラムには、延べ1,500名以上の子どもたちが参加。サステナブルブランド国際会議 2021にて成果発表を行う。
https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1201148_1501.html
・虎ノ門の自社オフィス内で小学生向けの環境教育イベント「とらのもんサンゴ礁ラボ」を開催
https://innoquacoralkidslab.innoqua.jp/home
・教育イベントの様子は、さまざまなメディアで取り上げていただいておりますので、
ぜひご覧ください!
PR TIMES TV:https://prtimes.jp/tv/detail/2331
テレビ朝日「挑戦者の原点~My Episode0~」:https://youtu.be/2QZfFPFvUaU
テレビ神奈川「カナガワニ海」:https://youtu.be/aO2wqJhvtc0
読売新聞 2022/1/16朝刊
なぜやるのか
人は、水生生物から生まれる様々なイノベーションを享受してきました。
代表的な例としては、オワンクラゲから発見された蛍光タンパク質が、現在はガン治療に活用されていることなどがあげられます。
その他、ロボティクスや建築、化粧品など様々な分野で水生生物の研究結果は活用されており、サンゴ礁に住む生体の研究からだけでも毎年5000億円の経済価値が生み出されていると言われています。
しかし今、この地球上から、それらのイノベーションの種が失われようとしているのです。
いま、マイクロプラスチックや地球温暖化などの問題を受けて、世界的に海洋環境の問題が注目されております。
その代表例とも言えるのがサンゴ礁です。
サンゴ礁は地球表面のわずか0.1%の面積しか存在しませんが、そこには、確認されている生物種だけで9万種(水生生物の約25%)の生物が生息しています。
しかし、20年後には地球温暖化による海水温上昇の影響で、多くのサンゴが死滅してしまい、その結果サンゴに依存した水生生物の多くが絶滅してしまうと言われています。
また、日本の海に関しても、瀬戸内海では海の栄養バランスが崩壊し、アコヤガイ(真珠を生産する貝)が大量死したり、海苔が収穫できなくなるといった課題が発生してます。他にもホタテやサケ・イクラ、ウニなども100年以内に絶滅する可能性が高いといった研究結果も出ており、様々な水生生物の絶滅が目前に迫っております。
イノカは、水生生物の絶滅を防ぎ、人と自然が100年先も共生できる世界を実現したいと考えています。
どうやっているのか
「人と海が、いつまでも共生できる社会をつくる」ためには「環境保全と経済合理性が両立」が必要です。
しかし、現在は「片方を守るために、もう片方は我慢するしかない」という意識が根付いています。
この前提を取り払うためのロールモデルを生み出すこと、そして、両立が可能であることを誰もが信じて初めて、環境問題を根本的に解決することができると考えます。
「環境移送技術」によって技術革新を起こし海の保全を進めるのは、ロールモデルとなる事業や研究成果を多く生み出していくため。
そして同時に、大人も子どもも幅広い年齢層をターゲットにした環境教育事業も展開しているのは、海を守る動きを社会全体として加速させていくためです。