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社長が語る、ARSの歴史と求める人物像(後編)〜「通販Ace」リリースまでの道のり〜

「雨が降るのも、空が青いのも社長の責任」

中村社長は、危機にあったARSの社員にこのように伝えて覚悟を示してきましたが、現在リリース中の「通販Ace」の制作にもまた新たなハードルがあったようです。
「通販Ace」リリースまでの経緯と、だからこそ新たなメンバーに求める人物像について中村社長からお話をうかがっています。(聞き手:栗田杏)

→前半はこちら

ARS社員が毎朝「掃除」をする理由

Q.ARSでは毎朝15分、全員で掃除してから仕事を始めるという習慣がありますが、なぜ始まったのでしょう?

A.掃除といえば、僕がARSを継いだときに最初にやったことでもあるんです。
就任してからは、朝7時半くらいに出社して9時半の就業時間まで黙々とひとりで掃除してて。
余計な荷物も多かったから、3分の2くらい捨てちゃいました。

なんでかっていうのは、そこに漂ってた負け犬根性を拭い去りたかったんですね。で、きれいになると、人はその場所やモノをきれいに使うようになる。そうやって少しずつ心が変わっていくことってあるんですよね。掃除ってすごく大事なことだと僕は思ってます。

結局、半年後にはオフィスまるごと移転したんですけど。家賃は高くつくけど、空気をまるごと捨てたかった。

そんなこともあって今も朝の掃除をやってます。今では、毎朝掃除をする目的はどちらかというと社員同士のコミュニケーションだったり、体を動かすことだったりするんだけど、幹部の方が率先してやってるよね。心構えが変わるのを分かっているんだと思う。

それに、自分たちがどれだけすごい技術者であろうと、パソコンがなければ僕らは仕事ができないんです。だから、こういう場所やモノに対する感謝の気持ちを大切にしていたいですね。

毎朝掃除タイムの担当表

会社を背負う「通販Ace」開発までの道のり

Q.いまリリース中の「通販Ace」も、開発は一筋縄ではいかなかったそうですが。

A.ずいぶん時間がかかっちゃった、というか、通販Aceの構想は2013年からあったんです。で、会社としては通販Aceが完成しないと会社の先はない、というくらい追い込まれていたんです。
なのに、僕が社長になった段階でも、開発を始めて5年間で10%くらいしか進捗してなかった。
そこで僕、開発の職人たちにこう問いかけたんです。
「あなたたちは、自分たちの作る製品の価値を、市場に問うてみる気概はないのか?」と。

それで目の色が変わった気がします。そこから半年で6割まで完成させた。で、2019年に最初の導入が決まっていたんだけれど、これがうまくいかなくて。でも、そこで職人たちのやる気が爆発しました。

土曜日も出てきて夜遅くまでやってる職人もいた。問題を必死で解決するようになりましたね。
自分たちが作っている製品への愛が強くなったんだと思います。それまでの負け犬根性が変わって。

だから僕も強気で売ることにしています。最初のクライアント数社からは難癖をつけられたのでこちらからお断りしましたし。

Q.ビジネススタイルは変わらずですね。

A.もちろん。そして、クラウドでのサブスクリプションにしたのも良くて。利便性もそうなんだけど、不条理な注文を付けられたらクラウドを切っちゃえばそれで関係は終わるわけです。そうやって取引先は20社くらい減っちゃったんだけど、結果として売上は4倍になっています。

中村社長が考える「社長論」

Q.ところで、社長が考えている「社長の在り方」みたいなものはありますか?

A.色々あります。まず会社を変えていく、その時に社員に気概を持ってもらうのは当然社長の役割だし、あと、決断するということもそうなんだけどこれは簡単ではなくて。成功者が影でどれだけのものを捨ててきたかっていうのは知らない人が多いですよね。そこは僕なりにやってきたつもりです。

ドラッカーの言う「インテグリティ」には僕は強く共感していて、日本語で言う「真摯さ」なんだけど、肩書きで人を見るのではなく、すべての相手をひとりの「人」として考えること。これは社員にも求めてます。

そして社会を変えたいという気概、というよりも「執念」ですね。僕はそれでやってきました。成功するかどうかなんて事前にわかるもんじゃない。だから執念しかない。
ガンジーいわく、「善きことは、カタツムリのスピードで進む」。それも忘れないようにしています。



こんな人と出会いたい、一緒に働きたい

Q.さて、改めて、ARSの採用基準ってどのようなものでしょう?

A.まずは、先ほども少し話したように、製品への誇りを持って、「世の中のためにやっているんだ」と考えながら働いて欲しいです。

そして、働くことの価値をしっかり感じられる人ですね。やりがいとビジョンを僕は重視します。大きな会社ではないので給料は下がっちゃうかもしれないけれど、それでもやりたい、という人。
何をやるのか、誰とやるのかをきちんと考えられる人が良いです。

面接ではどんなビジョンを持っているかたずねます。それが僕らの考えとマッチするかどうかは大切なことなので。

あと、僕が常々社員に伝えているのは「創造と経験は両軸」だということです。
仕事のできるできないって、才能とかではなくてある程度までは努力でカバーできるんですよ。

人の能力って①「量」②「質」③「味」っていう順番で育っていくと思ってるんだけど。まあ、③は独立してやっていけるレベル、その人にしか作れないラーメンを作って経営していけるというレベルです。でもここに達することができるのは一握り。それも、「質」を飛び越えて「味」に至る人の場合は、その間で一度は病むくらいの苦しみを乗り越えた人だろうと思ってます。

でも、「量」をこなせば「質」になっていく、ここまでの部分は努力でできることなんですね。質にならないとか、できないとか言う人は正直「量」が足りてないんだと考えています。

人って常に「あわよくば」って考えちゃう生き物ですよね。でも、現実世界にそんなものはないと思って欲しい、人生に本当のラッキーなんてないと思います。いきなり「ラッキー」で「味」はできあがらないし、そもそも楽をして取ったモノなんて、すぐになくなっちゃいます。

そういう心構えや覚悟は持っていて欲しいです。

Q.突っ込んだお話をありがとうございました。

A.いえいえ、ありがとうございました。

<プロフィール>

エー・アール・システム株式会社
代表取締役社長 中村 恒彦

【 経歴 】
1992年 北陸放送株式会社        
テレビ・ラジオの番組制作・セールスに従事
2009年 株式会社トライステージ    
広告を中心に通販をフルフィルメントでサポート
2014年 通販コンサルタントとして独立 
通販事業会社にて経営に携わる
2017年 エー・アール・システム株式会社入社
代表取締役社長就任

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