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【メンバーインタビュー #1】3児の父で剣士でコンサルタント?副社長の素顔に迫る(取締役副社長/プロトコンサルティングUnit・荒川 編)

こんにちは。グライダーアソシエイツ コーポレート広報チームの吉原です。
この【メンバーインタビュー】シリーズでは、役職を問わず、グライダーアソシエイツで活躍しているメンバーの生の声やプライベートな一面をお届けしていきます。

第1回となる今回は弊社の名物副社長(?)・荒川さんへのインタビューです。

取締役副社長として会社を牽引しながら、プロトコンサルティングUnitの責任者として日々現場の最前線に立ち続ける荒川さん。
今回インタビューしてみて印象深かったのは、その徹底した「現場主義」。副社長という立場でありながら「現場の積み重ね・打席数こそが全てだと考えている」と語る荒川さんの哲学に迫ります。

※荒川さんが責任者を務めるプロトコンサルティングUnitについてはこちらの記事でさらに詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご一読ください。

プロフィール

1981年 山口県出身。早稲田大学商学部卒業後、西日本旅客鉄道株式会社へ入社。退職後、早稲田大学大学院商学研究科に入学。2007年マクロミル入社後は事業会社リサーチ営業、経営戦略北米事業担当・広報室長、セルフアンケートツールQuestant事業初代開発責任者を務めた。
2014年 グライダーアソシエイツに入社。取締役副社長として大手企業・行政機関のマーケティング上のコンサルティング支援を行ないつつ、グライダーアソシエイツ事業全体統括を担う。
2023年4月より青山学院大学 経営学部「マーケティング・ワークショップB」の特別講師を務めるなど、各種教育機関での講演を行なう。
3児の父で現在剣道3段挑戦中。

目次

  • 1. JR西日本をわずか1年で退職?!グライダーアソシエイツに入社するまでのこと

  • 2. 「評論家にはなりたくない」。グライダーアソシエイツで目指すコンサルタント像とは

  • 3. 荒川さんの「これから」のこと

1. JR西日本をわずか1年で退職?!グライダーアソシエイツに入社するまでのこと

──まずはこれまでのキャリアについて教えてください。

早稲田大学を卒業して新卒でJR西日本に入社しました。関西のとある駅員として配属されたのですが、1年ほどで退職し、大学院に進みました。

──1年で。何かきっかけがあってのことでしょうか。

在職中に「大学院で経済を勉強したい」と強く思う出来事があったんです。
私が勤めていた広島エリアのとあるローカル線が、入社まもなくして廃線となることが決定してしまいました。その廃線が決まった路線の調査で、駅舎を一つひとつ巡っていた時、駅の待合室で見た光景に胸を打たれました。

そこには「どうしてこの町から電車がなくなっちゃうの」「お願いだから、もう一度電車を走らせてください」といった、地域の子どもたちの方々からの寄せ書きが数多く残されていました。

それを見て、いろいろな思いが胸を過りました。
「赤字路線だからといって、廃線にすることだけが残された道なのだろうか?」「本業と違うところで売上を上げられていれば、路線を守れていたのではないか?」「そもそも、どういう経緯で廃線まで至ったのだろう?」と問いは尽きませんでしたが、その時の自分には答えが出せなかった。そこで、大学院で交通経済を学ぶことを決意したんです。

退職をしてから受験に臨むという道を選んでしまったため、大学院受験までに残された期間は約1ヶ月と短い期間でしたが、フリーターとしてアルバイトをしながらも、死ぬ気で勉強をしてなんとか合格できました。退路を断ってまで(大学院進学を)望む無謀さに周囲から相当反対されていましたが、今思えば、当時の後先を考えずに行動した体験が、現在の自分を基礎付けている「死ぬわけではないのだからやれることやってみよう」という考え方につながっているようにも思います。

──大学院修了後、グライダーに入社するまではどのようなことをされていたのでしょうか?

今でも仲良くさせてもらっている中国からの留学生の友人から「面白い会社がある」と会社説明会に誘われたことがきっかけで、2007年に市場調査会社の「株式会社マクロミル」に入社しました。交通、放送業界の市場調査営業を経て、経営戦略北米事業担当・広報室長、セルフアンケートツール「Questant」の事業初代開発責任者など、様々な業務に挑戦する機会をもらいました。

──その後グライダーにジョインされたと。

最初は出向という形でした。

マクロミルの新規事業をなんとか製品版ローンチまで漕ぎつけることができ、「さあいよいよこれからだ」というところで「出向です」と。お正月明けのタイミングでしたね。そんな経緯で、日本初のキュレーションマガジンとしてローンチした「Antenna(現・antenna)」に携わることになりました。

ただ、正直その頃は「3ヶ月くらいしたら(マクロミルに)戻るだろうな」とあまり重く受け止めていなかったんですよ。「全く異なる業界で勉強しよう」くらいの気持ちで。


2. 「評論家にはなりたくない」。グライダーアソシエイツで目指すコンサルタント像とは

──3ヶ月どころか、10年以上が経ちました。

ですね(笑)。そんな経緯でグライダーでの仕事が始まりました。
今でこそ様々な領域に進出しているグライダーですが、当時は「Antenna」事業一本。営業やサービス、システムの管理、COOなど様々なポジション・業務を経験して、気づいたら取締役になっていました。当初はメディアや広告、スマホの基本もわかっていなかったので、「あなた本当に取締役?」と呆れられていたこともありましたが(笑)。

ただ、責任もありますし社員のお手本になるべき立場ですから、もちろん必死に勉強しました。「わからないことは知ったかぶりをせずに正直にわからないと言う」「その上で足りていない知識をしっかり補う」というアティチュードは、この頃から一貫して大切にしています。

──様々なポジションを経て、特に印象に残っていることはありますか?

激動の毎日だったので数えきれないほどあります(笑)。

なかでも思い出深いのは週2回の全社会議ですね。当時は全社売上やサービスのユーザー評価、開発などあらゆるセクションを統括しており、それらの進捗を報告する役割を担っていました。当然「今週も全セクション絶好調です!」という週など皆無ですから、何をどうしたら改善できるのか、問題はどこにあるのか、試行錯誤を重ねる日々でしたね。ただ、一緒にチャレンジし続けれてくれた社員、パートナー、家族、お取引先、とにかく色々な方々に助けられてなんとか今日まで来ることができました。

──現在はプロトコンサルティングUnitの責任者として、現場でも活躍されている荒川さんですが、転換点となったプロジェクトはありますか?

こちらも本当に色々ありますが、1つ間違いなく言えるのはLEXUSの新規事業「TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS」ですね。

きっかけはトヨタ自動車様から「LEXUSオーナーのロイヤリティを高める施策、LEXUSならではのライフスタイルを提案するプロジェクトをやりたい」とご相談をいただいたことでした。

元々は「旅の企画を考えて販売することでLEXUSの魅力を体感してもらう」というシンプルなものだったんです。しかし、議論を重ねるうちに「本当にこれでトヨタ自動車様が目指す"幸せの量産"の実現に貢献できるのだろうか?」「既存のプロジェクトをなぞるような施策で満足いただけるのだろうか?」と思い直してきて。

そこで、「まずは先入観を捨てて、目の前のお客様や関わる地域のことをもう一度見つめ直すところから始めるべきです」という提案を行ない、まずはトヨタ自動車様と二人三脚でデータの解読、オーナーインタビュー/アンケートといったこれまでのプロジェクトを見直す現状分析に着手し、その結果を元にあるべき姿・目指すべき姿を提言しました。

──当初のオーダーから一歩も二歩も踏み込んだ提案ですよね。

私は「経営者感覚を持ってお客様の立場に立ち、お客様以上に考え抜く」ことを大切にしています。そうした想いがあったからこそ、企画検討のフェーズから様々なパートナーの方を巻き込むことができ、また完成されたものであったと今でも思っています。

現状分析を通じて得られた仮説をもとにペルソナの策定をし、最終的には地域のステークホルダーを巻き込んだ唯一無二の旅体験プログラム(第1弾:屋久島、第2弾:知床)を立案するに至りました。

そうして生まれた「TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS」は今でも続いていて、全国各地・通年で実施されるシンボリックなプロジェクトへと発展しています。自分の立てた仮説がプロジェクトの骨組みになったことはもちろんですが、ご支援したプロジェクトが今でも皆様に愛されているということが何より嬉しいです。

──トヨタ自動車様、そして荒川さんの並々ならぬ想いが結果に結びついたわけですね。

はい。

ちなみにこれは余談なのですが、(トヨタ自動車様に)オンラインで企画をプレゼンした際のことが今でも忘れられなくて。

まず冒頭で「これは関わるステークホルダーの方々にとって、中長期的に意義のあるプロジェクトにすべきです」「この考えにご納得いただけないのであれば帰ります」とペライチの資料をお見せしたんです。今思えば相当強気のプレゼンでしたが(笑)。

しかし、先方のご機嫌を取ったり遠回しな言い方をするのではなく、はじめから本音をストレートにお伝えしたからこそ本質的なお話につながり、その後のコミュニケーションもスムーズにできたのではないかと思います。

──コンサルタントとして多種多様なプロジェクトに関わっている荒川さんですが、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

クライアントから事業成長に向けたパートナーとして認めていただき、私が関わることで、組織を含む全体に「良い変化」が起きていることを実感できた時、でしょうか。

最近、とあるお客様から「あんたはブレーンなんよ」と言っていただいたことがとても印象に残っていて。「専門知識を持った外部のコンサルタント」ではなく、お客様の身体の一部として、共に理想を目指すような存在になっていきたいと思っています。

──日々の業務の中でいうといかがでしょう。

私の場合はやっぱり、プレゼンですね。アドレナリンが出ます(笑)。

お客様との日常的な商談はもちろんですが、イベントやリアルでの媒体説明会など、多数の方が聴いてくださるような場合もあります。そうした場で会場の熱気を感じながらプレゼンをしている時には「これぞ醍醐味!」と思いますね。

あとはホワイトボードを使って情報を整理している時も、楽しさ・やりがいを感じますね。

──たしかに、よくホワイトボードを使っている印象はあります。

プロジェクトの裏側には多くの情報や背景が潜んでいますから、それを可視化して整理することも、コンサルタントの重要な役割だと考えています。

社員にも日々伝えていますが、それが1対1でも対複数人でも、プレゼンや会議で最も重要なのは準備をして臨むことです。「それが何を決めるための会議なのか」「誰がどんな状態で参加するのか」など、可能な限り事前知識をインプットし、場の認識をすり合わせておく。その上で常に事前期待値を超え続けるように努めることが大切だと思いますね。

──実は私も、初めて荒川さんと仕事をした時「ここまで念入りに準備するのか」と驚きました。

外野でアドバイスをするような役割であれば、自分が今持っている知識や、これまでの経験からくるノウハウを都度提供すれば事足りるのかもしれません。

ただ、私がなりたいのはいわゆる"評論家"のようなコンサルタントではありません。現場の積み重ね・打席数こそが全てだと考えている人間ですから(笑)。それぞれの案件にクライアント以上に向き合うことでしか得られない成果がありますし、その経験の一つひとつが、私自身の幅も拡げてくれると思っています。


3. 荒川さんの「これから」のこと

──公私問わず、今後荒川さんが大切にしていきたいことがあれば教えてください。

今の自分には、

  • グライダーアソシエイツ社内
  • お客様/お取引先様
  • 剣道
  • 子どもたちの習い事

という4つの象限があると思っています。

上の2つについては言うまでもありませんが、剣道や子どもたちの習い事といったプライベートな時間で普段なかなか接点を持てないような人たちの価値観や人生観に触れることは、自分の視点を深めてくれると思っています。

あと、現在3段を目指している剣道の稽古はどれだけ忙しくても可能な限り行くようにしています。平日でも剣道の時間に合わせて一旦切り上げて、汗をかいてからまたデスクに戻るのですが、頭が一度リセットされるので新しいアイデアが降りてくることもあります。

──社員の間では有名な話ですよね(笑)。

(笑)。

今はポジション的にも年齢的にも、会社で若手の頃のように叱られることはほとんどなくなってきましたが、今通っている道場の師範は70代と大先輩。当然その道において私はまだまだ若手なので、毎回厳しく指導いただいています(笑)。

例えば身なりひとつとっても、「道着にしわがあったり姿勢が悪いのは剣道以前の問題だ」と。当たり前のことですよね。ビジネスに置き換えて考えてみると、ヨレヨレのスーツを着ているビジネスマンと清潔感のあるスーツをピシッと着こなしているビジネスマンでは、やはり印象は全然違いますから。

でも、そんなところも初心に帰るという意味でとても新鮮に感じていますね。

──剣道での学びが仕事にも生かされているということですね。

はい。

少し話題が逸れましたが、もちろんそういった(新しいものに出会う)チャンスは社員にも大切にしてほしいですし、取締役副社長という立場として、それができる環境を提供していきたいと考えています。今グライダーで実施している「ワーケーション制度」も、「オフィスと自宅の往復」という生活から一旦離れて、見たことのないものや会ったことのない人に積極的に出会ってほしいという思いを込めて導入を決めたものです。

──ありがとうございます。最後に、将来挑戦したいことはありますか?

​日本の「営業力」を底上げしていくようなことがしたいですね。

とだけ言うと、何のことやらさっぱりだと思いますが(笑)。日本の魅力の1つとして、よく「おもてなし文化」が挙げられますよね。そしてその「おもてなし文化」は「気配り」「マナー」「思いやり」など様々な要素の上に成り立つものです。

突き詰めていけば「相手の気持ちや状況を慮り、最適な行動をする」ということでもあり、営業そして人間の本質的な、大事な根っこの部分とも共通するものがあると思うんです。そう考えたときに、会社、行政、学校など所属を問わず、もっともっと多くの日本人が相手の気持ちを思いやれるように、自分にも何かできることがないかな、と。まあ、まだまだノーアイデアですが(笑)。

ただ、もしそれが実現できればまた新しい人間関係ができて、その分見たことの無い世界に行ける。
歳をとっても精進することを忘れず、ずっと現役のチャレンジャーであり続けたいですね。


会社概要

社名|株式会社グライダーアソシエイツ(GLIDER associates, INC.)
本社|〒141-0031 東京都品川区西五反田8-1-3 PMO五反田 9F
企業HP|https://glider-associates.com/
設立|2012年2月6日
代表者|杉本 哲哉
事業内容|社会課題の解決につながるコンサルティング業務、クリエイティブ制作、自社サービスの企画・開発・運営、インキュベーション投資
関連会社|株式会社craft.

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