2018年6月30日、7月1日と2日間にわたって開催された、Alexaスキルアワード2018のAmazon公式ハッカソン。こちらのハッカソンに弊社のY.Tが参加しました。Y.Tがメンバーとして参加したチームは、見事オーディエンス賞を受賞(参加者全員の投票による)。参加までの道のりや、ハッカソン当日について詳しく話を聞きました。
プロフィール
Y.T
2017年3月に入社し、アプリ開発(iOS)とAlexaスキル開発を担当。
未経験からのスタートだったが積極的に勉強会やセミナーに参加し、Alexaスキルアワード2018では富士通クラウドテクノロジーズ株式会社賞を受賞。
現在は、上記業務以外にもインターン生の指導など幅広い仕事をしている。
前職は通信系のシステム開発。
-ハッカソン参加のきっかけ
インタビュアー(以下 イ):ハッカソンって、そもそもどういうものなのですか?
Y.T(以下 T):「ハッカソン」というのは、英語の「Hack」と「Marathon」をあわせた造語だそうです。短い期間に複数人で一緒にソフトウェアを開発して、技術とアイディアを競い合うイベントのことですね。
イ:今回は、Alexaスキルアワード2018に応募するための前段階のハッカソンということですよね。
T:そうです。まず、自分が作ってみたいと思うスキルやアイディアを見せあって、実現したいものが近い人同士でチームを作ります。そのチームで開発をしてスキルを参加者の皆さんに発表するんです。
イ:Tさんは、どのようにして、このハッカソンがあることを知ったんですか?
T:Alexaスキルは、社内でわたし一人しか開発したことがなかったので、わからないことがあっても、社内で聞ける人がいなかったんです。自分で調査しても、USのスキルばかりで、日本のスキルの情報は少なくて……。そこでハンズオンセミナーに参加してみたんです。そのセミナーがきっかけで、Alexaスキルアワードがあることを先に知りました。
イ:スキルアワードに応募しよう、というのが先にあったわけですね。
T:そうです。その後公式サイトでハッカソンもあることを知って。チームで作る楽しさや、自分のスキルレベルを知りたくて、参加することを決めました。
イ:社外のコミュニティに飛び込むというのは勇気のいることですよね。すごいです。
T:私はアイディアを出すのが苦手なので、色々な方々のアイディアを知りたいと思ったのも動機のひとつです。自分ひとりでは得られないものを吸収しよう、という気持ちで臨みました。
-受賞スキル-内容は?
イ:実際に受賞したスキルはどのようなものだったんですか?
T:Alexaが歌ってくれる絵描き歌を頼りに絵を描いて、お題がなにかを当てるスキルです。
イ:答えはどうやってAlexaが?
T:Alexaアプリに「カード」という形式で答えと絵を表示します。
イ:じゃあ、絵も作ったという。すごいですね。歌はどうやって探したんですか?
T:歌も自分たちで作ったんです。それが一番大変だったかも(笑)。子供向けのスキルですが、大人がやっても意外と盛り上がりました。
イ:盛り上がった様子は、Webでもわかりました。
T:懐かしい感じがするんでしょうね。
イ:開発は苦労したんじゃないですか?
T:序盤はすごく順調で、初日のコーディングで一連の期待動作の確認までできました。二人で分担して開発をしましたが、設計部分をしっかり話し合った上で実装したので、大きな認識の齟齬なくスムーズにいって、純粋にチーム開発を楽しめましたね。ただ最終日にうまく挙動しないところがあって、まったく違うフローで書き直す作業は発生したのですが……。
イ:まったく違うアプローチに!短時間なのに焦りますね。
T:今回は二人で悩むことができたし、サポートの方に相談もできたので、なんとかできました。あとは、Alexaが歌っているようにしたいということで、エフェクトかける作業をひたすらやっていましたね。
イ:先日、リリースされたのだとか?
T:はい、先日リリースされて、Alexaスキルアワードにも応募しました。自分が作ったものが公に出て、多くの方に触れてもらえるというのは、はじめての体験なので、嬉しいです。
-Alexaスキルの魅力
イ:このハッカソンによって、Alexaスキルを使ったビジネスについて考えが広がることはありましたか?
T:Alexaスキルは、ビジネスにつながりにくいとは言われていて。今までの学びは、IoTの開発には活きてくるかなと思っています。
イ:なるほど。
T:Alexaの場合は、クラウドにいったん音声自体をまるっと投げて、音声データをテキストにして自然言語処理にかけて、リクエストの内容を判断して、どのサービスになにを投げるか、というところまでの処理を一貫してやってくれるんですね。
イ:おお、すごい。各処理をわざわざ書かなくてもいいんですね。
T:音声側の部分も含めて開発しやすいといわれています。でもまだ開発人口は少ないんです。
イ:それならチーム開発は貴重な機会でしたね。
T:はい。タッチアンドトライの時とかすごく楽しかったです。
イ:反応が直接見られるのも楽しいかもしれませんね。
T:あとは、これはAlexaに限った話ではないですが、開発において、いろんなサービスと連携できるのが楽しいですよね。
-自社を飛び出して学べたこと
イ:このハッカソンでの気づきを教えてくれますか?
T:サーバ側の実装に関しては、セミナーなどで情報を仕入れていたつもりだったのですが、自分の持っている情報が意外と古いことに気づきました。社内ではコードレビューで気づくようなことを、今回一緒にコーディングすることで「そういう書き方があるのか」と知ることができて。自分がもう「置いていかれている」と感じましたね(笑)。
イ:それは刺激になりますねぇ。
T:それから、アイディアを出すときに、つい同時に実装のイメージを膨らませてしまうので、「これは2日ではできない」と考えを止めてしまうのですが、ほかの方は、「できるかできないか」は考えずに「これを作りたい!」とアイディアをポンポン出してくださるんですよね。その部分に感動しました。わたしは、最初に制限を作るからいけないんだなって。
イ:技術がわかるがゆえに現実的に考えてしまうところはあるかもしれませんね。他に、変化はありましたか?
T:Alexaスキルとあわせて、サーバーレスアーキテクチャについても勉強を続けてきたので、今、案件でお客様とやりとりしている中で、学びが活きている実感があります。材料や手順が前より浮かびやすくなりましたし、課題を明らかにする力がついたかなと思っています。
イ:仕事に活きているのは嬉しいですね。
T:案件でわからないところがあったら、セミナーやハッカソンでご縁のあった講師の方に相談できるのでありがたいです。勉強の方法を教わることもできて、すごく貴重で贅沢な機会だったなぁと。今後も知識を増やして、お客様に対していろんなパターンの提案ができたらいいなと思っています。
イ:講師の方との出会いをそのままにせず、繋がりをもつ努力をすることがすばらしいですね。今後も期待しています!貴重なお話をありがとうございました!
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