スイッチサイエンスの採用広報担当、平山です。
エンジニア社長のインタビュー記事、後編です。「エンジニア出身の社長が語る創業ストーリー」をテーマに、社長の人柄や会社経営における大切な価値観やビジョンについて、たくさんのエピソードを交えて語っていただきました。前編「エンジニアとしての探求から生まれたスイッチサイエンス」はこちらです。
ずばり、会社を経営する理由を教えてください
「朝早く起きるのが嫌で、始業時間を10時にしたかったから(笑)」というのは冗談で。
大学時代からフリーランスとして自由な働き方を選び、月に1度の仕事でまとまった収入を得ては休暇を楽しむ生活を送っていました。ありがたいことに仕事のオファーがどんどん増えて、気づけば自分の会社ができていました。この点で人に恵まれてきたと感じます。一生懸命に営業活動を行ってくれる仲間がいたり、多くの人たちに助けていただき、私の会社は成長していきました。
自分自身について話すと、実は自分にできることはとても小さいなと感じます。能力や幅広さ、時間の制約などによって、実際には自分だけではあまり多くのことは成し遂げられない。簡単な話、自分一人の力だけで自分自身の給料を稼ぐことが難しいと思うから、会社を経営しています。現在、私の会社にはパートタイムの方を含めて約50人のメンバーがいます。中には優れた能力を持つ人もいるでしょうけれど、一人ひとりがばらばらに自分自身の給料を稼ぐのは難しいものです。でも、50人が集まることでそれが可能になる。その50人が一体となり、全体の能力は50倍以上になると考えているので、私は会社を経営しているのです。
スイッチサイエンスの企業理念は何ですか?
スイッチサイエンスは、経営理念として「Light Up Your Science、科学を灯そう」を掲げている会社です。ポイントは「Science(サイエンス)」です。テクノロジーやエンジニアリングではなく、あくまでもサイエンスを応援することに重点を置いています。
科学を追求する人々にはさまざまなバックグラウンドや専門分野があります。私たちの目標は、そうした科学をする人々のお手伝いをすることです。私たちができることを提供し、彼らの活動を支援したいと思っています。「お手伝いをしていたい」っていう表現が正しいかもしれません。
残念ながら、私自身が科学を深く追求し発展させるような仕事には就きませんでした。科学に貢献したかったんですよ。もちろん、これからそうできる可能性が完全にないわけではありませんが、現実的には難しいでしょう。そんな思いを抱きながら、たまたま出会ったこのお仕事を通じて、新たな展望が広がりました。科学を追求し発展させる人たちのお手伝いを通じて科学に貢献しようと決めたんです。
今では毎月数万人のお客様が訪れるショップに成長しました
ありがたいことに、多くのお客さまに日々ご利用いただいています。スイッチサイエンスはこの業界では新参者で、他の電子部品を扱う会社とはちょっと雰囲気が違うかもしれません。そもそもウェブでしか販売していないというのもありますが、誰でも気軽に来てもらえるお店だと思っています。そしてお客様に愛されて育ってきたという実感があります。「スイッチサイエンスは俺が大きくしたんだ!」みたいに思ってくださる方がいたら、それはすごく嬉しいですね。
何度も言いますが私たちの最大の目標は、お手伝いすることなんです。押し付けがましく「これが売りたい!あれが売りたい!俺たちがすごいものを教えてやるぜ!」っていうスタンスではなく(笑)、むしろ、お客様が求めているものや必要としているものを、手に入れやすくすることに重点を置いています。もちろん良い商品や新しい発見があれば、それを提案したり、特に深セン駐在のスタッフが事業開発に取り組んだりもしていますが、それはあくまで手段であり、本質はお客さまが望むものを手に入れるお手伝いをすることなのです。私たちの基本姿勢は、お客さまのニーズに応えることにあります。
スイッチサイエンスはどんな会社ですか?
内側のことをお話しすると、やりたいことやアイデアを持っている人にとって実現がしやすい組織、でしょうか。最近入社した人が「これやってもいいのかな...」と戸惑っている様子でしたので、「もちろん、挑戦してみてください」と伝えました。他の会社からの移籍者にとって、当社のカルチャーは一般的なものとは異なるのかもしれません。
スイッチサイエンスでは、現場スタッフの知識と能力を重視し、それぞれが最善の方法で仕事を進めることを奨励しています。役員は組織のビジョンや目標を考え、現場の声を大切にし、組織全体の責任をもって最終的な決定を下します。マイクロマネジメントを避け、スタッフは自己責任を持ち、信頼関係を築きながら自主的に行動することを大切にしています。それにより、スタッフの能力や個々のやりたいことが組み合わさって、単に足し合わせる以上の大きな成果を生み出すことができると信じています。スイッチサイエンスは、現場スタッフの「やりたいこと」を尊重することで、組織の発展と個々の成長を実現しています。
毎年協賛しているイベント「Maker Faire Tokyo」にはスタッフと共に社長も参加!
「やりたいこと」の集合体で会社を動かしているんですね
個人の成長や作り出したものといった成果は、その人のものであるはずです。人生の中の一時期たまたま一緒に働く期間中、成果の一部=仕事の結果を会社に提供してもらうのは当然ですが、長期的な成果=個人の成長は個人のものであるはずです。なぜなら、会社の寿命は個人の寿命よりもたぶん短いからです。もちろん会社を長く続けていきたいと思っていますが、いつまで続くかは分かりません。会社の終わりと共に成果が残らないなんて悲しいですよね。だからスタッフの皆さんにお願いしたいのは、ぜひ会社を利用するくらいの気持ちでいてくださいということです。
会社を利用すれば、経費を使うことができるという利点があります。会社の名前を背負って様々な場所で活動し、人々と交流することができます。また、会社の名前を冠した作品やプロジェクトを通じて、個人のスキルを向上させ、社会に貢献することもできます。当社は大規模な資金や設備を持っているわけではありません。給与を即座に5倍にするなんてこともできません。2倍くらいにはしたいですけどね。その代わり、会社を活用して個人の成長やスキルアップに役立てていただきたいと思っています。スタッフの皆さんには、会社のリソースを活かして、個人の可能性を広げ、自己のレベルを上げることを期待しています。
ライフワークバランスを両立しやすい雰囲気がありますね
そうなった理由はいくつかあります。まず、自分自身が子供を授かったこと、そして2003年に母を亡くした経験も大きく影響しています。母が亡くなるまでの数年間は、私が医者に連れて行ったり身の回りの世話をしました。そのようなことができたのは、当時も社長の立場であったために時間的に柔軟だったからです。でも、それって社長だけの特権なんでしょうか?他のスタッフも同じようにプライベートと仕事を両立できる働き方ができないものかと考えました。その後少しずつ制度を整備し、文化を醸成し、現在に至っています。
一部の会社では、制度があっても実際には十分に休暇を取ることが難しい状況があると聞きますが、スイッチサイエンスは違います。当社では、小さな子供を育てながら働いているスタッフが多く、育児にとても理解があります。最近では、男性社員が社長以外の男性として初めて長期の育児休暇を取得し、その後復帰しました。このような事例も本当に喜ばしいことです。これからも、スタッフ一人ひとりが充実した人生を送ることができるような働き方や環境を整えることに配慮していきたいですね。
平山は育休中に子どもを連れて社長に会いに行きました!(2016年10月頃)
最後に、これからジョインしてくれる人にメッセージをお願いします!
実際に利益を生み出すソフトウェアを作り上げ、それをメンテナンスし成長させ、また新しい要素を取り入れる―― このプロセスにとても魅力を感じます。ちょっとした工夫や改善によって売り上げが向上することもありますし、それがこの仕事の面白みです。だから社内にソフトウェア部門を持っています。
もちろん、ソフトウェア部門を持たなくてもECサイトのビジネスを展開することは可能です。実際そういった会社は数多く存在します。ただし、誰かが作ったソフトウェアを使うだけだと、自分たちが思い描いたものになるかどうかは保証されません。自社のソフトウェア部門を抱えることで、自分たちのビジョンを具現化し、理想のECサイトを実現することができます。
当社のソフトウェア部門は、日々努力を重ねながら、顧客のニーズや要求に合った使いやすいサービスを提供することを目指しています。お客様にとって本当に価値のあるECサイトを一緒に作りませんか?もし興味を持ってくださる方がいたら、ぜひ私たちのチームに参加してください。ご応募をお待ちしています。
株式会社スイッチサイエンスでは一緒に働く仲間を募集しています